投稿日:2025年10月30日

海外販路開拓に向けたLinkedInとB2Bマーケットの効果的活用法

はじめに ― 製造業の海外販路開拓は「やらない理由」がなくなった

日本の製造業が持つ高い技術力や信用力は、世界でも認知されています。
しかし、「国内需要の減少」「人材不足」「グローバル化の遅れ」などの課題が年々深刻化している中で、今こそ海外販路開拓への本格的なシフトが問われている状況です。

とはいえ、長年の商流や人脈を重視し、昭和時代から継承されてきた“アナログな営業スタイル”が根強く残っているのも、製造業の現場ならではの現実です。
ですが、コロナ禍以降、デジタルによる営業活動、特にLinkedInやB2Bマーケットプレイスの活用へ舵を切る企業が目覚ましく増加しています。

本記事では、製造メーカー・調達担当・サプライヤー(部品・素材・装置メーカー)のそれぞれの立場から、LinkedInやB2Bマーケットの具体的な活用法を、現場目線で徹底解説いたします。

なぜ今、製造業でLinkedInとB2Bマーケットが注目されるのか?

製造現場でも進む「デジタル営業」へのシフト

従来の製造業では「商社経由」「展示会や紹介でつながる」などの営業手法が主流でした。
ただし、これらの手法は“待ち”の営業であり、海外案件の獲得には限界がありました。

現代ではデジタルツールを活用して「自社で世界中に直接アプローチできる力」が芽生えています。
特に、LinkedInは世界最大規模のビジネスSNSとして、部門責任者や購買担当が日常的に利用しています。
また、B2Bマーケット(Alibaba、THOMASNET、MFG.com、J-GoodTechなど)は、世界中のバイヤーがサプライヤーを検索・比較・問い合わせ(RFQ)しやすい仕組みを持っています。

バイヤーの検索スタイルの変化

工場系バイヤーも、以前は商社や既存ネットワーク頼みでサプライヤー探索をしていました。
しかし今や「LinkedInでキーパーソン検索」「B2Bマーケットで調達先絞り込み・RFQ(見積依頼)」は当たり前の手段になっています。

つまり、LinkedIn・B2Bプラットフォームに自社情報を出していない=グローバル調達の土俵に上がれていないことと同義になりつつあるのです。

LinkedInを使った海外バイヤーへの営業・販路開拓

LinkedInとはどのようなものか?

LinkedInはビジネス特化型SNSとして、採用・営業・ネットワーク構築などに世界中で利用されています。
「製造業の現場とは縁遠い」と思われがちですが、意外にも生産管理、品質保証、購買、設計、R&D、工場長クラスまで多くの日本人・海外ユーザーが、自己紹介や社名・職種をリアルに公開しています。

バイヤーがLinkedInを利用する理由

海外の購買担当者は、「新規調達先の探索」「与信チェック」「開発部門とサプライヤーマッチングの連携」など、調査・情報発信の目的でLinkedInを日常的に活用しています。

逆に言えば、LinkedIn経由で自社の情報や技術・取り組みを発信し、バイヤーの目に留まることで、従来ではあり得なかったグローバル商談の糸口が生まれるのです。

LinkedIn活用の実践ステップ

1. 「会社ページ」の充実
自社の公式ページを英語で作成し、「事業内容」「製品・加工技術」「アピールポイント」を分かりやすく記載します。
また、取り扱い製品ごとに画像や動画もセットで掲載すると効果的です。

2. キーパーソン(営業・工場長・技術長など)のアカウント作成・最適化
社内の営業・生産・購買・技術部門のリーダー層が、自分の職歴・専門性・強みを英語で発信することで、海外バイヤーとの信頼関係構築に繋がります。

3. 情報発信(投稿・記事作成)の継続的な運用
「○○国への納入実績」「最新の加工トレンド」「IoTや自動化ソリューション」「サステナビリティ&品質管理への取り組み」「DX事例」など、自社事業・技術・現場改善のエピソードを定期的に発信します。

4. バイヤー探し・アプローチ
ターゲットとなる業種・国籍・会社規模・役職で検索し、現地のバイヤーや決裁権者をピンポイントで「つながる」「メッセージ送信」できます。
展示会や商談前に「LinkedInでつながる」ことで、相手の温度感・人となりも事前に把握できます。

現場視点での注意点

・LinkedInは「個人発信」が基本なので、担当者一人ひとりのスキルや姿勢が求められます。
・形式的な「つながり増やし」ではなく、“中の人”の専門性や個性を積極的に見せることで信頼を勝ち取りやすくなります。
・英語力が十分でなくても「Google翻訳」やAIチャットを活用し続けることで、最初は十分です。

B2Bマーケットプレイスを活用した販路開拓のすすめ

代表的なB2Bマーケットの特徴

1. Alibaba.com
中華圏最大級のマーケットで、あらゆる業種・規模・国からの商談・引き合いが生まれます。
日本の中小工場も多数登録し、海外バイヤーからの大量RFQ受信や、一発逆転の大型成約例も珍しくありません。

2. ThomasNet
北米に強いB2B製造業向けプラットフォーム。
切削・板金・電子部品からエンジニアリングサービスまで、技術スペックや納入実績などでサプライヤーを検索される仕組みです。

3. MFG.com
設計図面や仕様に基づいて世界中のバイヤーからRFQ(見積依頼)を受けられるサービス。
小ロットや新規開発品、試作、少量多品種ビジネスに向いています。

4. J-GoodTech
日本発のマッチングサービスで、事業紹介だけでなく各種補助金との連動も有効活用できます。

B2Bマーケットで成果を出すためのポイント

・自社技術や強み、製品カテゴリ、納入実績などを英語で分かりやすく充実させる
・写真や動画は「現場の雰囲気」「QCや現場改善」「作業員のスキル」など“リアリティ”を重視する
・専任の担当者を置き、問い合わせには24時間以内で簡潔にレスポンス
・「納期遵守」「トラブル時の対応」「認証取得状況」なども説明しておくと信頼感が増します

アナログ業界でB2Bマーケット活用が進まない理由と突破策

製造業では、
「英語対応が難しい」「ネットでの値引き交渉が心配」「与信審査に不安」
「現場が忙しく、対応に時間を割けない」等の声からB2Bマーケット活用が先送りされがちです。

しかし、海外バイヤーも“価格だけ”でなく、「品質・納期・アフターサービス・信頼性」をセットで調達判断します。
ネット上の簡単な問い合わせ対応を積み重ねるだけで、現場の信頼醸成につながりますので、「やりながら改善・学習」する姿勢が求められます。

現場目線でLinkedInとB2Bプラットフォームを組み合わせる

プロアクティブとリアクティブのハイブリッド戦略

LinkedInは「プロアクティブ営業」(自社から能動的にターゲットへつながる・PRする)の機会を提供します。
一方、B2Bマーケットは「リアクティブ営業」(プラットフォーム上で“待ち”の受注スタイル)の側面が強いです。

双方を同時に活用し、
・「LinkedInで人脈・信頼構築→B2Bマーケットで商流スタート」
・「B2Bマーケットの問い合わせで出会った案件を、LinkedInで人脈化・長期フォロー」
という形で、案件ごとにベストなアプローチが取れます。

昭和的“現場力”をデジタル営業に組み込むポイント

本来、製造業の現場には「納期・品質・コスト」へのこだわりや、“顧客起点で考え抜く力”が根付いています。

これらの強みをLinkedInやB2Bマーケット上で可視化・ストーリー化し、
・従業員や生産現場の写真・動画を公開
・現場改善やQC活動のレポートを英語で発信
・トラブル時の柔軟対応、現地サポート体制をアピール

により、スペックや価格だけで判断しにくい「信頼感・人間味」を訴求できます。

バイヤー・サプライヤー両者に有益な“透明性”のある交渉へ

デジタル時代のグローバル調達は、単なる値段勝負ではありません。
バイヤーも「信頼できる長期パートナー」を日々探し続けています。
LinkedInやB2Bマーケットを活用すれば、現場の生の情報が双方向で届くようになり、「与信」「信用」「現場の空気感」を見える化することができます。

サプライヤー側も、「値引きされても不透明」「納期遅れでペナルティ」ではなく、
・透明な商談プロセス
・現場のリアルタイムな状況説明
・製品改善を支える長期的なコミュニケーション

が実現しやすくなっています。

まとめ ― 昭和の現場力×デジタルツールで切り拓く製造日本の未来

海外販路開拓におけるLinkedInやB2Bマーケットの活用は、決して「デジタルネイティブ」だけのものではありません。
むしろ、「現場力・技術力・用心深い顧客本位」の伝統を、グローバルなデジタル営業の土俵で生かすこそが、今こそ日本の製造業の突破口になるのです。

製造現場の皆さまも、サプライヤーの皆さまも、そしてこれからバイヤーを目指す皆さまも。
“LinkedInとB2Bマーケット”を自社の強み発信・人脈構築・販路拡大の新たな武器として、恐れず・少しずつ・でも確実に、実践を始めてみてください。

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