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脱気装置で使われる内部部材の基本構造

目次
脱気装置の基本構造と役割を理解する
脱気装置は、製造業の現場において欠かせない装置のひとつです。
特に食品、化学、医薬品、電子部品などの分野では、その有用性が高く評価されています。
脱気装置が優れているポイントは、製品中やプロセスライン内のガス(主に空気、特に酸素)を効率的に除去し、品質向上や歩留まり向上、製品の長期保存性の確保を実現できることです。
この「脱気」工程は、一見単純に思えるかもしれませんが、実際の現場では装置内部の各部材が高い専門性を持って設計されています。
そのため、購買や生産管理の立場、さらにはサプライヤーとしてバイヤーの目線を理解したい方々にとって、各内部部材の基本構造や選定ポイントを押さえることは非常に重要です。
脱気装置で使われる主な内部部材一覧と役割
1. チャンバー(脱気室)
脱気装置の心臓部ともいえるチャンバーは、対象となる液体または製品を投入し、真空または減圧状態にしてガスを抜くための空間です。
材質には耐腐食性が重視され、SUS304、SUS316などのステンレス鋼が中心ですが、化学薬品に強いフッ素樹脂やガラスが使われることもあります。
チャンバーの設計次第で脱気効率が大きく異なります。
2. 真空ポンプ・排気装置
真空ポンプは装置の駆動力であり、内部の圧力を下げてガスを効率的に排出します。
現場では油回転式、ドライ式、スクロール式など使用状況やコスト、メンテナンス性を基準に選定されます。
真空度による脱気効果の違いや、付帯する排気配管・逆止弁などの最適設計も重要です。
3. 液流コントロール部品(ノズル・ディフューザーなど)
液体を装置内に投入する際のノズルやディフューザーは、液体の分散や流れをコントロールし、脱気効率を高めます。
粒子や異物の混入を防ぐフィルター機能をもつ場合もあり、洗浄性やメンテナンス性が重視されます。
4. セパレーター・捕集器
脱気過程で分離されたガスを液体や生成物から適切に切り離すパーツです。
加圧式と減圧式で内部構造が異なることが多く、同時に除去した液滴やミストを回収する役割も担います。
5. フィルターおよびメンブレン(膜)
微細な泡や微粒子状不純物の除去に使われるのがフィルターやメンブレンです。
装置の規模やアプリケーションによって、サブミクロン単位の高性能なものも使われます。
材料選定や交換周期など、現場での運用コストを左右する重要ポイントとなります。
6. シール材・ガスケット
内部部材間の気密性を確保するパッキンやOリング、ガスケットは、漏れ防止のキーパーツです。
特に昭和のアナログ装置ではメンテナンス頻度が高かったですが、昨今は長寿命・耐薬品性の高い材料が主流となりつつあります。
7. センサー・計測機器
脱気状態を監視・制御するために真空計、圧力センサー、温度センサー、流量計などが組み合わされます。
デジタル化が進む一方、現場では「アナログメーターが安心」というニーズも根強く、その両立を求められることもあります。
脱気装置内部部材の設計思想と現場目線でのポイント
メンテナンス性の追求
製造現場では「止めたら負け」といわれるほど、装置の連続稼働が重視されています。
脱気装置の内部部材選定では、洗浄・交換・点検のしやすさが最重要視されます。
昭和から続くアナログ感覚では、分解と組立が簡単で、消耗品の規格が共通化されていることが受け入れやすいポイントです。
一方で近年は、「ツールレス」で交換できる部品が増えており、ダウンタイム短縮との両立が進展しています。
耐久性・耐薬品性の素材
液体やガスの種類によっては腐食や劣化が進行しやすく、コストを理由に材料選定の手を抜くと現場で痛い目にあうこともあります。
調達や購買担当としては、「多少高くても長持ちする部材」を選ぶことが結果的にコスト削減につながるケースも多いです。
標準化・モジュール化の流れ
設備投資や予備部品管理の現場では、装置各部の規格統一(標準化)が効率化の鍵を握ります。
また、近年は複数ライン共用やスペック違いの素早い切り替えに対応する「モジュール構造」も進んでおり、これらに適合した内部部材の提供がサプライヤーにも求められています。
品質管理・トレーサビリティの観点
ISO9001やGMP、HACCPなどグローバルスタンダードでの監査対応が進み、内部部材も「いつ、どこで、どのように」作られたか証明できるトレーサビリティが求められます。
特に医薬・食品分野では「材質証明書」「成績書」の添付が標準化しています。
バイヤー目線で見る内部部材の選定と調達戦略
コスト VS リスクのバランス感覚
購買担当者として重要なのは「安かろう悪かろう」に陥らず、全体最適の視点で部材選定を行うことです。
脱気装置は多品種少量の生産にも用いられるため、予備品、消耗品在庫の回転率や適正ロット管理が利益を左右します。
サプライヤー側としては、相手先の業界特性やコスト構造を踏まえ、「初期導入コスト」と「ランニングコスト」のバランスを提示できることが商談成功のカギを握ります。
品質トラブルを未然に防ぐポイント
脱気装置内部部材の調達では「アウトガス(部材自身から発生するガス)」「材質起因の汚染」など、現場での見えにくいトラブルを未然に防ぐ観点が大切です。
実機評価やメーカーとの共同実験を積極的に取り入れる、現場ヒアリングを重視する姿勢がバイヤーには求められます。
サプライチェーンの強靭化
新型コロナウイルスや地政学リスクをきっかけに、部材の調達ルート多様化、サプライヤーの二重化(ダブルソース)も定着しつつあります。
いざという時のバックアップ体制、納期の柔軟な調整可否、情報共有力などが強い調達体制構築の条件となります。
昭和アナログからの脱却と最新トレンド
現場では未だに”現物主義”や”職人技”が根強く残っており、脱気装置も「古い装置だけど壊れないから使い続けている」という声は少なくありません。
その一方、AI活用による真空度自動制御、状態監視モニタリング、IoT連携による部材寿命予知保全など、次世代技術の波も着実に押し寄せています。
サプライヤーとしては、昔ながらのスタンダード部材を安定供給しつつ、高度化・デジタル化したオプションにも備える「両利きの経営力」が求められるでしょう。
バイヤーや生産管理側も、古い体制の良さを守りつつ、新しい技術の導入タイミングを見極める柔軟性が、業界発展の鍵となります。
まとめ:現場主義と革新性で進化する脱気装置の内部部材
脱気装置の内部部材は、その構造や素材の違いで装置性能や現場作業の効率に大きな影響を与えます。
材料選定や設計思想、標準化、品質管理など、表面的な価格やカタログスペックだけではなく、現場主義とバイヤー視点を統合した全体最適が重要です。
昭和アナログ業界で根付く習慣や知見と、最新技術の導入をうまく融合させることで、日本の製造業はさらに強く進化できます。
この知見が製造業現場や調達担当者、サプライヤーの皆さまの一助となり、業界の発展につながることを願っています。
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