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リールパートで使われるリールドラムの基本構造

目次
はじめに:リールドラムとは何か
リールパートで使われるリールドラムは、製造業の現場において非常に重要な機器の一つです。
主に電線やワイヤー、ケーブル、紙やフィルムなどの長尺物を保管し、運搬したり、一定量を繰り出したりするための「ドラム型の巻き取り装置」を指します。
どの工場にも必ずといっていいほど存在し、リールパートの根幹を支える構造部品ですが、その構造や重要性について深く知っている人は案外多くありません。
この記事では、実際の現場経験にもとづき、リールドラムの基本構造から、なぜアナログ的な仕組みが今も残り続けているのか、また今後の業界動向や工場自動化とのかかわりについても解説していきます。
これから製造業でバイヤーを目指す方や、サプライヤーの側からバイヤーへの理解を深めたい方に向けて、現場視点ならではのリアルな情報と考察をお伝えします。
リールドラムの基本構造
ドラム本体:円筒形と端板(フランジ)の役割
リールドラムの本体は、大きく分けて中央の「円筒部分」と、両端に取り付けられた「端板(フランジ)」で構成されています。
円筒部分にはワイヤーやケーブルを巻き付けます。
フランジは、巻き取った長尺物が横にずれて脱落しないように保護する役割を担っています。
ドラムの中心には軸穴があり、ここからシャフトやアクスルで支持され、回転させることができます。
円筒部分の径と幅、フランジの直径は、巻き取る対象物の種類や太さ、重量によって最適設計されています。
例えば、太いケーブルほど大径のドラムが必要になり、逆に細くて軽い線材やフィルムではコンパクトなドラムで十分です。
材質の違いと特徴
リールドラムは、使用環境や用途によってさまざまな材質で作られています。
– 木製:コストが安く大量供給に向きます。古くから使われてきましたが、再利用に制限があったり環境配慮の観点から徐々に減少傾向です。
– 鉄製/スチール製:強度と耐久性に優れ、重いケーブルや再利用が必要な用途に多用されます。表面処理(メッキや塗装)によってサビ防止対策がされています。
– プラスチック製:軽量で耐水性があり、小型ワイヤーや精密用途に適しています。近年はリサイクル材の利用も増えています。
– 段ボール製:一時的な梱包や軽量配線材向けの簡易ドラムとして採用されます。
アナログ業界特有の話題として、バイヤーサイドではコスト低減圧力が強いため「安くて丈夫」な木製・鉄製ドラムの需要が根強いものの、環境対応や再利用ニーズの高まりに伴い、今後はプラや紙材へのシフトが進むと考えられます。
ブレーキ・クラッチ・回転制御機構
ドラムを単純に回転させて巻き取るだけでなく、「適切な巻きテンション」を維持するためのブレーキやクラッチ(滑り機構)が付加されます。
これが品質管理の観点で非常に重要です。
張力が不適切だと製品のワイヤーがつぶれたり、逆にゆるすぎると芯ズレや脱落トラブルが発生します。
最近はトルク可変型の機械式クラッチやエアブレーキ、モーター駆動の電子制御など、リールドラム自体も進化していますが、昭和から引き継いだ現場ではシンプルな手動刹車機構や摩擦プレート式が主流で、「壊れにくく修理しやすい」点が評価されています。
巻取り検出センサー・カウンター
現代の工場自動化トレンドの影響を受けて、リールドラムに「巻き取り長さ」や「回転数」「重量」を自動測定するセンサーが取り付けられるケースが増えています。
これにより品質のバラツキ防止や材料ロス削減が実現できます。
黎明期は「ヒューマンカウンター」と呼ばれるような現場作業者による目視・手計測が主流でしたが、IoT化の普及でリアルタイムにPCやPLCへ出力できる計測器が普及し始めています。
この流れに乗れていないアナログ現場もまだ多いのが実情ですが、今後の省人化・DX推進のキーになる要素です。
リールドラムの現場運用におけるポイント
バイヤー目線での調達戦略
バイヤーの立場では、数多あるドラムの「コスト」「耐久性」「運搬の安全性」「環境対応」「カスタマイズ性」などを検討軸として調達しています。
昭和時代には「安く大量に、多少雑でも納期優先」で回っていた現場も、現在ではKPIに基づく部材管理が必須です。
取引先サプライヤーに対しては「在庫レス運用」「回収リールのリユース提案」「ISO14001等の環境規格」なども要求事項に含める傾向があります。
工場現場でのメンテナンス・安全管理
現場目線で最重要なのは「リールドラムの破損・変形がどれだけロスにつながるか」という点です。
端板が歪んだり、シャフト穴がガタついたりすれば、巻き取り作業がままならず、最悪は巻線やケーブルの全損にも発展します。
日々の点検や清掃・注油、摩耗部品の交換、落下・転倒事故防止の安全教育などが欠かせません。
また、「ドラム倒れによる墜落・挟まれ事故」が発生しやすく、全国の製造業現場ではヒヤリハット報告対象として注意が喚起されています。
大径・重量級ドラムであればあるほど、フォークやクレーンによる運搬・セット時には特に熟練作業者のスキルが求められます。
再利用・リサイクルの現状と課題
ここ数年、リールドラムの回収・リユースは環境対応やコスト最適化の観点から重視されてきています。
メーカー循環型の回収システムや、物流業者との連携による回収プラットフォームも登場する一方、「サイズや形状が多すぎて在庫管理が煩雑」「返却したいのに保管スペースがない」など、運用現場特有の課題も浮き彫りになっています。
リールドラムが消耗品感覚で使い捨てられてきた時代から、いかに資源循環型へとシフトしていくか。
ややもすると意識の低い工場や古い慣習に引きずられてしまいがちな課題をいかにクリアするかは、バイヤー・サプライヤー双方の経営レベルでの合意と、現場実務への落とし込みが必須です。
アナログからデジタルへ、そして「昭和を超えていく」業界動向
昭和のアナログ現場で息づく「現場所作り力」
今も工場の多くでは「現場で工夫する」「現物を見て判断する」昭和マインドが根強く残っています。
たとえば、現場作業員がすぐ使いやすいようにドラムの寸法標記を手書きして貼る、ドラムの回転方向矢印を分かりやすくペイントする、不要になったドラムを棚や作業台として転用する──こうした柔軟な現場改善も、製品品質や作業効率の向上に大きく貢献しています。
しかし一方で、こうした慣習の過信が「属人化」「情報非共有」といったリスクにつながっている場面も散見されます。
リールドラムを軸とした工程情報のデジタル化や、使用履歴・保守記録のプラットフォーム化などは、今後のアナログ工場が生き残るために不可欠です。
デジタルシフトと工場自動化:現場とバイヤーが連携すべきポイント
リールドラムそのものがデジタル化するわけではありませんが、「リールドラムを通じて流れる情報」がデジタル化されることによって、部材管理や工程管理に革命が起きています。
たとえばRFIDタグでドラム個体を一元管理したり、IoTセンサーで巻取り回数やテンションをクラウド集計したりといった事例も出てきました。
この流れをリードするのがバイヤーです。
どのような情報が必要か、どんな機能を装備してほしいか、事前にサプライヤー側と密にミーティングし要件定義することが、先進的なサプライチェーン構築の第一歩になります。
また、サプライヤーも「提案型営業」を強化し、単なる部品供給から一歩進んだコト(情報・サービス)を売る意識が求められています。
まとめ:リールドラムの奥深さと、これからの展望
リールパートで使われるリールドラムは、そのシンプルな構造以上に、部材管理力・現場力・サプライチェーン全体の柔軟性を左右する「製造業の根幹を支える縁の下の力持ち」です。
単なる巻き取り部品と侮らず、コストダウン・品質アップ・環境対応・デジタル連携といった幅広い観点から見直すことで、これからのモノづくりの基盤強化につながります。
バイヤーを目指す方は、「現場で何が困っているか」「将来どんな部材が求められるか」というラテラルシンキングをぜひ磨いてください。
サプライヤーとしては、「製品だけでなくソリューションそのものを提案する視点」が今後の競争力源となります。
リールドラムは時代遅れではありません。
むしろ、昭和の知恵と令和のテクノロジーを融合する舞台です。
製造業の皆さんの、新しい発想のヒントとなれば幸いです。
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