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投稿日:2026年1月26日

運動支援施策が長続きしない組織の共通点

運動支援施策が長続きしない組織の共通点

製造業の現場で長年働いていると、健康経営や働き方改革の波が押し寄せる中で、従業員の健康促進を目的とした「運動支援施策」にも数多く触れることになります。
しかし、多くの組織でこれらの運動支援施策は、導入当初は盛り上がるものの、半年も経たずに下火になるケースが後を絶ちません。
なぜ、運動支援施策は長続きしないのでしょうか。
現場の目線から、その背景と打開策を深掘りして解説します。

昭和スタイルが色濃く残る製造業の現場と健康経営

なぜ製造業は「アナログ」なのか

製造業と聞けば、高度な自動化やIoT、DXなど、最先端のイメージを持たれる方も多いでしょう。
しかし、現場の実態は意外なほどアナログです。
連絡事項の共有は紙の回覧板、作業指示も口頭伝達やホワイトボードが現役——そんな工場は今でも多いのです。

組織の風土として「変化を好まない」「成果が数値で可視化できることにだけ力を入れる」という傾向が強いのも特徴です。
このような職場では、健康経営や運動支援といった新しい取組が「一時的なお飾り施策」になりがちなのです。

現場目線から見る「健康」に対する意識

製造現場はもともと肉体労働が中心で、「雑談=歩きながら作業指示や確認」が日常的に行われます。
従業員の多くは、「仕事そのものが運動」「わざわざ運動する必要はない」と考えがちです。

また、現場の多忙さ、交代勤務、年齢や体力差など、運動を習慣化しにくい事情も多く存在します。
この現状を無視して導入される施策は、開始直後こそインパクトがありますが、すぐに「やらされ感」に変わってしまうのです。

長続きしない運動支援施策の共通点

トップダウン型一斉導入の弊害

多くの製造業で見られるのが、「経営目標」や「健康経営銘柄獲得」など、上からのお達しによる一斉導入です。
現場の実態やニーズから遊離し、「やること自体」が目的化してしまいます。

例としては、以下のようなケースが典型的です。

– 毎朝のラジオ体操が突然、必須行事として導入される
– ウォーキングイベントの参加を全従業員にノルマとして課す
– 社内フィットネスジムを無理やり設置するが、利用者の声を考慮しない

こうした施策は現場からの共感を得ることができず、形骸化していくことが多いです。

短期的な数値目標だけを追う

多くの場合、経営層は「〇人参加」「総歩数〇万歩達成」といった短期的な数値目標を掲げます。
一時的にはこれらの数字を達成できても、「数字を作るための活動」に終始してしまい、本質的な健康増進や職場の活性化にはつながりません。

例えば、「歩数計の記録だけ提出する」「ラジオ体操の点呼にだけ出る」といった誤魔化しも横行しがちです。

現場リーダーの巻き込み不足

工場長や現場リーダーの役割は非常に大きいです。
現場の価値観と乖離した施策であっても、リーダーが「面倒だ」「自分には関係ない」という態度を見せると、現場のムードも一気に冷えます。

逆に「リーダーが楽しんで運動をしている」「自分の考えでアレンジしている」場合は、参加率も継続率も格段に上がります。

一人一人の生活・業務に沿った工夫がない

工場は交代勤務やシフト制、業務ごとの特性など、従業員の働き方が多様です。
「全員同じ時間に同じことをやる」という仕組みは、むしろ疎外感や拒否感を産みやすいのです。

また、体力差や年齢差が激しい職場では、特定層しか楽しめない運動は一部除外につながります。

なぜ長続きさせることが難しいのか?根本的要因を掘り下げる

“自分ごと化”できていないことが致命的

運動支援施策が失敗する最大の要因は、「自分のため」「自分の価値観に合っている」と多くの従業員が思えないことです。
上司や会社の都合で動かされている感覚が強まると、協力的な態度は続きません。

ここで大切なのは、「やらされ感」を生まない工夫です。
一人一人の業務やライフスタイルに「溶け込む」アイデアや柔軟性が求められます。

現場独特の“仲間意識”が活かされていない

製造現場は、同じラインで働く“仲間の連帯感”が非常に強いです。
しかし、運動支援施策ではこの特徴が活かされていません。

たとえば、ライン単位や部署単位で小さな「チーム戦」を仕掛ければ、現場の仲間意識が後押しとなって盛り上がりますが、個人ごとの目標設定やランキングだと逆に孤立感や劣等感を生む場合があります。

短期成果を求めすぎる体質

もともと製造業は、Q(品質)・C(コスト)・D(納期)を短期間で達成することが至上の価値観です。
このため、「健康も短期間で成果を出すべき」「数か月で目に見える数字を」という意識が根強いです。

しかし、健康や運動習慣の定着は年単位の持続が必要です。
短期間で成果を求めすぎると、続かないのは当然です。

成功事例に学ぶ“長く続く施策”の共通点

現場“発”のアイデアを尊重する

うまく定着している企業の多くは、現場ごとに「こんな運動なら続けられる」「こんな工夫をしたい」というアイデアを吸い上げています。

たとえば、
– 朝の体操を体力レベル別に3パターン用意する
– 交代勤務者には、「勤務前後に軽くできるストレッチメニュー」を推奨
– 休憩中の“立ち話ウォーク”や、5分だけのマッサージを周囲に教える

など、柔軟で“根付く”方法がとられています。

小さな成功体験を積み重ねる

「走れない人が無理にジョギングする」のではなく、「毎日階段を1回多く上がる」など、小さく実行できる行動変容を称賛する。
小さなチャレンジを積み重ねることが、大きな“行動変容”につながるのです。

評価軸を“数字”から“変化と対話”へ移行する

数字(歩数や参加人数)による管理ではなく、
「施策導入前後で気分がどう変わったか」
「どんな工夫を現場で行ったのか」
など、定性的な変化や対話を重視する企業ほど、施策が長く定着しています。

また、こうした工夫を社内SNSや朝礼、社内報などでフィードバックを可視化することが重要です。

昭和の現場でも受け入れられる“アナログな工夫”

紙や口頭での進捗報告も「使い方次第」

アナログな現場では、ITツールへの抵抗感が強い反面、「紙の掲示板」や「口頭伝達」「手書き日誌」などは逆に定着しやすい傾向があります。

たとえば、作業着ロッカーに“今日の目標”カードを貼る。
休憩所に「今日の一言健康宣言」をみんなで書く。
こんなレトロな進め方が現場の世代にはウケます。

“名物リーダー”を活かした自発的な輪作り

毎朝のストレッチを率先して盛り上げてくれるベテラン従業員――俗にいう“名物おやじ”や“姉御”がいると、その人を核に輪ができやすいものです。

そうしたキャラクターに「施策の旗振り役」を任せるのも長続きの秘訣です。
この場合、現場発の賞賛や、「ありがとうカード」などリアルなコミュニケーションが効果を発揮します。

サプライヤー・バイヤーの立ち位置で読み解く

サプライヤーも“共通課題”として捉える重要性

サプライヤーの立場でも、工場現場担当者との信頼関係構築や、従業員のモチベーション維持は取引先品質向上・安定供給の大前提です。

取引先の運動支援に積極的に参加したり、健康グッズなどの提案を行うことで、双方の信頼醸成にもつながります。

バイヤーも“持続可能な調達”のために現場の動きを注視

「健康経営」を掲げる企業による調達(CSR調達)は今後ますます重視されます。
サプライヤー・バイヤー双方が健康施策を“対等なパートナーシップ”として考えることで、戦略的な協業や新たなイノベーションを生むきっかけにもなります。

未来志向の“ラテラルシンキング” — 新たな地平を切り拓くために

施策そのものを“楽しむ文化”への昇華

「ラジオ体操をノルマでやる」から「新しい体操を現場で考えてYouTubeで発表してみる」「健康川柳を全員で作ってみる」など、健康施策そのものを“みんなで楽しむ文化”に昇華することが重要です。

枠にとらわれず、現場発の自発性と参加型コミュニケーションを取り入れていくことで、飽きずに継続しやすい仕組みになるはずです。

組織・個人を“動かす”のは「関心」と「共感」

スペックや制度ではなく、「毎日どんな気持ちで仕事に向かいたいか」「仲間とどんな時間をつくりたいか」を考え、従業員一人一人の関心や声を大切にすることが持続的な運動支援のカギとなります。

まとめ:本質は“現場に根ざした自発性と対話”

運動支援施策が長続きしない組織には、「現場と乖離したトップダウン」「数値目標への短期的な執着」「現場リーダーやコミュニティの活用不足」など、いくつかの共通点があります。

成功のコツは、「現場からの小さな声を吸い上げること」「自発性や楽しさを重視した仕組み」にあるといえます。
アナログな職場でこそ、人間同士の“対話”や“仲間意識”という財産が活きます。

昭和型の組織風土に根ざしながらも、ラテラルシンキングで新たな仕組みを作り、健康施策を「単なる会社の方針」から「日々の楽しみ・やりがい」へと進化させていきましょう。

現場に根差した、本当に価値ある運動支援施策を、一緒に育てていきませんか。

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