投稿日:2025年7月31日

リユーザブルストローOEMでSDGsブランドを拡大するサステナブル施策

リユーザブルストローOEMがもたらす製造業の新しい潮流

SDGs推進が世界の大きなテーマとなっている中で、製造業も例外ではありません。
特に、サステナブルな商品開発は社会的責任の側面だけでなく、新たな市場獲得やブランド価値向上の切り札ともなり得ます。
近年注目されている「リユーザブルストロー(再利用可能ストロー)」のOEM展開は、その最前線と言える施策です。

本記事では、長年にわたり現場で工場運営や調達購買に携わってきた経験をもとに、リユーザブルストローOEMの実態、SDGsブランド展開における具体的なポイント、現場目線での成功と失敗の分岐点まで徹底解説します。
さらに、バイヤー志望者やサプライヤーの立場として気をつけるべき点も交えながら、ラテラルシンキングで未来への新しい指針を提示します。

SDGsブランディングの第一歩としてのリユーザブルストロー

サステナブル経営指標と製品開発の親和性

サステナブル経営の指標として、日々どれほど現場が変化しているかは熟知しているつもりです。
従来型製造業は粗利改善やコストダウン一辺倒で、目の前の数字管理に追われていました。
しかし、昨今では「何を作るか」ではなく「なぜ作るか」「どう作るか」が問われる時代に突入しています。

リユーザブルストローのような日用品は、環境配慮型製品として特に消費者からも認知されやすいアイテムです。
小ロットから大ロットまでOEM生産が容易で、プラスチックごみ削減など明確なエビデンスを訴求できるため、自社ブランドにおいてSDGs達成の進捗をアピールしやすいのです。

昭和体質からの脱却 -“過去の常識”を見直す

製造現場では今なお「これまでのやり方」に執着するケースが目につきます。
設備、工程、品質基準…どれだけ時代が進んでも、昭和時代からのアナログな意思決定が根づいたままという光景を多くの現場で見てきました。

リユーザブルストローOEMは、こうした固定観念を壊す絶好のチャンスです。
製品自体の差別化要因が原材料や成形技術、パッケージデザインなど多岐に渡るため、従来手法の延長線だけでは通用しません。
たとえば、バイオマス由来や食洗器対応の素材選定、新しい表面処理技術、オンラインでの企画開発プロセスといった“今の当たり前”を素直に取り入れるべき局面です。

バイヤー視点で考える、OEMサステナブル施策の要諦

調達購買部の“リアル”な悩みとサステナブル商品の価値提供

20年以上にわたり調達購買にも関わってきましたが、ものづくりの根幹に関わるバイヤーには常に二面性があります。
自社利益の最大化と、社会的要請をどう両立させるかという課題です。

リユーザブルストローOEMの場合、ただ単に安いOEM先を探せばよいわけではありません。
●環境認証の有無
●トレーサビリティ対応
●将来的なコストダウンの余地
●生産ロットや物流面の調整力

これらを総合的に勘案し、「取引先ポートフォリオの質」を高めることが、バイヤーの市場価値になります。
また、ブランド側としては、自社のSDGs方針や、サプライチェーン全体のカーボンフットプリント削減を取引先選定の条件にすることで、市場へのメッセージ力を上げることができます。

新規バイヤーや若手担当者が意識すべきポイント

今後もサステナブル商品の取り扱いは拡大する一方です。
新たなバイヤーを目指す方、もしくは異動で初めて担当する方が結果を出すには、下記の3つの軸がおすすめです。

1. “出来ること”ではなく“やるべきこと”を正しく伝える力
2. 単なる価格交渉ではなく、工場にとっても利益が残るWin-Winの視点を持つこと
3. 社内外のエビデンスやレポート指標をうまく使った、説得力のある意思決定を意識すること

これだけでも、現場の信頼度は劇的に向上します。

サプライヤーの立場から見えるOEM選定と生産管理の現実

OEMサプライヤーが感じるSDGsへの葛藤

私自身が工場長としてOEM先選定や管理を通して感じたのは、「新しい要求領域への葛藤」です。
OEMサプライヤーとして、自社の加工技術や工程管理は“昭和スタイル”で完結できる場合も多い。
しかし、SDGsに絡んだ施策となると、原材料証明書や第三者認証といった“これまで不要だった領域”が加わります。

また、数量変動への柔軟な対応や、イレギュラーなカスタム対応力も問われます。
その際、バイヤーが単純な「安さ」だけを重視せず、きちんとパートナーとして伴走してくれる目線を持っているかどうかが、サプライヤーの本気度を引き出すトリガーになります。

OEM展開の“未来志向型”管理手法

単なる見積もり合戦から一歩進化させるためには、以下のような「デジタル&可視化」を推進することが有効です。
・共同で作成するPDCAサイクルの見える化
・原材料サプライチェーンの透明化
・生産進捗や不具合対応のオンライン共有

工場が昭和体質なアナログ管理にこだわると、情報の非対称が発生し、結局は不信感を生みます。
現場感覚だと「面倒だな」と感じるかもしれませんが、いち早く体制を組めば、逆に他社との差別化ポイントにもなります。

リユーザブルストローOEM - 成功するSDGsブランド拡大の道筋

SDGsブランドは“with現場”が不可欠

OEM展開に成功するブランドや企業の共通点は、現場の巻き込み力です。
カタログスペックや販売促進ツールだけでなく、現場課題が何か、どうすればSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)できるか、徹底的にディスカッションします。

たとえばストローの「繰り返し耐久性試験」を現場と一緒に企画したり、洗浄性テストにユーザーの意見を取り入れたりと、現場主導×ブランド主導のバランス感覚が何より重要です。

ラテラルシンキングで開拓する新たな価値

SDGs推進が叫ばれる現代ですが、「従来の常識」のなぞり直しでは本質的な価値向上にはつながりません。
例えば、リユーザブルストローをあえてレンタル方式にしたり、廃棄ストローを再回収・再資源化するスキームとして付加価値を打ち出す、といった“斜め上”の視点が求められます。

こうした思考の転換が、市場独自性や新しいブランドロイヤリティの醸成に直結します。

まとめ - バイヤー・サプライヤー・現場が一体となる時代

リユーザブルストローOEMは、単に今流行の商品を作るだけでなく、バイヤー、サプライヤー、現場の垣根を越えた連携こそが成功のカギです。
時代遅れのアナログ思考にとらわれず、ラテラルシンキングで新しい地平線を切り開きましょう。

これからのものづくりの主役は、SDGsブランド×実践的現場知識×共創マインドです。
自社ブランドやビジネス拡大に向けて、ぜひリユーザブルストローOEM施策を軸としたサステナブル活動を検討してみてください。

変化を恐れず、愚直に一歩を踏み出した企業だけが、次の時代のリーダーになると私は信じています。

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