投稿日:2025年7月29日

バスボムメーカーOEMでDIYコスメ市場を開拓する圧縮成形パターン最適化

はじめに:DIYコスメ市場とバスボムOEMの可能性

現在、世界的な健康志向やサステナブル社会の流れを受けて、DIYコスメ市場が急速に拡大しています。
特に「自分だけのオリジナル製品」を好むミレニアル世代やZ世代が中心となり、スキンケア・バスアイテム・フレグランスなど、多様なカテゴリで需要が高まっています。

中でもバスボムは、カラフルな見た目や香り、肌への優しさなどが受け、多くの顧客に支持されています。
そのため、バスボムメーカーやOEM事業を展開する企業にとっては、圧倒的に魅力的な新規市場が広がっている状況です。

しかし、日本の多くの化粧品・雑貨メーカーは、いまだに昭和的なアナログ生産・管理体制に依存しがちです。
最新の市場ニーズや製造効率化に適応できていないケースが珍しくありません。
本稿では、約20年強の製造業実務と管理職経験を踏まえ、バスボムOEM事業を軸にDIYコスメ市場開拓の可能性と「圧縮成形パターン最適化」の具体的方法を、現場目線で掘り下げていきます。

DIYコスメ市場の現状と今後の展望

成長著しいDIYコスメ市場

DIYコスメ市場の拡大は、消費者の「パーソナライズ志向」が大きな要因です。
化粧品を自分好みのデザイン・香り・素材で作り、安心して利用したいという思いが、日本国内でも着実に根付き始めています。
特にバスボムは、SNSでの拡散性・視覚的インパクト・プチギフト需要などが相乗効果を生み出し、市場を牽引しています。

バスボムのOEMビジネスとは

バスボムOEMとは、ブランドを持たないクライアントや個人事業主が、自社ラベルで販売できるよう、バスボムメーカーが製造を請け負う仕組みです。
このモデルは、小ロット・多品種生産や短納期対応などが不可欠であり、従来型の大量生産・ロット生産以上に柔軟な現場対応が求められます。
販売先はECサイトや百貨店、セレクトショップなど多岐にわたり、時流に乗ることで新たな収益チャンスを生み出せます。

国内OEM参入に潜む「昭和の壁」

しかし、大手老舗メーカーの多くは、工程管理や品質管理、調達購買など各部門のデジタル化が遅れています。
結果として、少数多品種・短納期といったニーズに対応しきれず、機会損失が生じているのが現状です。
製造業のDXが叫ばれるものの、「以前からのやり方で十分」という意識が根強く、変革が進みにくい土壌が残されています。

バスボム生産の要:圧縮成形パターン最適化とは

バスボム製造の基本プロセス

バスボムの製造には、主原料(重曹・クエン酸・でんぷん類など)への香料・着色料の配合、加水、混練といった前工程の後、圧縮成形という大きな工程があります。
この「圧縮成形」は、小ロットから大量生産までにおいて品質・歩留まり・ライン効率を決める最重要ポイントです。
人手作業も根強い一方で、自動・半自動の圧縮成形機も普及し始めており、ここでの最適化が事業の成否を分けます。

なぜ圧縮成形パターンが重要か?

圧縮成形とは、混練した素材を金型内で一定圧力によって固形化する工程です。
プレス圧・保持時間・加圧速度・脱型方法・温湿度管理など、関与するパラメータが多岐にわたります。
この全てのパラメータが少しでもズレれば、「割れ」「欠け」「圧縮ムラ」「見た目不良」といった品質問題を招き、歩留まりが大きく低下します。

とりわけOEMビジネスでは、1ロットごとに成分や機能、形状が全く異なるため、「パターン化」と「最適化」が最大のカギなのです。

現場でよくある課題

・バスボムの割れや巣の多発
・各ロットでの仕上がり色・香りのバラツキ
・金型へのこびりつきや脱型不良
・成分配合変化が圧縮特性に反映されない
・既存設備での自動化適応が進まない

これらはいずれも、圧縮成形パターンそのものの見直し・最適化で改善できる場合が多いのです。

昭和型現場で使える圧縮成形パターン最適化の実践ノウハウ

データ収集の「見える化」で一歩リード

まず重要なのは、アナログ現場でも実践できる「工程データの見える化」です。
圧縮圧力・保持時間・金型温度・原材料ロット・作業者など生産現場ごとに手書きや簡易表計算ソフトへ記録を一元化します。
仕上がり品の物理強度・脱型性・外観合格率等、品質に直結する指標とセットで「圧縮成形パターン」を横断的にデータ化し管理するのです。

既存の帳票で管理できなければ、現場に直接ヒアリングしつつ紙のチェックリストからPCへの転記だけでも構いません。
アナログ現場ほど、「管理項目の徹底と継続的データ化」が差別化につながります。

成分・ロットごとに「標準化」を徹底する

OEMバスボムは成分や添加物、色・香料がロットごと、製品ごとに大きく違います。
それぞれの処方ごとに「最適な圧縮圧力」「最適な保持時間」「最適な脱型タイミング」などの標準パターンを設けておくことが重要です。
たとえばA社の桜フレーバー・赤色系は「100kg/cm²、5秒保持」だと最も仕上がり良好。
一方でB社のラベンダーオイル配合・青色系は「120kg/cm²、7秒保持」でないと脆弱性が出る。
こういった現場知見の標準化は、現場作業者の経験とデータ蓄積から導き出せます。

歩留まり改善・コスト削減のためのマイクロDX戦略

DX(デジタルトランスフォーメーション)というと大がかりなシステム導入を想起しがちですが、昭和型現場では「マイクロDX」すなわち小規模・身近なデジタル化こそ重要です。
例えば「脱型タイミングのカウントをタイマーアプリで管理」「金型洗浄記録を写真で撮りだめる」だけでも、作業標準偏差が大きく改善されます。
さらには成型条件別にバーコード貼付→作業ごとにスキャンして進捗管理、などもコストがかからず省力化が進みます。

自動化設備の導入効果を最大化する

資本投下ができる場合、自動圧縮成形機(トグル式、ロータリータイプ等)の導入は手戻りリスクや品質安定化で大きなメリットがあります。
ただし自動機も「万能」ではなく、前述した「成分ごとのパターン最適化」と既存自動機パラメータの細かな調整がなければ、設計通りの効果は得られません。
現場主導で「テストロットによるパラメータ微調整」を重ね、設備屋まかせにせず「標準条件+個別最適調整」という組み合わせが最良です。

現場に根付く「人の目」「五感」を活かす

データや機械任せだけではなく、作業者自身の「手ざわり」「香りの強さ」「見た目変化」のフィードバックを工程ごとに反映しましょう。
日本のものづくり現場には、長年培ってきた「勘と経験」が財産として蓄積されています。
「ヒヤリハット」「作業者間の感想・相違点メモ」など、現場ならではの五感データも工程最適化に組み込みます。

バイヤーとサプライヤー、双方の視点を持つ価値

バイヤーの「求める品質・納期」とは

バイヤー(購買担当者)は、価格だけでなく「品質安定性」「短納期対応」「柔軟な設計変更へのレスポンス」を求めています。
特にDIYコスメはSNS拡散やトレンド変化が激しく、シーズンごと、場合によっては月単位で新商品リクエストが来る場合も多いです。
バイヤー心理としては「PO発注から最短納期で安定したロット納品」「突発的なリピート生産にも即座に応えられる」ことが絶対条件になります。

サプライヤーが「選ばれる」ためにすべきこと

成形パターンの最適化を通じ、「何も言わなくともリクエストに柔軟に」「仕上がりの安定感」という安心感を提供できるメーカーは、リピート率が段違いです。
実際、「〇〇の香り仕様変更」「納期短縮要請」に現場と密に連携し即応できれば、他社との差別化は一目瞭然です。
加えて、歩留まり改善や省人化、省力化が進めば、最終的に提案価格力(Cost Competitiveness)も高まります。
バイヤーから見ても「頼れるパートナー」として厚い信頼を得やすくなるのです。

結論:昭和的な現場力 × パターン最適化でDIYコスメOEMを牽引せよ

DIYコスメ、特にバスボムのOEM市場は今後さらに拡大が期待される一方で、日本製造業現場には昔ながらの非効率、属人化、アナログ体質が残っています。

ですが、「圧縮成形パターン最適化」に取り組むことで、現場の一人ひとりが主役となり、バイヤーの多様なニーズにも即応できる『現場力』を発揮できます。
データ化や標準化、マイクロDX、自動設備の最適運用、そしてベテランの五感までフル活用し「ベストなバスボム」を追求する、これが日本製造業の新しい武器になるのです。

昭和の現場経験も、令和の新たな市場機会も、柔軟かつ論理的に融合させて、皆様の現場力・組織力をぜひOEM事業に活かしてください。
そして、顧客から「バスボムといえば御社に!」と言われるメーカー・サプライヤーを一緒に目指していきましょう。

ノウハウ集ダウンロード

製造業の課題解決に役立つ、充実した資料集を今すぐダウンロード!
実用的なガイドや、製造業に特化した最新のノウハウを豊富にご用意しています。
あなたのビジネスを次のステージへ引き上げるための情報がここにあります。

NEWJI DX

製造業に特化したデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す請負開発型のコンサルティングサービスです。AI、iPaaS、および先端の技術を駆使して、製造プロセスの効率化、業務効率化、チームワーク強化、コスト削減、品質向上を実現します。このサービスは、製造業の課題を深く理解し、それに対する最適なデジタルソリューションを提供することで、企業が持続的な成長とイノベーションを達成できるようサポートします。

製造業ニュース解説

製造業、主に購買・調達部門にお勤めの方々に向けた情報を配信しております。
新任の方やベテランの方、管理職を対象とした幅広いコンテンツをご用意しております。

お問い合わせ

コストダウンが重要だと分かっていても、 「何から手を付けるべきか分からない」「現場で止まってしまう」 そんな声を多く伺います。
貴社の調達・受発注・原価構造を整理し、 どこに改善余地があるのか、どこから着手すべきかを 一緒に整理するご相談を承っています。 まずは現状のお悩みをお聞かせください。

You cannot copy content of this page