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オリジナルペットベッドOEMで支持を集めるデザイン戦略

目次
はじめに:製造業とOEMペットベッド市場の現在地
ペット市場は年々拡大を続けており、中でもオリジナルペットベッドのOEM生産は堅調な成長を見せています。
日本の製造業界においても、バイヤーとサプライヤー双方がこの新たな潮流をビジネスチャンスと捉え、様々な工夫や投資を進めています。
しかし昭和から続くアナログ文化や、従来の大量生産・低コスト重視の動きに引きずられ、“単なるOEM”にとどまってしまう企業もまだ多いのが現状です。
この記事では、製造現場で多くのプロジェクトを見てきた筆者だからこそ伝えられる「現場目線のデザイン戦略」や「バイヤーの本音」「OEMパートナー選定の現実」などを交えて、ペットベッドOEMで「選ばれる」理由を掘り下げていきます。
OEMに求められるのは“安さ”だけではない
“提案型OEM”で市場ニーズに一歩先んじる
従来のOEMビジネスといえば、バイヤーの要望どおりに図面や見本品を受け取り、とにかく品質とコストを守って納期通りに作ることが評価の中心でした。
しかし現在はそれだけでは差別化が難しくなっています。
実際、ECの普及やSNSでの情報拡散によって「ペットの個性を引き立てるデザイン」や「インテリアに馴染む見た目」「高齢ペット向けの機能性」など、ユーザー起点の“気づき”や“提案”を求める声が増えてきました。
OEMサプライヤーは、バイヤーの“言われた通り”だけでなく、市場動向を先取りし、「こんな新機能をつけましょう」「この素材だと御社のブランドイメージにマッチします」など、現場ならではの“提案力”が不可欠です。
コスト重視からの脱却 答えは付加価値にあり
確かに、コストは重要な指標です。
しかし、単価競争だけでは中国や東南アジアのメガ工場には太刀打ちできません。
代わりに“品質の高さ”“他社には真似できないユーザビリティ”“細部まで行き届いた安全設計”といった付加価値をいかに創造できるかが、今後のOEMで生き残るカギです。
例えば、あるOEMメーカーは消臭・防菌素材の独自開発によって差別化を実現しています。
また、“ペットが破れにくい縫製”や“長時間使ってもヘタりにくい中材”など、ユーザーに直結する細やかな工夫が、高評価に結び付いている事例も増えています。
オリジナルペットベッドOEMのデザイン強化策
1: “ユーザー起点”のデザインリサーチ
今や“ペットは家族”という価値観が定着しつつあり、「可愛い」「安全」「快適」といった、単なる寝具以上の思い入れがベッドには託されます。
OEMメーカーとして重要なのは、バイヤーや最終ユーザーへの定期的なアンケートや、ペットオーナーとの座談会を積極的に行い、“現場の本音”やニーズをしっかり吸収することです。
ラテラルシンキングを駆使し、「猫はなぜこの場所に寝るのか」「小型犬と大型犬で理想の形はどう違うのか」「夏・冬で何が問題になるのか」と、多角的な切り口で製品開発にフィードバックしていきます。
2: マーケティングと生産現場の“対話”がデザイン品質を高める
バイヤーとサプライヤー、あるいはOEMの企画担当と現場スタッフの間に壁が残っている企業は少なくありません。
画期的なアイデアも量産を考えた時に初めて問題点が噴出する事例も多く、設計変更や納期遅れにつながりやすいです。
製造側が開発やマーケティングの初期段階から積極的に参加し、「どうすれば安全性と生産効率を両立できるか」「コストインパクトの小さい仕様変更は何か」といった具体的な対話を続けることが、ユーザー満足度と利益率の双方を高める近道になります。
3: サステナブル素材やDXの活用も“選ばれる理由”に
現代の消費者は環境配慮も重視しており、オリジナルペットベッドでリサイクルポリエステルや竹繊維などエコ素材を使った提案も増えています。
また、工場内でのDX(デジタルトランスフォーメーション)や3D試作などの活用によって、より精度の高い試作品チェックや量産移行が可能になりました。
“昭和的な勘”だけに頼るのではなく、新たなテクノロジーや素材研究を積極的に取り入れることが、競争力維持のポイントです。
バイヤー目線で考える「サプライヤー選定」のリアル
“単なるコストカット”では終わらない選定基準
バイヤーの立場で考えると、最優先事項は「品質×納期×コスト」のバランスですが、近年はそれ以上に「一緒にブランド価値を高めてくれるパートナーかどうか」が重視されています。
例えば「デザイン提案の早さや的確さ」「サンプル提案の仕上がり」「量産時の安定度」「市場トラブル時の対応力」など、バイヤーはさまざまな観点から評価の目を光らせています。
また、バイヤーが本当に信頼するポイントは「現場で困ったとき、どれだけ柔軟に対応してくれるか」「トラブルが起きた時に責任を持って原因追求し、再発防止を明確にしてくれるか」など、“人”や“姿勢”に根差した部分だったりします。
このため、月並みなOEM提案やカタログスペックだけでは、長期取引には至りません。
“バイヤーの裏側”を知るとサプライヤーは強くなる
サプライヤー側は「なぜこの新素材・新工法が必要なのか」「最終ユーザーにどんな体験価値を届けたいのか」など、バイヤーの深層心理や社内事情にも目を配りましょう。
単純なスペック要求の奥には、EC商品レビュー対策や、ライバルブランドとの差別化、秘密保持やサステナビリティ要求など、さまざまな“社内調整の戦い”が潜んでいます。
こうした背景をつかみ、最適なサンプルや提案で悩みを先取りしてあげることで、選定率・リピート率を大きく高めることができます。
現場が語る!サクセス事例と失敗事例
成功の鍵:「共創」と「本音のコミュニケーション」
あるOEMメーカーでは、企画担当者が現場に何度も足を運び、生産スタッフと直接議論する文化が根づいています。
単なる「できる・できない」ではなく、「こういうやり方ならできそう」「安全面でこの工夫が必要」などリアルなアイデアが現場から上がり、結果としてコスト・品質・納期のすべてで高ポイントの商品が生まれています。
この“共創”の感覚と、本音を出し合える社風が最強の武器です。
「売れ筋をそのままコピー」は危険信号
一方、バイヤーからの「類似商品を安く作りたい」という要望のみに従順になり、オリジナリティや現場の知恵を活かさなかったため、最終的に販路での差別化ができず大手に埋もれてしまったケースも見てきました。
OEMメーカーとして「本当にその仕様でブランド価値を高められるのか?」「自社の強みを最大限活かせる提案になっているか?」を常に自問し、必要があればはっきり提案や反論をしていく勇気も大切です。
これからのOEMパートナーに求められる資質
・「ユーザーニーズ×デザイン力×生産技術」のバランス感覚
・バイヤーの深層課題まで読み取れるラテラルシンキング
・デジタル・環境・社会価値といった新しい“ものさし”を受け入れる柔軟性
・現場の“できる・できない”だけに固執せず、「提案」「共創」に挑戦する姿勢
これらを意識した企業こそが、激変するペットベッドOEM市場で長期的に支持を得ることができるのです。
まとめ:現場発の“愛されるOEM”へ
オリジナルペットベッドOEMは、単なる価格勝負や時流の追従では選ばれ続けません。
「現場目線の工夫」「バイヤーの深層ニーズを読む力」「ユーザーの小さな声を拾えるラテラルシンキング」――
こうした実践的な視点をもったデザイン戦略こそが、令和時代のものづくりで圧倒的な信頼とブランド力を育みます。
自社の経験や現場知見を次の一歩へつなげ、「日本の製造業発・愛されるモノづくり」を世界へ発信していきましょう。
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