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新型コロナウイルス感染症で新たに求められる「BCP・リスク管理・危機管理」と対策ポイント

目次
BCP、リスク管理、危機管理の必要性とは
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、製造業界においても「BCP(事業継続計画)」、「リスク管理」、「危機管理」が今まで以上に重要視されています。
従来からこれらの管理が求められてきたものの、ただの形骸化した計画としてではなく、実際に有事の際に機能することが強く求められるようになりました。
BCPは、自然災害や国際紛争等の不測の事態が発生した場合の事業継続計画を意味します。
リスク管理は、企業が直面する可能性のあるリスクを特定し、それに対して適切な対策を講じることを目的としています。
そして、危機管理は、実際にリスクが現実化した際にどのように対処し、損失を最小限に抑えるかを計画するものです。
これらの管理は、企業の存続に直結する重要な要素であり、特に製造業においては安定した供給体制を維持するために必要不可欠なものです。
新型コロナウイルス感染症の影響と対応
COVID-19のパンデミックは、製造業に多大な影響を及ぼしました。
サプライチェーンの混乱、工場の稼働停止、需要の急激な変化など、従来の業務プロセスだけでは対応が困難な事態に直面しました。
特に世界的な部品供給の遅延や物流の阻害は、多くの企業にとって計画的な生産を難しくする要因となりました。
対策の一つとして、多くの企業がリモートワークを導入し、デジタルツールを活用した業務の効率化を図りました。
しかし、製造現場ではリモートワークだけではなく、感染予防を考慮した安全対策の実施が不可欠です。
これには従業員の健康管理、3密(密閉、密集、密接)の回避、消毒や衛生管理の強化が含まれます。
また、サプライチェーンの再構築も重要な課題です。
複数のサプライヤーからの部品調達や、代替輸送手段の確保といった柔軟な仕組みを整えることが、リスクに対する耐性を高めることにつながります。
BCPの具体的な構築手順
BCP構築のプロセスは大きく分けて、リスクの特定、重要業務の選定、対策の策定、訓練と見直しの4つのステップがあります。
リスクの特定
まず、企業が直面する可能性のあるリスクを洗い出します。
例えば、自然災害、技術的なトラブル、人為的なミス、パンデミックなどが考えられます。
それぞれのリスクについて発生可能性や影響度を分析し、優先順位を設定します。
重要業務の選定
次に、企業にとって特に重要な業務を特定します。
これは、事業の中核となる業務や、サプライチェーン全体に大きな影響を与える業務を意味します。
これらの業務が停止しないように、もしくは停止しても迅速に復旧できる体制を整えます。
対策の策定
リスクに対する具体的な対策を策定します。
例えば、代替設備の用意、ITインフラの整備、業務プロセスの見直しなどが含まれます。
また、緊急時に迅速に対応するための意思決定プロセスや、コミュニケーション手段を確立することも重要です。
訓練と見直し
BCPを策定しただけでは実効性が担保されません。
定期的に訓練を実施し、問題点を洗い出して計画を改善することが重要です。
また、社会情勢や技術の進歩に応じてBCPを見直すことも必要です。
リスク管理の考え方とポイント
リスク管理は、発生頻度と影響度に基づいてリスクを評価し、企業が許容できる範囲内でリスクを低減することを目的とします。
初期評価
まず、リスクの発生頻度(どの程度の頻度で発生するか)と影響度(発生した場合の事業への影響の大きさ)を評価し、それに基づいて対応の優先順位を決定します。
リスク対応策の選定
リスクへの対応策は、リスクの転嫁、軽減、受容、回避の4つに分類されます。
製造業では、例えば保険加入によるリスクの転嫁、予防メンテナンスによるリスク軽減、低リスク案件におけるリスクの受容、危険区域の迂回によるリスク回避など、具体的な対応策が求められます。
リスクの定期的なモニタリング
環境の変化に応じて、リスク管理方針も見直しが必要です。
定期的なリスク評価を行い、必要に応じて計画を修正します。
日常業務の中でリスク感性を高める訓練も有効です。
危機管理の準備と対応
危機管理は、実際の危機発生時に適切に対応できるかどうかが試される場面です。
危機発生時には迅速な意思決定と対応が求められます。
事前準備
企業は、危機発生時の対応マニュアルを策定し、関係者に周知徹底します。
また、緊急時の役割分担を明確にし、スムーズな対応が可能なように準備を進めます。
危機時の対応
危機が発生した際には、影響範囲を把握し、迅速な意思決定を行います。
情報収集と分析を行い、最適な対応策を実施します。
また、関係者への迅速かつ正確な情報伝達も重要です。
事後のレビューと改善
危機が収束した後には、対応の成果をレビューし、問題点を明らかにして次回に備えた改善策を講じます。
こうした経験を積み重ねることで、危機対応能力は向上します。
まとめ
新型コロナウイルス感染症のような予測不能な状況下において、製造業が今後も事業を継続し、成長を遂げるためには、BCP、リスク管理、危機管理の重要性を理解し、実行力のある体制を構築することが求められます。
これらの計画は、常に現場視点で評価され、改善され続けることが大切です。
また、デジタル技術を駆使した情報管理の強化や、新たな働き方の導入など、柔軟で迅速な対応ができる組織作りを推進することも重要です。
読者一人ひとりが自社の状況を振り返り、実践的な改善計画を立案し、次の危機に備えて準備を整えていただければと思います。
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