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ロー付け試作:銅・真鍮・ステンレスなど異種金属接合に最適

目次
ロー付け試作とは?
ロー付け試作とは、異種金属の接合技術の一つであり、主に銅、真鍮、ステンレスなどの金属を接合する際に用いられる技術です。
この技術は、異なる金属の特性を活用し、さまざまな製品や部品の製造においてその可能性を広げることができます。
例えば、耐久性や導電性、または腐食耐性を必要とする製品などに最適です。
ロー付けは、比較的低い温度で金属を接合することができるため、素材の機械的性質を損なうことなく接合が可能です。
そのため、高度な技術を駆使した製品開発や試作品の作成に非常に有用です。
ロー付けの基本原理とプロセス
ロー付けの基本原理は、金属の接合部にフィラー金属を挟み込み、そのフィラー金属を溶かすことで接合を行うというものです。
ここでは、プロセスの流れを詳しく見ていきましょう。
1. 下ごしらえと表面処理
ロー付けを行う金属の表面をきれいにすることが重要です。
酸化膜や不純物はフィラー金属の浸透を妨げるため、まずは接合面を研磨し、清掃します。
これには、化学洗浄や物理的な研磨が含まれます。
2. フィラー金属とフラックスの準備
ロー付けには、母材と同一の金属ではなく、フィラー金属を用います。
フィラー金属は、通常、銅やニッケルなどの金属であり、接合したい金属の合金となることもあります。
また、フラックスも使用されます。
フラックスは酸化を防ぎ、フィラー金属と母材の濡れ性を向上させるために不可欠です。
3. 加熱と接合
フィラー金属を加熱し溶融させることで、母材とフィラー金属が浸透接合を開始します。
このとき、母材の融点よりも低い温度で加熱するため、母材そのものを溶かすことはありません。
これは、接合面がしっかりと接合されるまで慎重に行います。
4. 冷却と清掃
接合が完了したら、ゆっくりと冷却して固化を促進します。
冷却後、接合部に残ったフラックス残渣を洗い流し、完成品を仕上げます。
異種金属にロー付けを適用する利点
ロー付けは、異種金属を接合する際に非常に多くの利点を持っています。
ここでは、その利点をいくつか挙げてみます。
低温での接合
異なる金属を接合する際、温度管理が重要になります。
ロー付けの利点として、比較的低い温度(一般的には450度から700度程度)で接合が可能なため、金属の熱による変形や性質の変化を最小限に抑えることができる点が挙げられます。
異種金属の組み合わせ自由度
ロー付けでは、銅とステンレス、真鍮とアルミニウムなど、異なる特性を持つ金属をうまく組み合わせることができます。
これにより、製品設計の自由度が大幅に向上し、革新的な製品の開発が可能になります。
ロー付けの応用例
ロー付け技術は、さまざまな工業製品や部品の製造に利用されています。
以下は具体的な応用例です。
配管部品の接合
配管システムにおける金属パイプの接合には、耐圧・耐食性を求められることが多く、ロー付けが適用されます。
特に、銅を使用した配管システムでは多く用いられています。
電気部品の接合
電子機器において、異なる基板を接合する場合や、電気接続が求められる部品にはロー付けが活用されます。
耐熱性や導電性の点で優れた特性を持つフィラー金属が使用されます。
空調・冷凍装置の製造
冷媒を扱う装置では、冷媒ガスを安全かつ効率的に運搬するための接合が求められます。
この際、異種金属の組み合わせによる性能向上を目指し、ロー付けが採用されます。
ロー付け試作における注意点
異種金属のロー付け試作を行う際には、いくつかの注意点があります。
温度管理の精度
適切な温度範囲でロー付けを行うことが重要です。
温度が高すぎると、金属が不要に溶けたり、フィラー金属が過度に広がりすぎたりする可能性があります。
また、逆に低すぎると完全な接合ができず、強度不良になることもあります。
フィラー金属の選定
接合したい金属に適したフィラー金属の選定は、接合の成否に影響する重要な要素です。
対応する素材の特性を理解し、信頼性の高いフィラー金属を選びましょう。
フラックスと洗浄の徹底
フラックスは必須ですが、接合後の洗浄を怠ると、フラックス残渣により腐食の原因となります。
高品質な接合を維持するために、適切な洗浄プロセスを確立しましょう。
まとめ
ロー付け試作は、異種金属を接合する際に多くの利点を持ち、さまざまな産業分野で活用されています。
しかし、成功させるためには、フィラー金属の選定や温度管理、フラックス処理などに十分注意を払う必要があります。
これらのプロセスを正しく進めることで、革新的で信頼性のある製品開発が可能となるでしょう。
製造業の進化において非常に重要な技術であるロー付けを、ぜひ試みてみてください。
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