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投稿日:2025年12月8日

海外法規対応のために追加調査が必要になり工数が増える

はじめに:海外法規対応が求められる時代背景

グローバル化が進む中で、日本の製造業も国内市場だけでなく、海外市場での競争力が問われています。
このような背景から、製造業において海外法規対応が避けて通れない要件となっています。
製品を海外に輸出・販売するためには、その国ごとに異なる法規制や環境基準、安全規格に準拠する必要があります。

従来の昭和的なアナログ思考や、国内基準に合わせた調達・生産体制からは一歩も二歩も踏み込んだ「追加調査」と「柔軟な適応力」が求められる時代です。
一方で、現場ではこの対応にかかる工数や負荷が無視できない問題となっています。

本記事では、実際に現場で求められる対応や、追加調査によって増加する工数の実態と、その対策について現場目線で深掘りします。
また、バイヤー、サプライヤーそれぞれの立場から、海外法規対応の現実と課題を多角的に考察します。

海外法規対応で増える工数、そのリアルな現場事情

求められる追加調査の主な項目

海外市場への展開を進める中で、追加調査が必要となる主な項目は以下の通りです。

– 各国ごとの化学物質規制(REACH、RoHS、TSCAほか)
– 製品安全認証(CEマーキング、UL、CCC等)
– 労働・安全衛生、環境規制対応
– 輸出入時の通関要件やダンピング防止策
– 現地調達品のトレーサビリティと証明書取得

これらは、これまでの日本国内規制と比べて、調査項目自体が多岐にわたります。
情報ソースも各国の公式文書や、地域ごとの業界団体のガイドライン、サプライヤーからの情報取得など、幅広い範囲に及びます。

なぜ工数が増えるのか?その本当の理由

海外法規対応で調査の工数が増える理由は、単純な情報量の増大だけではありません。
昭和型マネジメントに根付いた「前例主義」や「属人的作業の温存」、そしてシステム化の遅れが背景にあります。

例えば、「あの担当者しか分からない」、「前例がないから調べ直し」といったボトルネックが各工程で発生します。
Excelベースの管理や、紙ベースの証明書管理が残っている工場では、情報の検索・照合だけで1週間かかることも珍しくありません。
結果としてタスクが後ろ倒しになり、後工程や生産、出荷の現場にしわ寄せがいきます。

調達・購買部門の“見落としがちな”苦労ポイント

調達・購買の現場では、サプライヤー(部品メーカーや材料会社)から「正確な情報」をスムーズに入手できる保証はありません。
サプライヤー自身も海外法規に明るくないケースが多いため、「追加調査依頼」の度に、調査のやり直しや書類の再提出が必要になります。
見かけ上は納期が守れても、社内の調達担当者は通常業務の傍らで、何度も確認・連絡・再取得のために工数を追加投入せざるを得ません。

これが人知れず「現場の残業」や「対応遅延」の要因となり、数字に現れづらい無駄なコスト増加を招いています。

サプライヤー視点での苦悩とバイヤー側の期待

サプライヤーが直面する情報不足の現実

現場でひしひしと感じるのは、サプライヤー側の“情報発信力不足”です。
例えば、「指定された化学物質は含んでいない」という証明書を求められても、どこの組織に問合せ、どんな試験データが要求されるのか?
そもそも法規制の最新版は何か?という基本的な知識が不足している例も珍しくありません。

これは部品メーカーの多くが中小企業であり、海外取引のノウハウ蓄積が十分でない場合が多いからです。
海外規制はしばしば毎年のように改定され、最新情報の入手や正確な理解・更新作業に追われます。
こうした状況は、バイヤー側の依頼意図がうまく伝わらなかったり、サプライヤー側が聞き返すことを遠慮してしまったりと、結果的にコミュニケーションロス、やり直しリスクを高めます。

バイヤーがサプライヤーに求める“行動指針”の変化

昭和型の「指示待ち」「言われたことだけやる」スタイルではグローバル需要に追いつけません。
今、バイヤーや調達購買担当がサプライヤーに本当に望んでいるのは、「自発的な情報収集」「能動的な法規対応」です。

具体的には、
– 複数年にわたる法規制トラッキング体制の構築
– アンチパターン(ルール違反事例)の積極共有
– 複雑な規格変更時のFAQや予防的な実務ノウハウの先回り提供
などが挙げられます。

この期待にサプライヤーが対応できるか否かが、“選ばれる企業”の鍵となるのです。

工数対策:現場で今すぐ始められる工夫

データベース化、小さなデジタル化の第一歩

追加調査工数の削減は、何も一足飛びのIT投資や大規模システム導入だけではありません。
むしろ現場がすぐできるのは、「よくある調査依頼」のパターン化とそのデータベース化です。

例えば、
– よく求められる証明書や申請書類のテンプレート・雛形集
– 海外法規ごと、項目ごとのFAQ・チェックリスト
– サプライヤーからの問い合わせ記録の一元化
これらを、まずはExcel/Googleスプレッドシートや無料クラウドサービスで情報整理してみるだけでも、現場での調査負担は大幅に削減できます。

社内横断フローの見える化とナレッジ共有

部門を超えた法規対応プロジェクトの進捗をリアルタイムで共有するには、シンプルな共有フォルダ・プロジェクト管理ツールが有効です。

– チェックリストや進捗管理を視覚化
– 過去の対応事象や調査履歴を誰でも見られるようにする
– 一度集めた証明書類や判定ロジックを“社内資産”として残し、再利用する

こういった「見える化」によって、属人化ややり直しを減らし、調査工数の削減と現場力の向上を両立できます。

サプライヤー教育・連携強化で負担分散を作る

現場でよく起こる「追加調査依頼⇒サプライヤーに振る⇒返答ミス・遅延」の悪循環は、最初の段階で潰しておきたいものです。

そこで、バイヤー会社側から積極的にサプライヤーとの勉強会を開催し、法規のポイントや証明書管理手法をノウハウとして共有します。
また、サプライヤー自身にも最新法規制動向をウォッチできる専用サイトやニュースレターの活用を促します。
こうすることで「知らなくて手戻り」のリスクを分散・軽減することが可能です。

まとめ:今後の海外法規対応のための“新しい現場思考”

海外法規対応が求められる今、追加調査工数の増大は避けて通れません。
しかし、工数増加を“必然だから仕方ない”という姿勢で受け入れていては、“時間が経つほど負担増”という負のスパイラルが解消しません。

これからの製造現場や購買・調達担当者には、
– 小さな情報データベース化(ナレッジの共有)
– 部門横断的な情報フローの見える化
– サプライヤーとの教育・連携強化
– アナログ発想からの脱却と、積極的な価値創造志向
がより強く求められます。

また、サプライヤーとしても「ただ指示を待つ」のではなく、自社が提供できる“法規対応力”そのものを新たな競争力として磨くことが生き残りの鍵となるでしょう。

昭和型の「俺たちのやり方」から一歩抜け出し、現場が主役となって課題解決型の対応力を身に着けてこそ、世界に伍する日本の製造業の未来が開けるのです。
製造業界の現場で働く皆さんには、ぜひ一歩踏み出して実践していただきたいと強く願っています。

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