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バックパック⇔ダッフル2WayバッグOEMがクイックストラップ収納機構で形状変換

目次
はじめに:求められる現場目線の2WayバッグOEM開発
バックパックとダッフルバッグ、両者の機能と利便性を兼ね備えた2Wayバッグは、近年ビジネス・プライベート双方の現場で高い注目を集めています。
しかしOEM(相手先ブランドによる製造)開発の現場では、見た目や仕様だけでなく、「変幻自在の形状変換」や「ストラップのすっきり収納性」といった使い勝手が本当に求められているのかどうか、時に議論が白熱します。
製造現場で20年以上、調達・生産管理から工場長まで経験した目線で、この2Wayバッグの開発現場に起きている実際の課題、そして業界特有の動向と時代の要請について、深掘りしていきます。
2Wayバッグのトレンドと市場ニーズの移り変わり
昭和型思考が残るアナログ業界の抵抗
昭和的な「耐久性一辺倒・コスト重視」から脱却できない老舗メーカーの現場では、「余計なギミックは壊れるからいらない」「とりあえず定番品が売れる」という声が根強く残っています。
実際、現場の購買担当者が新しいデザイン提案を受けても、「現場で本当に使うのか」「故障リスクが増える」などの疑念も珍しくありません。
しかし、ユーザーは時代とともに変化してきました。
ライフスタイルの変貌、価値観の多様化、脱・通勤用バッグ、1つのバッグで何役もこなす「合理性」や「モジュール性」へのニーズが高まっています。
サプライヤー視点の“刺さる”開発テーマ
OEMメーカー・サプライヤーは、ただバイヤーの指示どおりに作るだけでなく、「ユーザーニーズの変化に寄り添い、提案力を持つこと」こそが選ばれる必須条件となっています。
特に2Wayバッグ分野では、「本当に意味のある変形機構」「収納と取り回しの使い勝手」がアピールポイントとして脚光を浴びています。
クイックストラップ収納機構:形状変換の実装とその本質
機構設計の見直しが商品価値の分水嶺
一般的な2Wayバッグでは、ショルダーストラップがごちゃごちゃになりがちで、バックパック⇔ダッフルの切替時に“面倒”“時間がかかる”といった問題が発生しやすいです。
クイックストラップ収納機構を導入することで、
・瞬時にストラップを格納・展開できる
・持ち替え時にストラップが邪魔にならない
・美観を損なわない
といったユーザー体験が格段に向上します。
こうした機構設計は、単なる“アイディア勝負”ではなく、生産現場・調達購買・品質管理の観点で厳しいハードルとの戦いでもあります。
現場で起きる課題と妥協点
新機構導入=「コスト増」「歩留まり低下」「品質不安」のトリプルリスクが現実に起こりがちです。
例えば自動化ラインでの縫製や組立の手順追加、パーツ増加による納期延長など、現場負担も決して軽くありません。
このとき調達購買部門が果たす「サプライヤーとの交渉」「パーツ共通化」「生産性向上のアイデア提案」は、商品成功の鍵を握ります。
OEM/ODMモデルが一般的なファクトリーでは、バイヤーの要求に応じてカスタマイズ(特注)でコストが跳ね上がるケースも多いため、「どれだけ量産標準化・モジュール化できるか」が事業収益を決めます。
トレンド・販売現場からの逆算で開発する力
需要変動と“セミオーダー化”の潮流
コロナ禍を経て、バッグの用途や需要も大きく変化しました。
「職住融合」や「ワーケーション」といった新たな働き方の定着により、出張・レジャー・普段使いの兼用ニーズが飛躍的に伸びています。
この背景から、2Wayバッグをはじめとした“カスタマイズ性”への関心が高まり、「セミオーダー感覚」「使い分け機構」の需要が根強く存在します。
OEM現場はこれを捉え、パーツの設計共有、短納期対応可能な生産システム、バイヤー提案用スペック表の充実など、より“勘所を押さえた”商品開発力が求められています。
最新の業界動向:デジタル設計とアナログ現場の融合
CADデータによるデザイン→試作・検証→AR/VRでの仮想評価→現場フィードバック……といったデジタル主導の開発も少しずつ増えてきましたが、縫製や検品など多くの工程は未だ人手(アナログ)中心です。
このため、ハイエンドなアイディアも「量産工程」や「コストバランス」への適合が不可欠で、“昭和的現場”と“デジタル最先端”がせめぎ合う構図が現実として根強く残っています。
OEMサプライヤーがバイヤーに選ばれるためにするべきこと
現場目線の課題提起・解決力が命運を分ける
受け身のメーカーに未来はありません。
バッグが2Wayである意味、ストラップ収納ギミックの価値、それがもたらす効率性やエンドユーザーの真の利便性までを自社目線・現場目線で徹底的に咀嚼し、バイヤーへ率直にフィードバックしてください。
「こうすればもっと使いやすく、かつ現場負担も減ります」
「この部品は共通化できます、量産体制でコストダウンが可能です」
「このギミックは歩留まり低下リスクがありますが、こうすれば克服可能です」
こうした提案を裏付ける“現場データ”“具体的な改善経験”をセットで持ち込めるサプライヤーが、今後ますます歓迎される時代です。
バイヤーの本音と向き合い、信頼構築へ
バイヤーの本音は、「従来の枠を破りたいが、リスクは最小化したい」「先端的なギミックも、歩留まりと納期・コストを守って量産できる安心感が欲しい」といった相反する願いを抱えています。
サプライヤー側からは、「設計段階での共同検討」「試作と現場フィードバックの徹底」「工程ごとのリードタイム管理と品質保証」が、信頼関係の礎です。
またOEM-ODMの区別を曖昧にせず、「どこまで責任を持つか」あいまいな仕事はしない誠実さも重視されます。
まとめ:2WayバッグOEMは変革の最前線
バックパック⇔ダッフル2WayバッグのOEM開発は、アナログ色濃い製造現場にも、ラテラルシンキング(横断的思考)が欠かせない時代となりました。
単なる仕様どおりの「御用聞き」ではなく、現場での実践的課題・顧客体験の向上・業界標準化の流れを押さえたうえで、新しい価値提案・モノづくりの合理化に踏み込むことが、選ばれるサプライヤー/メーカーの条件です。
クイックストラップ収納機構の実装ひとつをとっても、その裏側には調達・購買・生産・品質・現場管理の現実と、その総和としての価値創造があります。
アナログとデジタル、古き良き現場経験と最先端技術。
この両方を「横断=ラテラル」に考え抜くことで、昭和から令和へ、これからの製造業に新たな地平を切り拓くことが可能です。
現場で働く方も、バイヤーを目指す方も、ぜひ現場視点・ユーザー視点・そして産業全体のトレンドを睨みながら、次代へのモノづくりに挑戦しましょう。
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