- お役立ち記事
- BOM/部品表の基礎とBOM構築の留意点および応用テクニック
BOM/部品表の基礎とBOM構築の留意点および応用テクニック
目次
BOM/部品表とは何か
BOM(Bill of Materials)、日本語で部品表とは、製品を作るために必要な部品や材料のリストを指します。
これは製造プロセスにおいて非常に重要な要素で、製品の設計、購買、製造、在庫管理を通じてすべての段階に影響を与えます。
具体的には、製品に使用される部品の名前、数量、仕様、サプライヤー情報などが含まれています。
BOMは製造業において中心的な役割を果たします。
これがないと、製品の製造に必要な部品が適切に揃わず、結果として生産スケジュールが崩れ、生産コストが増加するリスクがあります。
また、部品表は製品の設計変更やバージョン管理にも使用され、適切に管理されることで品質の向上やコスト削減に寄与します。
BOM構築の基本プロセス
BOM構築のプロセスは、主に設計者や生産管理者が中心となって進められます。
以下は、その基本的なプロセスです。
1. 製品設計の明確化
BOM構築の第一歩は、製品の設計が明確であることです。
設計者は製品の機能や仕様を満たすために必要な部品を定義し、それに基づいてBOMを作成します。
この段階で設計変更がある場合は、BOM内容も更新されることになります。
2. 部品情報の収集と整理
次に、製品を構成するすべての部品と材料をリストアップし、それぞれについて詳細な情報を収集します。
具体的には、各部品の部品番号、名称、仕様、数量、サプライヤー情報などです。
この情報は将来の購買や製造オペレーションに不可欠です。
3. 層構造の設計
複雑な製品の場合、BOMは階層構造を持つことがあります。
例えば、全体の製品がモジュールに分けられ、それぞれのモジュールがさらに部品に分解されることがあります。
この構造を設計することで、製造プロセスの管理や在庫管理を効率化できます。
BOM構築における留意点
BOMを構築する際には、いくつかのポイントに留意する必要があります。
1. 一貫性と正確性
BOMは製品の基本情報であり、その正確さがすべての製造プロセスに影響を与えます。
したがって、一貫して正確な情報を保ち、更新される設計変更に対応することが重要です。
2. 部品のトレーサビリティ
製品の品質を保証するためには、どの部品がどの製品に使用されたかのトレーサビリティが重要です。
トレーサビリティが確保されることで、不良品の発見時に迅速に対策を講じることが可能になります。
3. 標準化と統一性
企業内で使用する部品の標準化を進めることで、BOMの管理が容易になります。
これにより在庫の圧縮やコスト削減が期待できるだけでなく、製造のフレキシビリティも向上します。
BOMの応用テクニック
基本的なBOMに加えて、いくつかの応用テクニックを利用することで、さらなる効率化やコスト削減を実現できます。
1. 変更管理の効率化
製品のライフサイクルが短縮化している現代では、頻繁な設計変更が求められます。
そのためには、BOMを迅速かつ正確に更新するための変更管理プロセスが不可欠です。
自動化ツールの導入やクラウドベースの管理システムの活用により、変更管理の効率化が図れます。
2. マルチレベルBOMの活用
マルチレベルBOMとは、製品が複数のサブアセンブリに分類される構造のことです。
このアプローチにより、各レベルのBOMを詳細に管理することで、スケジュール管理やコスト予測が精密になります。
3. グローバル調達戦略との統合
BOMとグローバルな調達戦略を統合することで、サプライチェーン全体の最適化が可能です。
地域ごとのサプライヤー情報をBOMに含め、需要に応じた調達計画を立てることで、輸送コスト削減や供給リスクの最小化が狙えます。
昭和から抜け出せないアナログ業界の課題と克服法
多くの製造業は、まだ昭和の時代に根付いたアナログな管理手法を使用しています。
これが効率性や競争力を妨げる一因となっているのも事実です。
1. デジタル化の推進
一部の企業では依然として紙ベースのBOMを使用していますが、デジタル化を進めることで情報の精度やアクセス性が向上します。
ERPシステムやクラウドサービスを活用することで、これらの問題を克服することができます。
2. 業界特有のノウハウの活用
製造業には独自のノウハウや職人技が重要視されていますが、これをデジタルの力で補完することも効果的です。
例えば、過去の成功事例をデータベース化し、新しいプロジェクトに活かすことで生産性の向上につながります。
3. 社員教育とマインドセットの変革
デジタルツールの導入だけでなく、社員の意識改革も重要です。
新しい技術を導入するためのトレーニングプログラムを整備し、スムーズな移行を支援します。
製造業におけるBOMの活用は企業の生産効率やコスト管理を向上するための重要な要素です。
アナログな手法からの脱却を図り、最新技術を取り入れることで、現代の競争市場において成功を勝ち取ることができるでしょう。
資料ダウンロード
QCD調達購買管理クラウド「newji」は、調達購買部門で必要なQCD管理全てを備えた、現場特化型兼クラウド型の今世紀最高の購買管理システムとなります。
ユーザー登録
調達購買業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた購買情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。
NEWJI DX
製造業に特化したデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す請負開発型のコンサルティングサービスです。AI、iPaaS、および先端の技術を駆使して、製造プロセスの効率化、業務効率化、チームワーク強化、コスト削減、品質向上を実現します。このサービスは、製造業の課題を深く理解し、それに対する最適なデジタルソリューションを提供することで、企業が持続的な成長とイノベーションを達成できるようサポートします。
オンライン講座
製造業、主に購買・調達部門にお勤めの方々に向けた情報を配信しております。
新任の方やベテランの方、管理職を対象とした幅広いコンテンツをご用意しております。
お問い合わせ
コストダウンが利益に直結する術だと理解していても、なかなか前に進めることができない状況。そんな時は、newjiのコストダウン自動化機能で大きく利益貢献しよう!
(Β版非公開)