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美容業が初めてOEMを選定する際に見るべき実績とサンプル品質の判断基準

目次
はじめに
美容業界で商品開発を検討している方や、これから自社ブランドを展開したい企業にとって、OEM(受託製造)は強力なパートナーとなります。結論から言えば、OEM選びの成功・失敗は、事業全体の将来を大きく左右します。特に美容系OEMでは、品質や対応力、工場の生産体制など見るべきポイントが多岐にわたります。
本記事では、美容業が初めてOEMを選定する際に、どのような実績・サンプル品質を見て判断すれば良いのかを、製造業で20年以上培ってきた現場目線で解説します。バイヤーや調達担当はもちろん、サプライヤー側の方も必読の実践的な内容となっています。
OEMとは何か──美容業界での役割
OEMの基本的な仕組み
OEM(Original Equipment Manufacturer)とは、他社ブランド向けの製品を受託し、企画や設計、製造を担う委託生産形態を指します。
美容業界におけるOEMメーカーは、化粧水・乳液・クリーム・シャンプーなど幅広い製品の設計・試作・製造を代行します。発注者は自社ブラ ンドの製品が自前の工場や膨大な開発コストなしで市場投入できるため、スピード感のあるマーケティングや新規参入が可能となります。
OEM選定が失敗に終わる典型例
よくある失敗例として「価格優先」「展示会での印象重視」「サンプルの見た目だけで決定」といった短絡的な判断が挙げられます。
これでは、後々の品質クレーム・納期遅延・成分トラブルなど大きなリスクを背負うこととなり、貴重なブランド価値を毀損する羽目になります。
OEM選定で絶対に確認すべき“実績”とは
なぜ“実績”が重要なのか
美容系OEMの“実績”には、そのメーカーの技術力・生産能力・市場理解が映し出されています。
実績という言葉には2つの側面が含まれます。
1つは“これまでどんな商品をどれだけ生み出してきたか”。
もう1つは“それら商品が市場でどんな評価を受けてきたか”です。
市場ニーズへの理解と柔軟な提案実績
定番の化粧品ブラ ンドの受託実績だけでなく、そのOEMメーカーが「ターゲット市場」や「新しいトレンド」への対応実績があるかを必ず確認しましょう。
たとえば、「敏感肌向け」「ヴィーガン対応」「特定のS D G sニーズの反映」などです。
実績欄に大手だけでなく、ユニークな商品ラインナップやトレンドを押さえた柔軟な提案事例が載っていれば、競争激化する美容市場でも安心して任せられます。
得意分野・対応ロット数・生産規模のヒアリング
自社の目指す商品に対して、そのOEMが十分な生産規模やラインを持っているかを必ずヒアリングしてください。逆に「過去実績は小売向けのみ」「大量生産は未経験」といったメーカーでは、思わぬ納期遅延などリスクがつきまといます。
「どの分野でどのくらいの年間生産量があるのか」
「小ロット対応や増産体制・量産テストの経験があるか」
シンプルですが、最重要チェックポイントです。
コンプライアンス・認証取得の有無
GMP(Good Manufacturing Practice)やISO9001、ISO22716(化粧品GMP)など、第三者機関による品質保証や安全に関する認証を取得しているかも欠かせません。
最近は海外展開やcsr視点の強化もあり、これらの認証有無が取り引き先の信頼指標になっています。
必ず確認すべき“サンプル品質”のポイント
“見た目・香り”だけでなく“安定性・再現性”をチェック
初回打ち合わせでサンプル依頼をした際、多くの場合は見た目やテクスチャー、香りといった「第一印象」に目が行きがちです。
しかし、現場経験から断言しますが、サンプル段階で重視すべきは“物性の均一性”と“成分・効果の安定性”、そして“製造ロットごとの再現性の高さ”です。なぜなら、ラボで作ったわずか数十グラムと、量産ラインで本製造した数百〜数千キログラムの製品は異なる挙動を示すことが珍しくないからです。
「安定性試験データ」の有無を確認
本当に品質に自信があるOEMメーカーなら、サンプル段階から簡易的な「安定性試験」や「成分分析データ」を提示してくれます。
・室温/高温/低温下での変色・沈殿・香り変化の有無
・長期保存時の微生物試験・培養結果
・主成分含有量の推移 など
「1カ月/3カ月後のサンプルチェック」を依頼し、物性や色香の変化まで確認すれば、現場での量産リスクも低減できます。
成分表・製造プロセスの開示姿勢
提案サンプルに対して
「全成分表示がしっかり提出されているか」
「その場で製造プロセスや添加剤の役割まで説明できるか」
も極めて大事なポイントです。
もし何かをはぐらかしたり曖昧にする態度や、
「それは企業秘密なので」と説明を拒むようであれば、将来のトラブルやコンフォーマンス違反リスクが高いと言えます。
昭和的アナログ商習慣の罠に要注意
“根回し・丸投げ主義”が引き起こすトラブル
日本の美容系OEM取引は、今もなお根回し、上位下達型、口頭指示・FAXや電話文化が色濃く残っています。
しかし、この慣習に流されたまま「良い会社だから」「昔から親しいから」と発注先を決めてしまうと、必要な工程管理や品質保証、緊急時の透明性確保が失われていきます。
現場が混乱するのは、結局こうしたバックグラウンドに依存したあいまいな商習慣が原因なのです。
ペーパーレス・DX活用の進み具合も見るべき
これからの時代、QC工程や製造管理もDX化が加速しています。
・製造履歴のデジタル管理
・サンプル検証データのクラウド共有
・ラボ・工場間のリモート会議や自動報告体制
これらが導入できているOEM先は、処方変更やトラブル発生時も「何が、どこで、誰によって、なぜ」生じたかを即座に特定できます。結果、クレームや回収といったビジネスの“致命傷”を回避することにもつながるのです。
OEM選定から量産安定までの“落とし穴”対策
見積もりと「仕様書」の徹底確認
見積依頼時には、
・初回サンプル作成費
・量産時単価
・パッケージ・化粧箱の追加費用
・成分分析や薬事チェックの手数料
など、細かい費目ごとに区分された金額を出してもらうことが重要です。
また「言った/言わない」を避けるためにも、製品仕様書・品質保証規定を“書面化”して相互に確認しておいてください。
工場監査・定期的な現場チェックの推奨
OEM初回契約の際には最低1回は工場見学、できれば複数回実際の現場を確認することを強くおすすめします。
・衛生管理の程度はどうか
・生産現場と開発部門の距離感は現実的か
・マニュアルやQC記録はどう整理されているか
現場主義こそが長期的な品質安定と信頼構築の鍵になることは、どの業界でも共通です。
まとめ:OEM選定の“本質”を見失わないために
美容業界のOEM選びは、単なるアウトソーシング先の比較ではありません。自社ブランドやお客さまの未来を担う“共同開発パートナー”探しです。
・実績=技術力+市場感度+信頼性
・サンプル品質=物性均一+再現性+成分の妥当性
・アナログ習慣やブラックボックス管理に流されない透明性
この3点を徹底的にチェックしつつ、DXやSDGsといった時代性も意識できるかが、“勝てる美容系OEMパートナー選び”に直結します。
製造業現場で20年以上の私自身も、「サプライヤー/バイヤー双方が相乗効果を発揮できる関係づくり」こそが、ブランド持続性の最大の近道だと考えています。
本記事が、美容業界でのOEM選定や実務に携わる皆さまの現場に寄り添い、実利と安心をもたらすことを願っています。
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