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包装設備メンテナンスにおける効率的な協力体制と運用ノウハウ

目次
はじめに:包装設備メンテナンスの重要性
包装設備は、製造業における製品の最終工程を担う重要な設備です。
製品が高品質であっても、その包装が不十分であれば、クレームやロスにつながりやすく、企業イメージやコストに直結します。
特に食品・医薬品・化学品分野では、包装不良が安全性リスクに発展することも珍しくありません。
また、昨今の人手不足やコスト増加の中、設備故障によるライン停止は致命的な損失につながります。
効率的なメンテナンス体制を確立することは、品質とコスト競争力の両立に欠かせないテーマです。
本記事では、現場視点を重視しつつ、「昭和型のアナログ感覚」が根強く残る業界動向をふまえ、バイヤー・現場担当・サプライヤーの三者それぞれが陥りがちな課題と、そこから脱却するための実践ノウハウについて解説します。
現場で起こりがちなメンテナンス体制の課題
多くの現場が抱える「属人化」の落とし穴
包装設備のメンテナンスと言うと、長く現場にいる熟練者がトラブル時に頼りにされることが多いです。
いわゆる「○○さんがいれば大丈夫」という状況ですが、この属人化は以下のリスクをはらんでいます。
– 特定の担当者不在時の対応能力低下
– 記録やノウハウがブラックボックス化し、教育が進まない
– 担当者の退職・異動時に設備保守力が激減する
属人化を放置すると、設備投資や生産キャパの増強が進んでもメンテナンス体制だけが昔のまま、という「アンバランスな工場」になりがちです。
サプライヤーとの距離感と伝達ミス
包装設備のサプライヤー(機械メーカーや部品商社)は、定期点検や緊急時の修理で現場をサポートします。
しかし現実には、以下のような課題が根強く残っています。
– トラブル内容や部品の要否が、現場→購買→サプライヤーの伝言ゲームで伝わり、対応が後手に回る
– サプライヤー提示の改良提案や新技術が現場に浸透せず、旧式の使い方に固執しがち
– サプライヤー側も個人依存が強く担当変更でサービス品質にばらつき
信頼関係がうまく築けていない場合、本当は有効な提案や最新技術も「現場は聞く耳を持たない」「メーカーは現場事情を理解していない」となり、改革が停滞します。
「計画保全」と「事後保全」の狭間問題
多くの工場では、年次点検や消耗品の定期交換が慣習的に続けられています。
しかし、実際には「壊れてから直す」という事後保全が主流なのが現実です。
この旧態依然とした運用が続く理由は下記のようなものです。
– 予防保全への投資判断が曖昧(上司からの理解が得られない)
– データに基づいた点検計画立案ができない
– 不具合兆候の拾い上げや早期発見の仕組み作りが未整備
結果として「壊れてから慌ててサプライヤーに電話」「適正在庫数を大きく上回るスペアパーツの山積み」など、非効率な体制に陥りがちです。
効率的な協力体制を実現する要諦
役割明確化と技術伝承メンテナンスシート活用
属人化を脱却するためには、メンテナンス内容の見える化が大前提です。
独自のノウハウも「現場の標準書」に落とし込み、担当者ごとにばらつかない点検・整備・記録フローを整備しましょう。
例えば以下のような要点を含んだチェックシートを運用することで属人化リスクを大幅に減らせます。
– 日常・週次・月次点検項目の洗い出し(清掃箇所、注油ポイント、動作確認内容等)
– 異常兆候時の標準対応手順(異音、発熱、センサー誤動作など)
– 必要部品や治具、工具のリスト化
– メンテナンス未実施時のリスク説明(記録残し)
これらは、経験が浅い担当者でも一定以上の水準で作業できるだけでなく、サプライヤーに履歴をフィードバックすることで「現場の実態」も伝わります。
調達部門・バイヤーの新たな役割意識
従来の調達業務は「より安い価格で」部品やサービスを手配することが主目的でした。
しかし設備メンテナンス領域では、「最適な納期・品質・技術サポート」を仕組み化し、現場の生産性向上に寄与する役割も大きくなっています。
バイヤーとしては次の点を意識し、現場やサプライヤーと連携しましょう。
– 消耗品やスペア部品の動向、ライフサイクルを分析し適正在庫管理
– サプライヤー各社の強み・弱みや、得意技術領域を可視化してシーンごとに使い分け
– サプライヤーの技術者と現場担当者が「直接対話する」機会の創出(定期会議や現場立ち会い)
こうしたアプローチにより、調達部門は単なるコストカット部門ではなく、現場価値創造のハブ役に進化できます。
サプライヤーとの「責任分担型」協力体制の構築
サプライヤーを単なる外注先とみなすのではなく、工場全体の稼働率・品質確保のパートナーとして捉えなおしましょう。
具体的ノウハウとしては下記が有効です。
– OEMメーカーや一次商社が提供する「定期点検契約」「リモートモニタリングサービス」を活用
– 設備トラブル時の「第一報ルート」「一次切り分け担当」「復旧までの応援体制」を現場・購買・サプライヤーで合意形成
– バージョンアップ情報や新技術導入時の現場教育を、サプライヤーと一緒に実施
形だけの「連絡会」ではなく、責任とメリットをはっきりさせることで、お互いの技術やノウハウを補完しあう本質的な協力関係が生まれます。
昭和のアナログ文化を「活かしつつ時代に合わせる」視点
帳票管理・紙文化の進化的活用
包装設備のメンテナンス記録は、多くの工場で紙の点検票やノートが主流です。
一見時代遅れに見えるこの管理ですが、「現場で直感的に使える」「全体像が一目で分かる」「設備に貼り付けておける」などデジタルにはない強みもあります。
そこで以下のような「進化的アナログ活用」をおすすめします。
– 記録内容は書式標準化し、誰が見ても分かるように
– デジカメ写真を添付し、異常箇所の特定や傾向管理も並行運用
– 日々の紙記録から「重大インシデント」「頻発トラブル」だけを毎週チームでレビュー
– 課題が継続する場合は、エクセルや専用アプリで再発分析まで発展させる
無理に全てデジタル化するのではなく、現場の使い勝手を尊重し「アナログ×デジタルの良いとこ取り」を目指しましょう。
現場に根付いた技能とサプライヤー技術の融合
熟練者による「音・振動・臭い」で不具合を感じ取る技能や、独自の冶具・作業手順は現場の財産です。
一方、最新の自動監視センサーやAI異常検知技術も確実に進歩しています。
大切なのは、どちらか一方に極端に振れるのではなく「融合」させることです。
– 現場担当の技能伝承はOJT・動画マニュアル・定期教育会合で形式知化
– 最新センサーやIoT診断システムは現場の協力で設置・運用し、両者の知見をすり合わせる
– サプライヤー主導の勉強会や最新導入事例の情報共有を随時行い、全体レベルの底上げ
これにより、レガシーな感覚とテクノロジーの最適ミックスが実現し、急な世代交代や新機種導入でもパワーダウンせず設備保守レベルを維持・向上できます。
今後求められる包装設備メンテナンス体制の進化
バイヤー・現場・サプライヤー三位一体の「協働現場」づくり
今後の製造現場は、単なる分業から脱却し、部門間やサプライヤーとの「協働現場」こそが生き残りのカギを握ります。
– 現場の日常点検×バイヤーの調達最適化×サプライヤー技術のアップデート
– 人的ネットワーク重視(現場担当・バイヤー・サプライヤー担当の顔の見える関係)
– 問題発生時のみならず平時からの情報共有と「気付き」の場づくり
製造現場にいると、部門間の「縦割り」「伝達ミス」による機会損失が非常に多いことに気付きます。
それを超えて、全員が同じゴール(工場の稼働率・品質の最大化)を目指す体制が求められます。
アナログな組織文化を活かす「段階的デジタルシフト」
デジタルツールの導入は焦らず進めましょう。
むしろ、まずはアナログで現場に根付いた運用を確認し、その強みや暗黙知を残しつつ、徐々にデジタルへ移行するのが定着のコツです。
– 紙帳票→写真やエクセル併用→Web管理システムへ段階導入
– 熟練技能伝承→動画・マニュアル化→IoTデータと連携
– 既存アナログ文化を「悪」とせず、良い部分は最大限残す
こうした段階的シフトで、現場の抵抗感を抑えつつ、確実にメンテナンス体制の高度化が図れます。
まとめ:現場・バイヤー・サプライヤー全員が「自分ゴト化」を
包装設備のメンテナンス革新には、部門ごとの「限界思考」から一歩踏み出し、お互いを理解し合う対話と協働が不可欠です。
– 現場は自分たちの知識やノウハウを惜しまず共有し、次世代へ伝えていく
– バイヤーはコストダウンだけでなく、メンテナンス全体の最適化と現場支援を重視する
– サプライヤーはメーカーとしての枠を超え、現場の課題解決に本気で伴走する
この「自分ゴト化」こそが、令和時代の包装設備メンテナンス体制を強固なものにします。
昭和的な良さも活かしつつ、時代に合わせた一歩先の現場づくりを進めましょう。
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