- お役立ち記事
- 屋外設置筐体の設計と試作における考慮すべき要素
月間77,185名の
製造業ご担当者様が閲覧しています*
*2025年2月28日現在のGoogle Analyticsのデータより

屋外設置筐体の設計と試作における考慮すべき要素

目次
はじめに
屋外設置筐体とは、多様な環境条件に耐えることが求められる製品です。
特に、電気・電子機器や通信関連機材を収納するための筐体は、耐久性や安全性が求められるため、その設計と試作においては多くの要素を考慮する必要があります。
この記事では、屋外設置筐体の設計・試作において検討すべき重要な要素について解説します。
環境条件の把握
屋外設置筐体を設計する際には、まず設置される環境条件を正確に把握することが重要です。
ここでは、温度、湿度、降雨、風、紫外線など、設計時に考慮するべき主要な環境条件について考察します。
温度と湿度
筐体内部の機器は、設置場所の温度変化に耐える必要があります。
極端に高温や低温の状況下でも正常に操作できるよう、耐熱・耐寒設計が必要です。
さらに、湿度も重要な要素です。
高湿度環境では結露が発生しやすいため、防水・防湿性能を椀方に考慮することが必須です。
降雨と防水設計
屋外に設置される筐体は、雨や雪に晒される可能性があります。
防水性能については、国際規格であるIPコードを参考にし、必要な防水レベルを設定します。
また、筐体の開口部や接合部から水が侵入しないような設計も求められます。
風と風圧
風速が高い地域での設置を想定する場合、風圧に対する耐性が重要です。
特に筐体が高所に設置される場合は、風による振動や倒壊を防ぐための構造設計が必要です。
紫外線と素材選定
紫外線は、劣化を早める主な要因の一つです。
長期間紫外線に晒される場合、筐体の素材は劣化しにくいものを選定することが望ましいです。
UVカットの塗料を使用するなど、長期的な信頼性を確保するための工夫が求められます。
材料の選定
筐体の材料選定は、耐久性と同時にコスト面、加工性も考慮しなければなりません。
ここでは、屋外設置筐体でよく使用される材質について、その特性を紹介します。
ステンレス鋼
ステンレス鋼は、優れた耐食性と耐久性を持っています。
屋外設置筐体においては腐食のリスクを低減するため、ステンレス鋼の使用は一般的です。
また、強度も高く、風や衝撃に対する耐性も持ち合わせています。
アルミニウム
アルミニウムは、軽量で加工性が良く、また耐腐食性も優れています。
屋外設置筐体においては、軽量化やデザイン性を重視する際に選ばれることが多いです。
電気的な特性が必要な場合にも適しています。
プラスチック
ガラス繊維強化プラスチック(FRP)やポリカーボネートなどのプラスチック材料は、軽量で腐食に強く、絶縁性に優れています。
絶縁が求められる状況や、複雑な形状を持つ設計が必要な場合に利用されます。
熱管理と通気性
筐体内部の機器は動作時に発熱するため、適切な熱管理が必要です。
室外に設置されるため、外気温との差異を利用して冷却を図ったり、ファンやヒートシンクなどの部品を採用したりして熱管理を行います。
自然冷却と通気口の設計
自然冷却を活用する場合、筐体内部の通気口の設計が重要です。
通気口は、小型の動物や虫など、不要なものの侵入を防ぎつつ、十分な換気性能を確保するように設計します。
ファンによる冷却
高発熱が予想される機器の場合、ファンを用いて強制的に冷却する方法があります。
この場合はファンの故障リスクや、冷却効率を最大化するための配置設計を慎重に行う必要があります。
セキュリティと安全性
筐体が屋外に設置される場合、盗難や不正アクセスから中の機器を保護するための設計も考慮しなければなりません。
鍵とロック機構
筐体に設置する鍵およびロック機構は、耐久性と防犯性を兼ね備えたものを選定します。
デジタルロックや、生体認証によるアクセス管理も検討する価値があります。
物理的耐性
故意の損傷や破壊行為に対する耐性も求められます。
筐体の構造強化や、素材の選定において、この点を十分に考慮することが必要です。
規格と法規制の確認
最後に、筐体の設計にあたっては、国内外の関連規格や法規制を確認し、適合するようにしなければなりません。
特に電気機器を収納する場合は、安全基準を満たすように注意が必要です。
国際規格への適合
IEC規格やISO規格など、国際的な標準に適合することにより、製品の信頼性を確保できます。
認証の取得により、顧客からの信頼感を向上させることも可能です。
まとめ
屋外設置筐体の設計・試作においては、環境条件、材料の選定、熱管理、セキュリティなど多岐にわたる要素を考慮しなければなりません。
これらの要素は、筐体の性能や信頼性、操作性に直接影響を与えるため、製造業の現場では慎重な検討が求められます。
この記事が、屋外設置筐体の設計・試作を進める際の一助となれば幸いです。
資料ダウンロード
QCD管理受発注クラウド「newji」は、受発注部門で必要なQCD管理全てを備えた、現場特化型兼クラウド型の今世紀最高の受発注管理システムとなります。
ユーザー登録
受発注業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた受発注情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。
NEWJI DX
製造業に特化したデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す請負開発型のコンサルティングサービスです。AI、iPaaS、および先端の技術を駆使して、製造プロセスの効率化、業務効率化、チームワーク強化、コスト削減、品質向上を実現します。このサービスは、製造業の課題を深く理解し、それに対する最適なデジタルソリューションを提供することで、企業が持続的な成長とイノベーションを達成できるようサポートします。
製造業ニュース解説
製造業、主に購買・調達部門にお勤めの方々に向けた情報を配信しております。
新任の方やベテランの方、管理職を対象とした幅広いコンテンツをご用意しております。
お問い合わせ
コストダウンが利益に直結する術だと理解していても、なかなか前に進めることができない状況。そんな時は、newjiのコストダウン自動化機能で大きく利益貢献しよう!
(β版非公開)