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絶対位置エンコーダと増分型エンコーダの違い
目次
はじめに
製造業の現場では、さまざまなセンサやエンコーダが使われています。
その中でも位置情報を取得するために用いられるのが「絶対位置エンコーダ」と「増分型エンコーダ」です。
今回は、これら二つのエンコーダの違いについて詳しく解説し、その特性や用途、最新技術動向について紹介します。
絶対位置エンコーダとは
概要
絶対位置エンコーダは、機器の位置情報を正確かつ一意に取得できるデバイスです。
機械の初期位置からの変位ではなく、エンコーダが常に具体的な位置を示します。
原理と構造
絶対位置エンコーダは、一つ一つの位置に固有のコードパターンが割り当てられています。
これにより、電源を切って再起動しても、常に正確な位置情報を提供できます。
メリット
絶対位置エンコーダの主なメリットとしては、リセット後も正確な位置情報を保持すること、大きな回転数でも高精度が保たれること、干渉やノイズに強いことなどが挙げられます。
増分型エンコーダとは
概要
増分型エンコーダは、ある地点からの相対的な位置変位を計測するデバイスです。
エンコードディスクの動きを検知し、その変位をパルスとして出力します。
原理と構造
増分型エンコーダは、ディスクに設けられたスリットを透過する光の変化を検知します。
光センサがこれらのパルス信号をカウントし、これに基づいて位置変位を計算します。
メリット
増分型エンコーダの主なメリットは、構造が比較的簡単であること、コストが低いこと、高速な動作でも適用できることです。
絶対位置エンコーダと増分型エンコーダの比較
精度の違い
絶対位置エンコーダは初期設定から正確な位置情報を保持するため、高精度が求められる用途に適しています。
一方、増分型エンコーダはパルスをカウントする方式であり、再起動時に位置情報が失われる可能性があります。
コストの違い
増分型エンコーダは設計がシンプルで、製造コストが低く済みます。
そのため、コストが重要な要素である場合には、増分型エンコーダが選ばれることが多いです。
逆に、絶対位置エンコーダは精度と信頼性を重視するため、コストが比較的高いです。
用途の違い
絶対位置エンコーダは、ロボティクスやCNCマシンなど、位置精度が極めて重要な分野での利用が一般的です。
増分型エンコーダは、搬送装置や各種ベルトコンベアなど、相対位置の変位が重要な用途で広く使われます。
最新技術動向
絶対位置エンコーダの進化
最近では、光学型だけでなく、磁気式やインダクティブ式の絶対位置エンコーダも登場しています。
これらの技術革新により、エンコーダの耐環境性や信頼性が向上し、多くの現場で採用されています。
スマートエンコーダの登場
インダストリー4.0の先進的な考え方に基づき、スマートエンコーダと呼ばれるIoT対応製品が増えています。
これにより、リアルタイムでのデータ収集や解析が可能となり、エンコーダのパフォーマンスが一層向上します。
ハイブリッド型エンコーダ
絶対位置と増分型の特性を併せ持つハイブリッド型エンコーダも登場しています。
これにより、両者のメリットを一つのデバイスで享受できるようになり、用途がさらに広がっています。
まとめ
絶対位置エンコーダと増分型エンコーダは、それぞれに特化した特性を持ち、用途によって使い分けることが重要です。
絶対位置エンコーダは高精度で信頼性が求められる場面で、増分型エンコーダはコスト効果が重要な場面で特に有効です。
最新技術の導入により、これらのエンコーダはますます高性能化しており、今後も製造業の発展に寄与していくことでしょう。
読者の方々には、それぞれのエンコーダの特性を理解し、適切な選択をすることで、現場での生産性向上を目指していただきたいと考えています。
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