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ドローン分野における製品・技術・サービスの事業連携で広がる新市場創出

目次
ドローン分野における製品・技術・サービスの事業連携で広がる新市場創出
はじめに―製造業視点で見るドローン分野の可能性
ドローンは、趣味のホビーから商業利用、そして工業用途へと急速に進化しています。
製造業に長年携わってきた私だからこそ見えるのは、単なる「空中飛行ロボット」ではなく、他分野との事業連携を積極的に進めることで、まったく新しい市場が生まれつつあるという現実です。
ドローンの発展を、昭和的なアナログ主体の業界も巻き込んだ「業界変革の触媒」として捉えることは、企業の競争力維持・強化に直結します。
本記事では、調達購買~生産・品質管理~工場自動化といった製造工程への影響を交え、現場目線とバイヤー視点を融合しながら、ドローン分野における技術・製品・サービス連携を深く掘り下げて解説します。
ドローンの最新市場動向と課題
商業・産業用途の拡大
ドローンは、当初は空撮や測量、農薬散布といった用途で注目されてきました。
しかし、最近では工場内物流の自動化、インフラ点検、警備、在庫管理、品質監査、さらには災害対応までその活用範囲が拡大しています。
これらの産業用ドローンは、法規制や安全確保への配慮、自律飛行・AI連携など高度な技術の組み合わせが求められるため、単一企業の専業技術では容易にカバーできません。
ここに、製品・技術・サービスを横断する「事業連携」の重要性が生まれます。
製造現場での普及を阻む壁
一方で、ドローンの製造現場や現場プロセスへの導入には「歴史あるものづくり現場に根強く残る課題」も存在します。
– デジタル化や自動化へのハードルが高い(現場のオペレーターがITやAIリテラシーに不安を抱く)
– 飛行・安全規制の理解が浅く、導入リスクが過剰視されやすい
– カスタマイズ性やサプライヤーの対応力に不満が残る(柔軟な連携体制構築が必須)
– 長期的な運用・メンテナンスコストへの懸念が拭えない
こうした壁は、バイヤー・サプライヤー間の充分なコミュニケーションと現場実務経験の共有、そして新しい事業連携スタイルで乗り越えることがカギとなります。
ドローン業界の価値を高める「事業連携」とは
プロダクト・技術・サービスの3軸連携
ドローン関連事業は、単なる機体の製造(ハードウェア)だけではなく、周辺技術やアプリケーション(ソフトウェア)、そして現場オペレーションまでを包括して初めて新しい市場価値を創造できます。
例えば、次のような連携が考えられます。
– ドローン本体メーカー+画像解析ソフト事業者+現場導入/運用サポート会社
– 特定分野(農薬、インフラ、製造業など)のノウハウ企業+制御AI開発ベンダー+メンテナンス業者
– ロボティクス部品メーカー+通信インフラ企業+ビッグデータ解析サービス
このような「バリューチェーンの再構築」による相互補完体制が、他社との差別化・参入障壁の構築・新規市場開拓に不可欠となります。
バイヤー視点で考える事業連携の要点
特にバイヤーの立場で考えると、
「どのパートナーと連携すれば自社の競争優位性を高められるか」は最大の関心事です。
バイヤーは、単に安価な調達先を探すだけでなく、将来の技術進化や市場変化を見据えた「価値共創パートナー」を選択し始めています。
また、サプライヤー側も、単なる部品/モジュールの納入に停まるのではなく
「顧客の抱える業務課題を共に発見・解決する」協業体制づくりが不可欠です。
この流れが昭和的な請負構造から、令和以降の協奏型パートナーシップへと進化の兆しを見せているのです。
昭和的アナログ現場からの脱却 ― 事業連携による工場改革
現場に埋もれた「暗黙知」を事業連携で活かす
工場や現場のアナログ運用には、現場スタッフが長年の経験で培ってきた「暗黙知」が多く残存します。
このノウハウは、単なるデジタル化や自動化ではなかなか顕在化・活用できません。
ここにこそ、ドローン業界の多面的な事業連携が有効です。
現場の知恵を製品・サービスに融合させたカスタマイズ開発や、
「現場側が操作しやすいUX/UI設計」
「小規模ラインや限定空間に最適化した省スペースモデル開発」
といった動きが活発化しています。
工場の工程改善・品質向上にも貢献
ドローンの工場活用は物流や管理分野にとどまりません。
天井裏やダクト、手の届きにくいエリアの点検、品質検査業務、現場監視・安全管理にも波及効果が広がっています。
これにより、作業者の負担軽減、ヒューマンエラーの削減、保守コストの圧縮を実現でき、従来の「人に依存した現場改善」の限界を突破する事例が増えています。
この裏には、「工程分断と情報断絶を解消する事業連携」の力が決定的に大きいのです。
たとえば製造ラインのサプライヤー企業が、ドローン点検データをもとにした改善提案とアフターサービスをセットで提供する共同体制を構築するなど、現場密着型の共創モデルが進化しています。
バイヤー・サプライヤーが共に創る新市場と展望
新しいバリューチェーンと競争力の源泉
かつてのバイヤーは部品/製品の標準仕様で選定・調達することが主流でしたが、現在は「パートナーとして共に成長できるか否か」、さらには「現場起点で新しい市場価値を一緒に創造できるか」が重視されます。
これは、サプライヤー側にも「モノ提供からコト(ソリューション)提供」への発想転換、技術営業/現場対応力の強化、人材育成といった新しいチャレンジを促します。
特に、組み込みAI開発者やセンサーメーカー、地場物流、システムインテグレーターなど、異業種との融合による“横断型プロジェクトチーム”が実需要件の現場で躍動しています。
中小企業や地方サプライヤーでも活躍の舞台が開かれる
事業連携による新市場創出の波は、大手だけでなく中小・地方企業にも大きなチャンスです。
ドローン特有のニッチな市場(山間地のインフラ保守、閉鎖空間物流、特殊環境測定など)は、大手よりも中小企業の柔軟性や地域密着力が活きる領域です。
他社との事業連携でノウハウやサービスの幅を拡げ、
地域での実証実験や共同開発、官民連携などを積極的に推進することで、
自ら新しい市場を生み出し、持続的な成長を掴むことができます。
これからのドローン分野で求められる人材像とアクション
製造現場経験者の進化の道
ものづくり現場の経験者が、従来の「現場管理者」から「業界横断型イノベーター」に進化する時代です。
バイヤーとサプライヤー、現場と経営、ものづくりとITをブリッジできる
“現場の言葉が話せるコーディネーター”
“課題抽出と具体策提案ができるプロデューサー”
のような人材こそ、ドローン分野で活躍できるはずです。
今、企業・個人が取るべき具体的アクション
– 他社・他業界とのオープンイノベーションに積極的に取り組むこと
– 現場の暗黙知を現代の技術に融合するアイデア創出・提案力を磨くこと
– 複数分野での“共創モデル”を実践するリーダーシップを発揮すること
– 小さな社内・地域実証から着実にノウハウを蓄積し、成功事例を横展開していくこと
まとめ―事業連携がもたらす製造業とドローン市場の新地平
ドローン分野は他のどの先端産業にもまして、多様なパートナーとの事業連携が不可欠です。
昭和的な分業から脱却し、バイヤー・サプライヤー双方が現場起点で価値を共創する時代。
そこには、まだ見ぬ新市場開拓のチャンスが溢れています。
これからの製造業は、業界の常識を疑いながらも、
現場で磨いた知恵やネットワークを存分に活用し、枠を超えた連携でドローン市場に飛び込み、新しい価値提供によって日本の産業を牽引していく役割を担っていくのです。
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