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製造業が果たすべき気候変動対策とSDGsの重要性

目次
はじめに
製造業にお勤めの皆様、あるいはこれからバイヤーやサプライヤーを志す皆様へ。
近年、気候変動問題とSDGs(持続可能な開発目標)の重要性が、世界的に叫ばれるようになりました。
日本の製造業も、この新たな潮流から決して逃れることはできません。
国内外の法規制や消費者意識の変化に伴い、気候変動対策を組み込んだ経営戦略は、もはや避けて通れない道となっています。
本記事では、現場目線で実践的な気候変動対策のあり方と、SDGs達成に向けて製造業が果たすべき役割について深く掘り下げます。
また、バイヤー・サプライヤー双方の視点や、これからの製造業に欠かせないグローバル基準についても解説します。
製造業と気候変動の切り離せない関係
なぜ今、製造業が変わるべきなのか
かつて日本、特に昭和の時代の製造業は「大量生産・大量消費」と「コスト競争主義」に支えられてきました。
しかし現代は、地球規模での気候変動が顕在化し、各国が脱炭素社会構築を加速させています。
製造業はエネルギー多消費型の産業であり、温室効果ガス(GHG)排出量が他産業と比べて大きいことが特徴です。
つまり、社会全体でGHG削減のターゲット値が設定される中で、製造現場の意識変革と生産プロセスの抜本的な見直しが求められています。
ステークホルダーの期待とプレッシャー
今や、顧客企業や消費者のみならず、株主や金融機関も「環境配慮」の姿勢を重視しています。
サプライチェーン全体のGHG排出把握(スコープ3)や、エネルギー最適化の取り組み状況が、取引上の重要な判断材料となっています。
これにより、アナログな体質が根強い製造現場も、デジタル化や情報開示への取り組みを進めざるを得なくなっています。
SDGsの視点から見る製造業の役割
SDGsとは何か
SDGsは国連で採択された2030年までの持続的目標群です。
全17ゴールのうち、製造業は「つくる責任 つかう責任」(12番)、「産業と技術革新の基盤をつくろう」(9番)、「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」(7番)など、多くの目標に直結しています。
SDGsを自社戦略へ実装することは、単なる社会貢献やイメージアップに留まりません。
調達先の選定から組織経営に至るまで競争力そのものであり、数年先を見据えたサスティナビリティ経営へのパスポートなのです。
重視される「ESG投資」とは
昨今拡大するESG投資(環境・社会・ガバナンス)は、上場企業だけでなくBtoBサプライチェーン全体にも波及しています。
「環境配慮型の工場設備」「省エネルギーな物流経路」「公正な雇用管理」「ダイバーシティ推進」なども厳しくチェックされる時代となりました。
SDGs目標達成への努力が直接ビジネスに紐づく時代となったのです。
現場から考える実践的な気候変動対策
単なる環境目標ではない「現場視点」の導入法
気候変動対策と聞くと「省エネ機器の導入」「紙の削減」など表面的な取り組みを連想しがちです。
しかし、それだけでは、根本的なインパクト創出やコスト削減につながりにくいのが現実です。
大切なのは「現場の創意工夫」と「プロセス再設計」です。
昭和的な現場力をデジタルの力でアップデートし、トヨタ生産方式に代表される「ムダの徹底排除」を環境負荷低減という新たな目線で深化させる。
たとえば以下のような施策が考えられます。
サプライチェーン全体でのCO2削減
1企業単独でゼロカーボンやエネルギー削減を目指しても、その効果には限界があります。
昨今では、サプライヤー・物流・外注先と共に生産や物流の見直しを図り、サプライチェーン全体でCO2削減を推進する事例が増えています。
たとえば、部品のモジュール化・納入回数の最適化・製造工程の標準化などは、コストダウンと同時にCO2排出の大幅削減に繋がります。
また、バイヤーがサプライヤーに対し、CO2排出量の情報開示やLCA(ライフサイクルアセスメント)を求めることもスタンダード化しています。
デジタル化・自動化とカーボンニュートラル
現場の生産管理や品質管理も、IoTやAIの導入で「見える化」と「最適制御」が進みつつあります。
設備の稼働データ・エネルギー消費・不良品の発生原因などをリアルタイムで分析し、機械ごと・工程ごとの最小消費エネルギーを割り出す取り組みが進行中です。
また、工場自動化を通じて、昼夜の電力需要調整やピークカット、予防保全による設備稼働の効率化も、直接的な気候変動対策となります。
原材料選定・廃棄物管理も評価ポイント
原材料の選定においても、リサイクル素材の利用やバイオマス資源の活用などの「循環型モノづくり」が注目されています。
さらに、現場からの廃棄物削減策や、リユース・リサイクル推進もSDGs視点で評価されています。
こうした取り組みには追加のコストや人手がかかるように感じられるかもしれませんが、長期的な資源価格の高騰リスク回避や、グローバル調達時の取引継続条件としてますます重要度が高まっています。
バイヤー&サプライヤー双方に求められる意識改革
「安さ至上主義」からの脱却
かつては「いかに安く早く調達するか」がサプライチェーンの最大の競争軸でした。
しかし今や「環境配慮」「安全と安心」「透明性」も重要な選定基準になっています。
日本の現場には未だ「安さ最優先」のアナログ慣習が残る一方、海外取引先やグローバルコンプライアンスの波は確実に迫っています。
買い手・作り手双方とも「環境負荷低減」という新たな経済価値を理解しなければ、将来的な市場や信用を失いかねません。
取引条件=サステナビリティの取り組み
今後バイヤーを志す方には、単にコストと納期管理だけでなく、サプライヤーの環境・社会的側面を見抜く目利きが求められます。
自社だけでなく、サプライチェーン全体での脱炭素・サステナビリティ活動実績を「新たな選定条件」とする動きは加速しています。
一方で、サプライヤー側も型にはまった受け身から脱却し、「自社はここまで環境配慮を進めている」「CO2排出量を見える化している」など積極的な情報開示と提案が不可欠となっています。
変化の時代に必要な“現場×戦略”のラテラルシンキング
現場力だけでは生き残れない新時代
昭和から培われてきた職人技や現場主義は、日本製造業の大きな強みです。
しかし、環境規制の強化、消費者行動の変化、SDGsの台頭など「地殻変動」レベルの変化が押し寄せる現在、現場力だけでは十分な対応ができません。
ポイントは「現場の強み」と「経営・調達戦略」を横断的につなぐ(ラテラルシンキングする)ことです。
たとえば、現場で生じるムダや不具合のデータを、デジタル技術で集約・分析し、サステナ経営のKPIに落とし込む。
調達先環境配慮の取り組みを標準化し、各社で共通した手法として共有する。
こうした“横展開”が、知見を新たな価値へ変える鍵となります。
バイヤー・サプライヤー新時代の「パートナーシップ」
製造業の調達現場には「買い手vs売り手」という対立的な構図が根強い傾向があります。
しかし、今後は「共創型パートナーシップ」が不可欠です。
災害リスクや地政学リスクなど、外部環境変化への対応も、SDGs時代の新たなバイヤー資質の1つとなってきます。
双方が自社利益だけでなく、「サプライチェーンの持続可能性」「地球規模の環境対応」を見据え、知見・データをシェアしながら競争力の源泉を共創しましょう。
まとめ:今こそ主役に、未来を切り拓く製造業へ
気候変動対策とSDGs対応は、もはや表面的なイメージ戦略やお題目ではなく、製造業にとって新たな成長の原動力です。
アナログな慣習が残る現場ほど、小さな工夫や改革がダイナミックな変化になり、サプライチェーン全体の競争力へ結びつきます。
バイヤーを目指す方もサプライヤーとして競争力を高めたい方も、まずは現場から一歩踏み出し、「気候変動対応」と「SDGs経営」を自分事として始めていきましょう。
過去の成功体験に留まらず、現在進行形で変化し続ける世界の“主役”になることが、これからの製造業における新たな使命です。
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