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コーターマシンで使うフィン部材の汚れによる冷却不良

目次
はじめに:現場で起きている冷却不良の本質とは
コーターマシンは生産現場において重要な役割を担っており、その安定稼働はメーカー各社の品質やコスト競争力を大きく左右します。
特に、フィン部材の冷却系統はマシン全体の安定稼働や製品品質の維持に直結しています。
近年、デジタル化の波が押し寄せる中でも、現場の多くは昭和世代から続くアナログな運用が根強く残っています。
そのため「なぜ冷却が不良になるのか」「なぜトラブルが繰り返されるのか」という本質が十分に議論されず、表面的な対策に終始してしまうケースが多々あります。
本記事では、コーターマシンの要となるフィン部材に着目し、現場でありがちな汚れ問題が引き起こす冷却不良の実態、その根本原因、さらには現場・調達・サプライヤーが三位一体で解決を目指すための実践的な視点をご紹介します。
コーターマシンとフィン部材の基礎知識
コーターマシンとは?
コーターマシンは、基材(フィルムや紙など)の表面に均一な膜を形成するための産業用装置です。
印刷、電子部品、電池、食品包装といった多様な業界で必須機械として使用されており、生産ラインの要といえる存在です。
フィン部材の役割
冷却部にはフィン(ヒートエクスチェンジャーフィンとも呼ばれる金属板)が用いられています。
このフィンは効率良く熱を放散するために高い導熱性が求められ、アルミや銅を素材とするものが主流です。
コーターマシンが長時間安定稼働し、かつ高品質な製品を生み出すためには、フィン部材による効果的な冷却が欠かせません。
冷却不良が及ぼす3つの影響
1.製品不良(膜厚・乾燥ムラ、シワ、変質など)
2.設備ダウンタイム(緊急停止・生産ロス)
3.電力・コスト増(過剰な冷却負荷、部品摩耗の早期化)
製造現場での冷却不良は、単に温度コントロールが効かないという技術的問題にとどまらず、品質問題やコスト増・納期遅延といった経営課題へと直結します。
なぜフィン部材に汚れが蓄積するのか?現場の「当たり前」を見直す
汚れの主原因:見逃されやすい現場あるある
フィン部材には、日常的に汚れがたまりやすい環境が揃っています。
例えば、コーティング素材の飛沫、油脂分、埃、繊維片、さらには水分による腐食や微粒子の付着です。
「いつものこと」「仕方がない」と流されがちな現場習慣は、気が付けば冷却性能の低下(伝熱効率、エアフロー阻害など)として現れます。
また分解・清掃の頻度や記録管理が十分でなく、設備保全部門やオペレーターの経験則に頼る傾向が強いのも日本の現場環境の特徴です。
設計・調達段階のケアレスミスや盲点
一部の設備では、「メンテナンスしやすさ」よりも「初期導入コスト」や「外観・サイズ」などが優先されがちです。
配線や設置スペースの都合でフィン部材がメンテナンスしにくい配置になっていたり、そもそも清掃を想定しないタイトな設計が多いのも現場の悩みです。
調達部門では、「安さ」を優先した結果、表面粗度や耐腐食性の十分でないフィン材を選定し、中長期的なメンテ予算や性能評価が後回しになる場合も散見されます。
昭和的な「現場指示」に頼りすぎる弊害
「毎日フィンを見て異常がないか点検せよ」「汚れていたら各自で拭き掃除」…こうしたルーティンは一見地道に思えますが、担当者の勘・経験・やる気に依存するため、組織的な改善や自動化が進みにくいのが現状です。
結果として「トラブルが起きてから大騒ぎ」「資料や交換履歴が残らない」といった負のスパイラルに陥ります。
冷却不良を招く主な汚れパターンとその見分け方
1.コーティング剤の飛沫・付着
ミクロン単位の飛沫がフィン部材に付着し続けると、目詰まりを起こして冷却能力が徐々に低下します。
肉眼では分かりにくいので、定期的な照明チェックや定点写真、接触角計測などによる定量管理が有効です。
2.油脂・可塑剤の蓄積
搬送ローラーなどから微量のグリスやオイルが飛散し、フィン表面に付着して熱伝導率が鈍化します。
触ってみるとべたつきを感じる点が特徴です。
3.埃・繊維片・微粒子の堆積
エアダクトや空調フィルターが不十分だと、埃や繊維片がフィン部に付着して冷却効率を大きく落とします。
エアガンなどで軽く吹き飛ばしても完全には除去できず、湿気との複合で頑固な付着物となる場合もあります。
4.腐食・変色・錆
水分の多い環境や酸・アルカリの雰囲気下では、金属フィン自体が腐食し、冷却不良だけでなく寿命の大幅低下といったリスクも増大します。
表面の微細な凹凸や変色を見逃さないことがポイントです。
冷却不良を再発させない!プロ目線の根本対策とは
設計段階から「清掃性」「メンテ性」を明示する
フィン部材の配置、交換・清掃のしやすさ、着脱設計を設備仕様書や調達要件書の段階で盛り込みましょう。
「どのくらいの汚れが、どの頻度で発生するか」といったリスク分析を“設計部門・生産現場・保守チーム”の三者で行い、具体的な評価基準を策定することが重要です。
サプライヤーの選定と評価を強化する
購入品には見積もり価格だけでなく、フィン部材の表面処理(防腐コート、有機汚染耐性)、メーカーの出荷検査体制、アフターサポートまでを組み込んだ総合評価方式が望まれます。
また、サプライヤーとの定期的な技術交流や現場見学を通じて、アナログな現場課題をフィードバックし、真のパートナーシップを形成することが長期的な品質向上につながります。
現場で習慣化できるチェック・清掃プロセスの採用
作業者一人ひとりの「属人的な善意」だけに頼らず、標準化マニュアルの作成、インスペクションシート、IOTやセンサーによる見える化を進めましょう。
例えば、エアフローセンサーによる自動監視や、定点カメラによるAI画像判定など、現場とデジタルの両輪で持続可能な仕組みを整備するのが理想です。
調達・バイヤーの視点:「安さ」から「強い現場コンディションへの対応力」へ
バイヤーに求められるのは、単にコスト削減の推進役だけではありません。
フィン部材という“現場の肝”に関しては、
・取引先の技術力や改善提案力
・納入後の異常時レスポンス
・製品ライフへの影響評価・リスク情報の適時開示
こうした「現場ファースト」の評価視点を持ち、調達・開発・現場の三者連携を意識したサプライヤー交渉が重要です。
サプライヤー側も相手の現場課題を深く理解した上で、単なる“納品屋”から“現場サポート型パートナー”への転換が生き残りのカギとなります。
業界の未来:アナログを活かしつつDX・自動化へ
ラテラルシンキング的提案
単なる「定期清掃」や「交換サイクル厳守」だけでは、本質的な競争力向上は困難です。
・清掃ロボットや自動ウォッシャブルフィンの活用
・汚れの早期検知センサーの実装
・部材ごとの伝熱性能や劣化パターンのデータベース化
・バイヤーとサプライヤーの双方向コミュニケーションで現場ニーズの早期把握とカイゼン提案
こうした新たな視点が、冷却不良という“古くて新しい課題”の根絶と、業界横断的なベストプラクティスの確立につながります。
まとめ:「強い現場」を支える組織と連携の力
コーターマシンで使うフィン部材の冷却不良は、「汚れ」という極めてシンプルな問題に端を発しつつも、設計・調達・現場運用、さらにはサプライヤー選定や教育・管理体制など幅広い領域の工夫と現場目線が問われる課題です。
昭和のやり方・現場任せを脱却し、組織横断的な改善やDX、自動化の知恵を融合すること。
そして、調達・現場・サプライヤーが“現場の真の課題”に粘り強く取り組むことが、これからの製造業全体の底力向上への近道だと確信します。
「汚れ防止=冷却不良根絶」――この小さな積み重ねこそ、あなたの現場の生産性と品質の未来を切り拓く第一歩です。
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