投稿日:2024年12月30日

リアクトル・変圧器を基にしたDC/DCコンバータの基礎と設計のポイント

リアクトル・変圧器を基にしたDC/DCコンバータの基礎

DC/DCコンバータは、直流電圧を異なる直流電圧に変換するための重要な装置です。
この装置は、特に電子機器の電源部分でよく使用されており、電圧レベルを適切に調整することで安定したエネルギー供給を実現します。
ここでは、リアクトルと変圧器を基にしたDC/DCコンバータの基礎について詳しく解説していきます。

リアクトルの役割

リアクトルはインダクタとして機能し、エネルギーを磁場として蓄える部品です。
このエネルギー蓄積の性質により、スイッチング電源として利用されるDC/DCコンバータでの電力変換効率を向上させることが可能です。
リアクトルは、入力電流の急激な変動を抑え、負荷への電流の波形を滑らかにする働きをします。

変圧器の役割

一方、変圧器は主に電圧の変換を目的とした部品です。
AC/DCコンバータでよく見かける部品ですが、DC/DCコンバータでも高周波スイッチングを用いて直流を交流に変換し、必要な電圧に変える場面で使用されます。
変圧器の最大の利点は、絶縁が得られることと、電圧を効率良く変換できることです。

DC/DCコンバータ設計のポイント

DC/DCコンバータを設計する際にはいくつかの重要なポイントがあります。
これらを理解することで、効率的で信頼性の高いコンバータを作り上げることが可能です。

1. スイッチング周波数の選択

スイッチング周波数はDC/DCコンバータの設計において極めて重要です。
高い周波数を選択することでコンバータのサイズを小さくすることができますが、スイッチングロスが増加する可能性もあります。
一方、低い周波数では大きなインダクタやコンデンサが必要になるため、サイズが増大する可能性があります。
最適なスイッチング周波数を選ぶためには、全体の効率や冷却面も考慮しながら決定することが求められます。

2. 回路トポロジーの選択

DC/DCコンバータにはいくつかの異なるトポロジー(回路配置)があり、それぞれ特徴と適用が異なります。
例えば、非絶縁型にはステップダウンの「バックコンバータ」やステップアップの「ブーストコンバータ」、絶縁型には「フライバックコンバータ」などがあります。
用途に応じて最適なトポロジーを選択することがDC/DCコンバータ設計の鍵です。

3. 部品選択とレイアウト

全体の設計で最も重要なのが、正確な部品選択と適切なレイアウトの確保です。
インダクタやコンデンサの値の選定はもちろんのこと、スイッチングデバイスの選択もコンバータの性能に大きく影響します。
また、レイアウトは電磁干渉(EMI)を最小限に抑えるための工夫が求められます。

4. 熱管理

DC/DCコンバータの性能を高いまま維持するためには効率的な熱管理も必要です。
スイッチングデバイスやその他の部品が発熱するため、ヒートシンクや冷却ファンを利用して部品の温度を適切に管理する必要があります。
また、放熱パスやサーマルパッドの活用も温度制御の面で有効です。

まとめ

リアクトル・変圧器を基にしたDC/DCコンバータは、現代の電子機器において不可欠な装置です。
その設計にあたっては、スイッチング周波数や回路トポロジー、部品選び、熱管理など、さまざまな要素を考慮する必要があります。
特に製造業に携わる方々にとって、これらの知識は設計・実装にあたり大変有用です。
この記事が、DC/DCコンバータの理解と設計の参考になれば幸いです。

資料ダウンロード

QCD調達購買管理クラウド「newji」は、調達購買部門で必要なQCD管理全てを備えた、現場特化型兼クラウド型の今世紀最高の購買管理システムとなります。

ユーザー登録

調達購買業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた購買情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。

NEWJI DX

製造業に特化したデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す請負開発型のコンサルティングサービスです。AI、iPaaS、および先端の技術を駆使して、製造プロセスの効率化、業務効率化、チームワーク強化、コスト削減、品質向上を実現します。このサービスは、製造業の課題を深く理解し、それに対する最適なデジタルソリューションを提供することで、企業が持続的な成長とイノベーションを達成できるようサポートします。

オンライン講座

製造業、主に購買・調達部門にお勤めの方々に向けた情報を配信しております。
新任の方やベテランの方、管理職を対象とした幅広いコンテンツをご用意しております。

お問い合わせ

コストダウンが利益に直結する術だと理解していても、なかなか前に進めることができない状況。そんな時は、newjiのコストダウン自動化機能で大きく利益貢献しよう!
(Β版非公開)

You cannot copy content of this page