投稿日:2024年11月9日

鉄鋼業界の設備技術部門の新入社員が押さえるべきTPM活動の基礎と効果的な進め方

TPM活動とは何か

TPM(Total Productive Maintenance)は、生産設備の効率を最大化することを目的とした全社的な取り組みです。
この活動は、設備の稼働率を高めるだけでなく、品質向上やコスト削減、安全性向上など、多岐にわたる効果をもたらします。
特に鉄鋼業界のように設備依存度が高い産業では、TPM活動の重要性は非常に高まり、設備技術部門の新入社員にとっては、まずこれを理解し活用することが求められます。

TPM活動の基本的な要素

TPM活動は、主に以下の8つの柱から成り立っています。

1. 個別改善

設備のダウンタイム削減や不具合の迅速な解消を目指します。
これは、全ての従業員が問題解決に取り組む姿勢を育てることが前提です。

2. 自主保全

担当の現場作業員が自らの設備の点検とメンテナンスを行います。
これにより、日常的な異常の早期発見と対応力が期待されます。

3. 計画保全

設備の故障を予防するために、計画的な点検と部品交換を行います。
長期的な視野で設備の健康を維持します。

4. 技術管理

新しい生産技術の導入や既存設備の改善を行うための部門が、最新技術の研究と適用を進めます。

5. 教育訓練

従業員のスキルアップを支援し、設備運用に必要な知識と技術を向上させるための訓練を行います。

6. 安全・環境管理

職場の安全性と環境への配慮を徹底する活動です。
労働災害や公害を未然に防ぐことを目的とします。

7. 事務の効率化

生産現場だけでなく、事務業務の効率化もTPM活動に含まれ、全体の生産効率向上を目指します。

8. 初期管理

新しい設備やシステム導入時のトラブルを未然に防ぎ、初期の稼働状態を最適化します。

鉄鋼業界のTPM活動の具体的な進め方

鉄鋼業界では、以下の手順でTPM活動を進めると効果的です。

1. 初期状態の評価

まずは、現状の設備使用状況や稼働率の分析を行い、改善の必要性と目標を明確にします。

2. 方針と目標の設定

全社的な生産効率、品質向上、安全性の向上を目指した具体的な目標を設定します。
これにより、全従業員の一体感と目的意識を醸成します。

3. チームの編成

部門横断的なチームを編成し、各自の責任ある活動を決めます。
特に技術部門はリーダーシップを発揮し、技術的な支援を提供します。

4. トレーニングと知識共有

各担当者には、設備メンテナンスや問題解決のスキルアップのためのトレーニングを実施します。
また、過去の課題や解決策を共有する場を設け、組織全体で活用します。

5. 継続的な改善活動の実施

PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を活用し、継続的な改善活動を実施します。
特に点検結果や問題対応について定期的に見直し、最適化を図ります。

TPM活動がもたらす効果

TPM活動の実施により、以下のような様々な効果が期待できます。

1. 設備の稼働率向上

設備のアベイラビリティが向上し、故障やトラブルによる停止時間が大幅に減少します。

2. 品質の向上

設備の安定運転により生産品質が向上し、不良品の発生が抑制されます。

3. コスト削減

設備の故障や不良品削減によるコスト削減が実現します。
また、効率的な稼働によりエネルギーコストの削減も期待できます。

4. 作業環境の改善

設備の改善と安全管理活動の強化により、職場環境が向上し、労働災害のリスクが低減されます。

5. 従業員の意識改革

TPM活動に積極的に参加することで、従業員の業務に対する意識が変化し、自発的な改善活動が促進されます。

まとめ

鉄鋼業界における設備技術部門の新入社員がTPM活動をしっかりと理解し、実践することは非常に重要です。
これは、単に設備の稼働率を向上させるだけでなく、全社的な生産性向上や安全性の確保、コスト削減につながります。
また、TPM活動を通じた組織全体でのコミュニケーションの強化や、従業員の意識改革を促進する意味でも、大きなインパクトがあります。
これからの製造業で求められるのは、技術の追求と共に、“人”を重視した持続可能な改善活動の展開です。

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