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投稿日:2025年10月3日

水産業における省力化と生産性向上技術の共同開発手法と応用事例

水産業改革のカギ:省力化と生産性向上に挑む共同開発の現場

水産業は長年にわたり、労働集約的でアナログな工程が主流でした。
しかし、グローバル競争や労働人口の減少、消費ニーズの変化を背景に、今や省力化・生産性向上は避けられないテーマとなっています。
そこで注目されているのが、メーカーやIT企業、現場オペレーターなど複数の専門家による「共同開発」です。

本稿では、製造業での経験を土台に、水産分野でも成功しつつある省力化と効率化の共同開発手法、そして具体的な応用事例を解説します。
バイヤーやサプライヤーはもちろん、現場のリーダー層や導入を検討する方々にも役立つ実践知をお届けします。

なぜ今、水産業に省力化と共同開発が必要なのか?

労働力不足の加速と業界の課題

2024年現在、日本の水産業は高齢化・担い手不足という大きな壁に直面しています。
従来の「人海戦術」や「経験と勘」に頼るやり方では、いずれ持続不可能となるのは明白です。
地域によっては漁獲量以前に、水揚げ・選別・加工に従事する若手を確保するのが至難の業になってきました。

また、SDGsや消費者志向(安全・安心・トレーサビリティ)の高まりもあり、一層の効率化・高付加価値化が求められています。
経営者・現場長の多くが「どこかで変わらなきゃ」と思い始めている現状があります。

昭和のやり方からの脱却

日本の水産業は、良くも悪くも“昭和”の空気や慣習が根強く残っています。
現場での暗黙知、付き合い重視の商習慣、エクセルや紙伝票に頼った管理…。
一方世界では、IoTセンサー、AI選別、ロボットアームの活用が広まり、大規模なコスト削減・品質均一化を実現しています。

今や“ものづくり”現場と同じく、水産業にもデジタルの波と協働の発想、複数企業の垣根を超えた知恵の共有が求められています。

水産業における共同開発の現場プロセス

1. 現場課題の見える化と本質的な要件出し

水産業は、現場ごとに漁獲・養殖・加工シーンが異なり、課題も千差万別です。
例えば「重労働な水揚げ作業」や「選別ミスによるロス」、「帳票作業の煩雑さ」などがあります。

共同開発では、まず現場スタッフ・管理者・技術提供側(メーカーやソフト会社)が一堂に会し、
課題を“作業単位”や“流れ”で再構造化し、目に見える形に落とし込みます。
ここを丁寧にやらないと、「現場に合わないシステムだった」と後悔するパターンが多発します。

2. ラテラルシンキングで新たな解決手段を創出

「本当にこの作業が必要?」
「異業界の技術が流用できないか?」
経験豊かな現場人材と、ものづくり・ITのプロがラテラルシンキング(水平思考)で新たな組み合わせを模索します。

例えば、工場自動化で使われる画像認識やライン制御、バイヤーが好む品質管理ノウハウのノウハウを持ち寄ることで、これまでにないアイデアが生まれます。

3. プロトタイピングと早期フィードバック

一発で理想形には辿りつけません。
現場スタッフを巻き込んだ「試作」「小規模運用」「現場レビュー」を何度か繰り返します。
このアプローチは製造業の“現場主義”の賜物でもあり、水産分野のアナログ現場にもしっかりフィットします。

4. サプライチェーン全体に及ぶ連携・応用

省力化技術は、その場しのぎに終わらせず、物流・販売・在庫管理など全体最適をめざすべきです。
これには、バイヤー/サプライヤー間の情報共有や業界団体を通じた横展開も必要です。

応用事例:現場で活きる省力化・生産性向上技術

事例1:AI選別機による品質判定の省力化

ある大手水産加工会社では、従来はベテラン作業員が目視で魚のサイズ・キズ・色を選別していました。
しかし、毎年作業員が減る一方、品質基準の厳格化は進む。

そこで大手メーカーの画像認識AIと、現場側のノウハウを持ち寄り、カスタマイズ型AI選別機を共同開発しました。
その結果、判定速度は従来の1.5倍、誤判定率は半減。
作業者は「選別から監督・メンテナンス」役割へと進化し、省力化・付加価値向上の両立に成功しました。

事例2:IoTセンサーによる養殖環境の最適化

別の養殖業者では、水温や塩分濃度のモニタリング作業を毎日手作業で行っていました。
天候急変や極端な水温変化に気付くのが遅れ、稚魚の大量死を招いたことも。

そこでベンチャー企業×水産現場×ITメーカーのトライアングルで、
水槽ごとにIoTセンサー・無線通信・AI分析を実装。
スマホアラートや自動調整機能により、現場の負担は大幅減。
バイヤーからも「データ根拠のある養殖なら仕入れやすい」と評価が向上しました。

事例3:RPAと電子帳票による事務作業の自動化

意外と見過ごされがちなのが、紙文化の帳票・事務作業省力化です。
伝票入力や発注書管理、検査記録といった日々のルーティン業務が、現場リーダーや管理者の負担になっている工場が少なくありません。

製造業で主流になりつつあるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)や電子帳票化を水産業にも応用。
メーカー、ITベンダー、現場担当が協力し「現場端末で一括入力・クラウド管理」を導入することで、月間60時間もの作業時間削減につながっています。

バイヤー・サプライヤーの視点:共同開発が生む新たな価値

バイヤーにとってのメリット

省力化・最適化を深める共同開発は、単なるコスト削減にとどまりません。
「安定供給」「品質の可視化」「競争優位性向上」といったバイヤー志向の課題解決にも直結します。

また、課題共有・技術交流を通じてサプライヤーとの“信頼の絆”が強まり、
中長期的な協業・パートナーシップへと発展しやすくなります。

サプライヤー視点での発想転換

従来は「要望通り納める」が最大の評価基準でしたが、これからは「現場提案力」や「技術でバイヤー課題を共に解決する」姿勢が求められます。
事例からも分かる通り、開発者・現場担当・技術営業が一体となった動きが不可欠です。

逆に言えば、バイヤーの現場・経営課題を深く理解し、他社と差別化する大きなチャンスが到来しています。

最後に:水産業はもっと“開発型”産業になれる

水産業は、“昨日と同じやり方”を捨て去る勇気と、“異業種・多様な力”を取り込む柔軟さが鍵です。
昭和の感覚に縛られない共同開発型のものづくりこそ、持続可能な日本の水産業を切り拓く道です。

メーカー、IT企業、現場オペレーター、ベンチャー、そしてバイヤー・サプライヤーが“現場目線でチーム”を作り、新たな価値の創出につなげましょう。

日々の現場課題から目を背けず、「今こそ水産業の明るい未来づくり」にチャレンジする皆さんを、私は力強く応援します。

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