衣類リフレッシュミストOEMが植物酵素でシワ伸ばし＆除菌

衣類リフレッシュミストOEMが植物酵素でシワ伸ばし＆除菌

衣類をすぐにリフレッシュしたい、シワを伸ばしながら除菌もしたい―そんなニーズが高まる中、植物酵素を活用した衣類リフレッシュミストのOEM（相手先ブランド製造）が注目されています。
本記事では、製造業の現場経験に基づき、アナログ業界ならではの工夫や時代の流れ、OEM開発のポイント、業界の今後を現場目線で深掘りします。

衣類リフレッシュミスト市場の現状

消費者ニーズの変化とOEM需要

衣類のリフレッシュミスト市場は年々拡大しています。
コロナ禍以降、除菌・消臭への関心が一気に高まり、自宅やオフィスで手軽に衣類ケアができる商品の需要が増えました。
その中で、フレグランスや消臭だけでなく、「シワ伸ばし機能」や「植物由来成分」を訴求した差別化商品が増加傾向です。

ブランド各社は独自性を持った商品を開発するためOEMへの依頼が増えています。
既存の商品群に「除菌＋シワ伸ばし＋天然成分」という新しい付加価値を加えることで市場競争力を高めようという動きです。

昭和体質のアナログ業界に起きた転換

一方で、長らく昭和から続いてきた調達・製造・品質管理の現場では、成分や品質情報の管理、ライン切り替えの非効率さ、アナログ的な調達先選定などの課題が残っています。
新しいOEM商品を作る上で、この“アナログな現場感覚”と現代の消費者ニーズのギャップを埋めることが成功の鍵となります。

植物酵素を活かした製造現場の強み

植物酵素の機能性とメリット

植物酵素とは、野菜や果物などに含まれる分解酵素です。
タンパク質や皮脂、汗などの有機物を分解する力があり、衣類のシワをほぐしつつ、同時に嫌な臭いや菌も分解・除去します。

従来の化学合成成分ではなく、安心安全な天然素材による除菌・消臭・シワ取りに対する消費者の信頼は非常に高いです。
環境配慮の視点からも、これらの植物酵素由来の成分は高く評価されています。

製造現場が直面する課題

一方、植物由来成分はロットごとの品質安定性や保存性、生産工程での分離懸念など、従来品とは異なる配慮が必要です。
酵素活性が残るよう低温充填や防腐・防カビ対策、材料ロスを減らすライン切り替え時の工夫など、実践的な製造ノウハウが求められます。

現場では微量と大量生産の切替ノウハウ、長年の「肌感覚」によるサンプル評価と分析のハイブリッド運用など、昭和から続く“現場感”が活きています。

OEM開発におけるバイヤー視点とサプライヤー視点

バイヤーが求める“次世代ケア”とは

バイヤー（自社開発担当・商品企画）は、機能性・安心・差別化・コストパフォーマンスといった多面的な価値を求めます。
特にアジア・北米市場への輸出やインバウンド需要を見込む場合、原材料表示、製造トレーサビリティ、安全規格準拠などグローバル品質が前提です。

「ただのOEM」ではなく、製品のストーリー性やSDGsとの親和性、販促・マーケティング支援までワンストップで提案できる工場・サプライヤーが重宝されます。

サプライヤーが知るべきバイヤー心理

サプライヤーは、バイヤーの「何を差別化したいのか」「ブランドストーリーにどう寄与できるか」を深く理解する必要があります。
そのためには、単なる技術提案だけでなく、
「なぜこの酵素成分なのか」
「どのような環境配慮プロセスを取り入れているか」
「アナログ現場で積み上げたノウハウをどう付加価値化するか」
といった、言語化しづらい“現場知”を明確に伝えることが重要です。

特に昭和体質の工場では、新たな技術や海外展開に慎重な傾向がありますが、OEM開発をきっかけに現場改革や品質改善、SDGs推進といった“見える化”が進み、社内改革のトリガーにもなります。