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投稿日:2026年1月2日

ケーブルグランド部材の防水不良が起こすトラブル

はじめに:ケーブルグランドと防水の重要性

ケーブルグランドは、電気配線を機器や盤内に導入する際に欠かせない部品です。
とくに屋外設備や水気の多い工場、食品加工現場などでは、防水性が非常に重視されます。
ところが、現場では「ケーブルグランドの防水不良」による思わぬトラブルが頻発しています。
本記事では、ケーブルグランド部材の防水不良が引き起こすリスクや、トラブル事例、防水不良を防ぐための現場実践ポイントなど、実務的な目線で詳しく解説します。

製造業に携わる方、バイヤーやサプライヤーの皆様が現場レベルでリスクを回避し、競争力の高い製品やソリューションを実現する一助になれば幸いです。

ケーブルグランドの役割と防水不良の実態

ケーブルグランドは、電線やケーブルを装置や盤筐体にしっかり固定し、外部からの水や埃の侵入を防ぐ役割を担います。
IP等級による防塵・防水性能は、機器の信頼性や安全を守る中で重要なスペックとなっています。

しかし、現場では次のような理由から防水不良が起きがちです。

1. 部材の選定ミス

・防水型と呼びながらIP等級表示がない廉価品の使用
・ケーブル径に対して不適切なグランドサイズの選択
・屋外用途なのに金属製でなく耐候性のない部材で済ませる

2. 施工・取り付けの問題

・ケーブルとグランドの間に隙間ができる
・パッキンやOリングの挿入忘れ・劣化放置
・締め付け不足または過剰で部材が変形
・施工マニュアルがなく「ベテランの感覚」で組み付けている

このような「小さな油断」や「慣れによる省略」が、水の侵入という大きなトラブルを招きます。

防水不良がもたらすトラブル事例

ケーブルグランドの防水不良が、いかに製造現場や社会インフラに深刻な影響を及ぼすか、いくつかの代表的な事例でご紹介します。

誤動作・機器停止によるラインダウン

防水性の不良により水分が制御盤内に侵入し、センサーやPLCが短絡や結露で誤作動を起こすケースは多いです。
場合によっては生産ラインが停止し、莫大な損失となります。

品質不良・クレーム発生

食品工場や医薬品工場など「水分厳禁」な現場では、盤内侵入水によるカビや腐敗の発生から、出荷製品そのものの品質保証が損なわれます。
納品後に「原因不明の不具合」としてクレームやリコールになることもあります。

漏電・感電事故のリスク

水の侵入による漏電は、感電事故や火災に直結する重大なリスク要因です。
特に作業員の安全確保や公共インフラの信頼維持が求められる現場では、防水不良は見過ごせない課題です。

設備の腐食・寿命短縮

制御盤内部の金属部品や電気部品は、水分に触れるとすぐに錆や腐食が始まります。
これにより、定期修理や交換の頻度が増え、設備のトータルコスト増大につながります。

地味だけど致命的、アナログ現場の“昭和の常識”が今も残る理由

なぜ今も現場ではケーブルグランドの防水不良が後を絶たないのでしょうか。
その背景には、アナログ業界ならではの「昭和的慣習」が根強く残っていることが挙げられます。

現場でありがちな慣習と盲点

・「うちはこのやり方で何十年やってきた」の精神
・新製品への切り替えを現場が敬遠し続ける
・設計時点で防水性への認識が浅い →「一応IP対応」としか書かれていない図面
・現場の暗黙知・相互信頼ありきの施工 → トラブル発生時に原因究明が困難
・バイヤーが部材コストだけで選定し高信頼品を避ける

こうした“いつものやり方”が、「小さな部品」ゆえの軽視や油断につながり、トラブルを繰り返す温床となっています。

最新動向:デジタル化・自動化現場に求められる新たな視点

製造業の現場はデジタル化・自動化が急速に進んでいますが、「防水対策」という単純な課題が意外なほど足を引っ張っています。

IOT化・スマートファクトリー時代と防水

・現場に設置するセンサーや配線経路が爆発的に増加
・IOT機器は小型化・高精度化ゆえ微量の水分でも障害リスク
・大量データ収集のため、ちょっとした配線トラブルが広範囲に波及

そのためグランドの部品1個の品質や施工ノウハウが現場全体のアウトプットを大きく左右します。
今や「ケーブルグランド=消耗品や脇役」といった旧来の発想を脱し、“製造競争力”や“スマート現場”のコア要素として考える必要が出てきています。

バイヤー・サプライヤーの戦略ポイント:防水不良を起こさないための実践策

ここからは、調達やサプライヤーが押さえるべき現場発・実践的な防水対策ポイントを解説します。

1. IP等級・各種規格を正しく理解し、根拠をもって選定する

・IP表示(例:IP67)の定義をしっかり押さえる
・仕様書に「どのレベルの防水性がなぜ必要か」を明記する
・型式選定時は、カタログスペックだけでなく現場環境との相性を確認

2. 品質・価格以外の“総合性能”評価を行う

・部材そのものの耐久性や、メンテナンスのしやすさも比較
・パッキン/Oリング材質の長寿命性や交換容易性もポイント
・できれば部品メーカーの出荷検査フローや品質体制もチェック

3. 施工ガイドライン・マニュアルで属人化を排除

・現場任せではなく、メーカー推奨の施工マニュアルを作成し教育
・現場テクニシャンと調達担当、双方が共有する場を設ける
・特定スタッフだけの“コツ”や“経験”に頼らず、作業標準をアップデート

4. 不具合品のトレーサビリティとフィードバック体制

・万が一トラブルが発生した際の現品回収、ロットトレースは必須
・現場でのNG事例に即座にフィードバック対応
・「防水不良・盤内浸水」の事例をサプライヤー共通問題として全社展開

こうした一連のPDCAサイクルで、現場品質とバイヤー価値を同時に高めることが可能です。

現場の新たな地平線へ:小さな部品を「現場イノベーション」の主役に

ケーブルグランドの防水不良は、見逃せば全体最適を阻む「現場の穴」ですが、逆に言えば、こうした小さな部品の品質管理や施工ノウハウを高めていくこと自体が、現場イノベーションへの第一歩です。

バイヤーやサプライヤーのポジションからあえて「現場目線」で細部にこだわり、部材の価値を正しく評価して採用と運用まで一気通貫で管理する。
その積み重ねが昭和的な“慣行”から脱却し、グローバルで戦える現場へ進化する鍵となります。
AIやIOT時代だからこそ、アナログ現場の“地味な部材管理”がますます重要となる——。
現場の仲間とともに新たな価値を創り出していきましょう。

まとめ

ケーブルグランド部材の防水不良は、誤動作や品質不良、漏電事故など多大なトラブル要因を孕んでいます。
背景には現場の慣習や属人的な経験値への依存があり、製造現場の潜在的リスクとなっています。
一方、現代製造業の進化に伴い、バイヤーやサプライヤーも現場密着での課題解決と価値創造を担う時代です。
小さな部材ひとつを通じて、トラブル未然防止と現場革新に寄与し、より安全・高品質なものづくりに貢献していきましょう。

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