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バスケット用グリップスプレーOEMが湿気環境でも粘着性を維持する松脂代替レジン

目次
はじめに:バスケットボールグリップと松脂の伝統
バスケットボール競技において、ボールをしっかりとグリップできるかどうかは選手のパフォーマンスを大きく左右します。
特にバスケットボールでは手汗や湿気による滑りが選手の悩みであり、長らく松脂(まつやに)を使ったグリップ強化がスタンダードでした。
私自身、製造業で20年以上に渡り様々なスポーツ用品や工場用グリップ剤の開発・調達企画に関わってきましたが、松脂の芳香や使用感は“アナログな定番”として歴史があります。
しかし、近年の環境配慮や健康問題、さらには品質安定性に対する要望の高まりとともに、「新しい松脂代替品」の開発ニーズが急増しています。
本記事では、OEMによって供給されるバスケット用グリップスプレーが湿気環境下でも粘着性を維持する理由、そしてアナログ業界の課題や新しい潮流について、現場目線で分かりやすく解説します。
グリップ剤OEM市場における変化と課題
松脂の限界と品質課題
松脂は、自然由来かつ粘性が高いことから長年クラシックなグリップ用剤として使用されてきました。
しかし、天然素材ゆえに産地や収穫時期、精製方法によって品質のバラつきが生まれやすいのが課題でした。
加えて「湿気に弱い」「ベタつきが残りやすい」「手やボールが変色する」「臭いが強い」という声も多く、市場や現場からは「細かな品質管理がしやすい現代的な代替品」への期待が高まっています。
OEM化・ブランド展開の急増
最近では、グリップ剤のOEM生産請負を行うサプライヤーも増えています。
これは、スポーツブランドやバスケット用品メーカーがオリジナル製品を開発したい、あるいは新素材を活用したいというニーズに応えた動きです。
OEMサプライヤー側も、調達購買部門からの「安定的供給」「小ロット多品種」「リアルタイムな改良要望」などに即時対応する力が求められるため、従来よりも高度な管理体制への投資が必要となっています。
松脂に替わる新レジン素材の特徴
湿気環境での粘着力維持とは何か
松脂で問題になりがちだったのが「湿度が高い体育館」や「夏の汗ばむ時期」での持続性の低下です。
新しいバスケット用グリップスプレーに使用されている松脂代替レジンは、松脂の不足点を補うために以下の特徴を持っています。
- 化学合成による安定した粘着力
- 水分吸湿性を抑える独自ポリマー設計
- 時間経過や気温湿度変化による物性変化が小さい
- 無色透明・低臭でユニフォームやシューズへの影響も少ない
成分開発の現場目線
私が現場で多く接したのが、「素材そのものの限界」と「使い勝手」のギャップです。
松脂はどうしても付着量の微調整や後始末が面倒ですが、OEMで開発されている新型レジンはスプレータイプや拭き取りタイプなど工夫が加えやすくなっています。
現場作業者やバイヤーの立場から見れば、“手を汚さずにしっかり効く”“材料ロスやムラが少ない”“後始末がラク”といった付加価値こそ購買決定で差別化ポイントとなります。
OEMサプライヤーとバイヤーの新たな役割
製造業界に根強いアナログ文化
多くの製造現場では、昭和から続く“経験則”や“職人技”で判断される部分が未だに多いのが実情です。
グリップ剤関連でも、昔ながらの松脂や滑り止めパウダーがトップ選手の“お守り”的に支持されてきました。
しかし、グローバルサプライチェーンの中で異物混入やISO品質監査の厳格化など、デジタルや科学的管理指標が要求され始めています。
サプライヤーには「素材ごとの品質にバラツキなく、再現性ある製品をつくり続ける」挑戦が求められています。
OEMでの開発・調達戦略が変わる
これまでは「選手やコーチの要望に応じて都度カスタマイズ」するスタイルが中心でした。
しかし今では、「多少慣れ親しんだ感触と違っても、トータルで扱いやすく安全なもの」が選ばれる傾向にあります。
バイヤー(調達担当)の視点では、
- 安定的な原材料入手経路の確保
- 自社だけでなく顧客(エンドユーザー)への使用提案
- 従来型との比較資料やフィードバックの定量的収集
などのスキルや情報感度が重要になってきています。
サプライヤーとしては、「OEM供給だからこそ個別ブランドごとの最適素材を提案できる総合力」や、「現場の声をタイムリーに反映する開発スピード」が成否を分けます。
湿気でも粘着性が落ちないグリップ剤開発のカギ
分子レベルでのデータ活用
OEMのグリップスプレー開発現場では、レオロジー(流動解析)や接着力テストを高頻度で行い、大量のサンプル試作が繰り返されています。
ここにAIやIoT計測データを活用した“標準化ノウハウ”が加わることで、旧来の勘と経験を補強しつつ、どのロットでも安定品質を実現することができます。
湿度や温度、手汗成分など多変数下での粘着力データを基に最適処方を設計することで、「体育館の夏場でも安定」「使いすぎでベタつき過ぎない」といった現場目線の困りごとにしっかり対応できるのです。
現場目線でのヒアリングと改善ループ
自動化や品質管理と同様、日々グリップ剤を使うアスリートや指導者、そしてバイヤーのフィードバックを素早く開発サイドに伝える『フィードバックループ』がOEMでは最も重要になっています。
現場の「すぐ乾くから連続プレーでも安心」「スプレー後の手触りが良い」など細やかな意見を、エンジニアがデータ化し、さらにパイロット生産時に厳格な品質モニタリングや使用テストを繰り返します。
このPDCAサイクルを高速で回せるのはOEMならではの強みであり、アナログ文化の残る業界でも“実践的な進化”を体感できるポイントです。
今後の展望:持続可能性とイノベーションの両立
環境配慮と持続可能な開発
松脂から新レジンへの転換には、単なる機能アップ以上の意義があります。
化石燃料や天然資源への依存脱却、製造・廃棄プロセスの省力化、VOC(揮発性有機化合物)低減など、持続可能なものづくりという観点でOEMサプライヤーの責任はますます大きくなります。
バイヤーとしても、「従来よりも高い品質を、よりサステナブルな方法で」という調達方針を持つことがグローバル市場での競争力となります。
昭和的慣習の効果的なブレークスルー
アナログな現場文化が根強い業界こそ、OEMや新素材の導入がブレークスルーを生みます。
例えば、「現場での使用説明会を実施する」「現役選手のアンケート結果を定量的にレポート」「従来製品との交換コストや効果を見える化」することで、利用現場からの信頼を得る好循環が生まれます。
ここに現場リーダーや工場長経験者の“リアルな声”や知見を重ねることで、表面的なスペック勝負だけでなく、実運用に即した提案が可能になります。
まとめ:製造現場から未来の現場へ
バスケットボール用グリップスプレーOEMにおける松脂代替レジンの進化は、ただの材料置き換えを超え、製造現場・調達購買・品質現場・アスリートが共創する新たなチャレンジです。
そして、「湿気環境でも粘着性を維持する」というテーマは、昭和アナログ品質からグローバルなデジタルIoT品質へ、ものづくりの地平を切り拓く最前線に位置しています。
新素材と現場の知恵が交差するこの領域で、日本発=世界基準のグリップ剤ソリューションを目指す動きはこれからも加速するでしょう。
製造に携わる全ての方が、現場力とデータ、イノベーションを結び付け、“本当に使われ続ける良いモノづくり”に挑戦していただきたいと願っています。
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