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投稿日:2026年2月17日

SNS活用が続かない製造業の共通パターン

SNS活用が続かない製造業の共通パターン

はじめに:なぜ製造業のSNS活用は難しいのか

製造業はデジタル変革の波が押し寄せる現在においても、昔ながらのアナログ文化が色濃く残っています。
そのため、SNSのような新しいコミュニケーションツールを使いこなそうにも「何を投稿すればよいかわからない」「続ける意味が見いだせない」という声が現場から多く聞かれます。
この背景には、製造業ならではの商習慣やマインドセットが深く関わっています。

本記事では、20年以上の製造業現場経験を持つ筆者が「SNS活用が続かない製造業企業の共通パターン」を現場目線で解説するとともに、昭和的価値観が根強く残る業界がどこでつまずくのか、その本質に迫ります。

SNS活用が続かない製造業企業の現状分析

製造業におけるSNS活用の失敗例には、以下のような共通点があります。

パターン1:経営層・現場どちらにも「目的意識」が不明確

SNS担当者に話を聞くと「上司に言われてなんとなく始めた」「他社もやっているから」などの消極的な理由が目立ちます。
現場側もTwitterやLinkedInでの発信の意味を理解できず、「誰に何を届けるのか」が曖昧なままです。
結果的に、投稿内容が自己満足になりがちです。
経営層も「数字で成果を見せろ」と言うばかりで、SNSがリード獲得や採用ブランディング、サプライチェーンパートナー探しにどう直結するかわからない状態が続きます。

パターン2:発信内容が「自社都合」一辺倒

製品スペックの羅列や新設備の導入自慢、ISO/品質認証取得の報告など、BtoB的な一方向情報が中心です。
ところが、SNSユーザーであるバイヤーや求職者、業界関係者は、もっと現場の裏側や加工技術のトレンド情報、サプライチェーン全体での課題解決や業界の未来を知りたがっています。
自社の弱みも含めて赤裸々に公開できる「人の温かみ」や「歴史」が実は製造業の価値なのですが、発信に勇気が持てず固い内容で終始してしまうのが特徴です。

パターン3:「製造業は黙っていても仕事が取れる」という昭和的思い込み

ものづくり大国・日本という自負や、長年のお得意様との紙付きの契約文化に甘え、「わざわざSNSで情報発信しなくても技術は見ればわかる、分かる人は分かる」という意識が担当者だけでなく、管理職にも根強いです。
DX推進やグローバル展開では競合との差別化、リード獲得が必須ですが、「現場の口コミ」で何とかなる、SNSは若者だけのツールという誤解が払拭できていません。

パターン4:担当者が兼務で疲弊、知見が社内で循環しない

多くの製造業ではSNS担当が営業や総務、品質管理などと兼務しています。
投稿内容がマンネリ化し、各部署の現場情報やトラブル事例など共有しあえず、孤独な作業でモチベーションも維持できません。
「炎上リスク」を恐れる上層部からネガティブチェックが入りすぎて、結果として「無難な」投稿しかできなくなり、発信力が低下します。

パターン5:そもそも目的となる「ペルソナ」像が不明確

売りたい相手、伝えたいユーザー像が不鮮明なまま、SNS運用が進みがちです。
バイヤーを狙っているのか、取引先担当者、同業者、求職者、一般ユーザーのファン化なのか。
誰にどう価値を伝えたいのか明示できないと、投稿もブレが出てしまいます。

昭和的アナログ業界のディープルート:なぜパターンが生まれるのか?

SNSが定着しない土壌として、製造業特有の文化や過去の成功体験が強く影響しています。

長すぎるサプライチェーンと「秘密主義」

伝統的な製造業界ではOEM、下請け、孫請け、さらには部品サプライヤーとサプライチェーンが長く複雑です。
このため「他社に技術を盗まれたくない」という心理や、納品先の機密保持契約を理由に多くを語れない風潮があります。
実際には、あえて公開することで新規案件や異業種連携のきっかけになる場合も多いですが、「出し惜しみ」文化が根強く、SNSに踏み切れません。

トップダウン型組織とイノベーションの阻害

昭和的指示待ちカルチャーは、現場からの自発的なアイデア発信やチャレンジを抑制してしまいます。
「失敗を恐れるな」と口では言っていても、実際には失敗や異端児が許されにくい空気があります。
SNSで起こしうるミスや批判を過大に恐れ、積極的な社員が孤立しがちです。

数値評価(KPI)に落とせない生産性の壁

従来の業績主義やKPI管理は「歩留まり率」「仕掛品滞留」「納期遵守率」「コスト削減率」といった直接事業成果にひもづく数値が中心です。
SNS運用で一番苦しまされるのは「いいね」「フォロワー数」「シェア数」をどう事業価値へリンクさせるのか、という部分です。
数字に現れにくいブランド力強化や未来への投資という意識が薄く、短期成果主義に流されやすいのです。

アナログな営業・顧客対応文化

「現場主義」「対面主義」「名刺主義」といったアナログ営業スタイルが長年日本のものづくり企業で重視されてきました。
SNS越しにリードを獲得するよりも「現場を見せて仲良くなる」ことが信頼の証とされ、なかなか「デジタルな関係づくり」にシフトできないという現実が存在します。

根強い「内向き意識」と世代ギャップ

現場を守りたい、中途半端な公開で社内評価が下がるのは避けたいという心理が強く、結果、発信内容も内向きに。
SNS世代の若手と、社歴の長いベテラン管理職の間にも齟齬が生まれやすく、「どうせSNSなんて効果がない」という既成概念がはびこります。

解決策1:まず目的を明確化し、「誰に届けたいか」を徹底議論

SNSを運用する前に、「何のためにやるのか」を現場・経営層巻き込んで徹底的に話し合うことが必要です。
大手に多い「上から言われたから」ではなく、バイヤー獲得なのか、採用強化なのか、既存顧客との関係強化なのか、ターゲットを明確にしましょう。
ベンチマークとなる他社や、半年後・一年後のありたい姿も合わせて具体的に議論し、共通認識と合意形成を図ることが成功のカギです。

解決策2:ストーリー性や失敗談・日常エピソードに着目

製品PRに偏らず、現場の日常や苦労、チャレンジ、失敗から学んだことなど「働く人間の匂い」が伝わるコンテンツを増やしましょう。
調達購買や品質管理の裏側、危機を乗り越えたエピソード、新しい生産プロセスの導入苦労記などは、むしろバイヤーや同業者が共感しやすいです。
対外的な強みだけでなく、あえて弱みも開示することで「等身大の企業」として信頼が醸成されます。

解決策3:現場/若手/ベテランが横断的にコラボする体制づくり

SNS運用を一部署に丸投げせず、生産現場・調達部門・品質管理・営業・HRなど部署横断で取り組める仕組みを作りましょう。
現場の生々しいエピソード、調達担当の苦労、品質トラブルの再発防止策といった多彩な話題がコンテンツ化できます。
新卒や海外人材、現場の「隠れた名人」など多様な人材の発信が親近感を生みます。

解決策4:失敗も学びも小まめにシェア、社内ナレッジ化

SNS運用の成功事例や、投稿への反応、インプレッション数の推移なども小まめに社内でフィードバックしましょう。
アクセス解析や簡単なアンケートを取って「読者はこういう話に興味がある」というナレッジを他の現場にも伝播していくことが重要です。
属人化を避けるためのマニュアルやガイドライン運用もポイントです。

解決策5:外部講師や業界エバンジェリストを活用

他の製造業界でSNS運用に成功した企業の担当者や、業界インフルエンサーを招いた社内勉強会も推奨します。
「自社の中だけでは見えない視点」を取り入れ、異業種の成功事例を製造業らしくアレンジして導入していく柔軟性が求められます。

最後に:SNSの価値は「続ける」ことにある

製造業のSNS活用が成果につながるには、短期的な「バズ」や一過性のイベントではなく「地道な積み重ねと改善」の継続が鍵です。
一時うまくいかなくても、目的とターゲットを見失わず、現場の発信を続けていくことが、自社ブランドの信頼獲得や新たなビジネスチャンスにつながります。

アナログ的な昭和の良き現場文化を活かしつつ、時代の変化に合った新しい情報発信スタイルにチャレンジしていきましょう。
「SNSは製造業には無縁」だった常識を打ち破るのは、現場で汗を流すあなたの一歩かもしれません。

これからSNS活用に挑戦する製造業企業、またはサプライヤーとしてバイヤーの視点を知りたい方は、ぜひ現場目線のストーリー発信から始めてみてください。

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