- お役立ち記事
- 漆塗りの技術を現代のインテリアに応用して世界市場へ展開するブランド戦略
漆塗りの技術を現代のインテリアに応用して世界市場へ展開するブランド戦略

目次
はじめに:漆塗り技術と現代インテリアの融合の意義
日本の伝統工芸である漆塗りは、長い歴史と独自の美意識、そして卓越した技術により世界から高い評価を受けてきました。
しかし、近年では市場の縮小、高齢化が進む担い手不足も相まって、国内需要のみならず世界市場でも、存在感が薄れつつあります。
一方、世界では「ジャパニーズ・クラフツマンシップ」への関心が高まっており、日本発のモノ作りやライフスタイルを重視する層も着実に拡大しています。
本記事では、現場目線で漆塗りの伝統技術と現代インテリアデザインを融合させ、ブランド戦略によって世界市場に展開する道をラテラルシンキングで深く掘り下げ、実践的なアプローチを解説します。
製造業に関わるバイヤーやサプライヤー、現場担当の方々が新たな価値創出のために何ができるのか、昭和のアナログ発想を脱却し、グローバルで通用するブランド戦略をどう描くべきか、ご紹介していきます。
漆塗りの技術と現場の課題
伝統技術の魅力と現状の課題
漆塗りは、木地への下地処理、塗り、研磨、重ね塗りの繰り返しという、非常に手間と時間をかけたプロセスにより、美しい光沢と高い耐久性を実現しています。
しかも天然素材と人の手による温もりが相まって、他にない「一点もの」の魅力を生み出します。
しかし多くの現場では以下の課題に直面しています。
– 商品単価が高く量産化が難しい
– 昭和からの慣習による内需主導の事業構造
– デザイナーや設計者との連携不足
– 若手人材の参入障壁や技術継承の難しさ
これらを背景に、「使われる漆器」「贈答品」といった旧来市場の枠を超え、現代的なインテリアの文脈での新たな出口開拓が求められています。
現代インテリアと調和する漆塗りの可能性
グローバルインテリア市場を見渡すと、伝統・本物志向と現代性の両立を求める声が高まりつつあります。
ミッドセンチュリーデザインや北欧家具のブームも、実は工芸的価値や手仕事へのリスペクトの裏返しといえます。
漆塗りも、照明器具・家具・建材・壁面パネル・アート作品など、従来の器の枠に捉われない多様なインテリア用途との親和性を秘めているのです。
特に欧米市場では「技術×アート×サステナビリティ」という文脈で、日本の伝統技術への新規需要が生まれています。
昭和的思考から脱却するブランド戦略のポイント
1. プロダクトアウトからマーケットインへの転換
製造現場でありがちな思考のひとつに「いいものをつくれば売れる」という昭和的な発想があります。
これは品質重視の現場文化としても重要ですが、国内需要縮小時代とグローバル市場においては、それだけでは通用しません。
まずはターゲットユーザー(デザイナー、建築家、ラグジュアリー市場のバイヤー、ミドルクラスのホームオーナーなど)の「潜在ニーズ」に徹底的に寄り添うこと。
生活シーンや空間デザインの中で漆塗りがどんな価値を提供できるか、課題発見型の発想に舵を切る必要があります。
2. 体験価値のストーリーテリング
伝統工芸はどうしても「語り部」不足が深刻です。
「どう作られているのか」「どんな想いが込められているのか」を、現場から一次情報として発信する努力が不可欠です。
SNSやWebメディア、展示会でのライブパフォーマンスといった場に、
現場の職人自らが登壇することで「体験」「共感」を生み出し、ユーザーに記憶されるブランドストーリーを構築しましょう。
海外バイヤーや建築家向けの工房ツアーも有効な手段です。
3. 異分野コラボ×デジタル技術導入による発信強化
家具メーカー、照明デザイナー、建築家、ラグジュアリーホテルブランドなど、異分野の専門家と連携した共創型商品開発は必須となります。
また昔ながらの紙カタログやFAX文化では、若手バイヤーや海外市場を取り込むことは困難です。
VRによる空間提案、Webでの受発注、3Dプリンターによるモックアップ製作など、デジタルを融合した新しいファンづくりも模索しましょう。
現場発:漆塗りインテリアブランドの成功事例
1. 海外有名ブランドとの協業
実際、国内の漆器産地がヨーロッパの高級家具メーカーやホテルチェーンとコラボし、壁面パネルや照明カバーに漆塗り技術を提供。
機能面だけでなく、和の美意識が差別化要素となり、高単価で受注できる事例も報告されています。
2. 建築デザインと漆の融合事例
建築家とともに、漆塗りの柱・壁・収納扉などを提案し、ミニマルで洗練された空間を作り出す動きも進んでいます。
経年変化や塗り直しメンテナンスといった「サステナブルな価値」も訴求ポイントとなっています。
バイヤー・サプライヤー視点の実務的ブランド戦略
製造業バイヤーが着目すべき視点
– 素材調達から塗工程・出荷までのトレーサビリティ
– 品質・納期・コストの全体最適(アナログな帳票管理の電子化も必須)
– 万一の不良や不具合時のフォロー体制、アフターサービス拡充
バイヤーは「単なる仕入れ」から一歩踏み込み、プロジェクト型で現地の技術・文化・思想まで掘り下げることが、
他社との差別化商品を生み出すカギとなります。
サプライヤーが意識すべきパートナーシップ強化
– 仕様変更や企画開発段階からの積極的な提案型営業
– バイヤーやデザインサイドの潜在ニーズの徹底リサーチ
– 自社工房、現場見学受け入れによる信頼関係構築
– 既存の慣習や内規(納期・数量幅・納品形態など)の「説明責任」を明確化
令和型の「対等なパートナーシップ」を目指すことが、
市場の拡大とサステナブルなビジネス維持につながります。
世界市場に向けた「ブランドづくり」の実践アクション
独自性と一貫性を高めるブランドコンセプト
ブランドコンセプトは「日本の伝統と現代性の融合」「サステナブルクラフト」「アートとテクノロジーの共創」など、抽象度の高い言葉に留めず、
具体的なストーリーや価値に落とし込むことが重要です。
「100年使えるインテリア」「修繕可能な循環型家具」といったビジョンも長期ブランド構築に有効です。
現地視察とネットワーク構築によるマーケットイン戦略
想定顧客が集まる国際見本市(ミラノサローネ、パリ・メゾン&オブジェ、ニューヨークICFFなど)への出展や視察、
現地エージェントや大手百貨店とのつながり構築も、不可欠な布石となります。
オンラインとリアルを融合したプロモーション
自社Webサイトでの多言語展開、デジタルカタログ、SNS上での現場ライブ配信など、
現場の技術者・職人の「リアル」が伝わるプロモーション設計も、特に若い世代や世界のバイヤーに強く響きます。
まとめ:現場知恵×ブランド戦略で切り拓く新市場
漆塗りという日本の誇るべき伝統技術は、現代のインテリア需要やグローバル市場においても進化と成長の大きなポテンシャルを秘めています。
昭和的アナログ文化に固執せず、現場の職人や技術者がバイヤーやサプライヤーとの対話から学び、
異分野との共創やデジタル活用を積極的に取り入れることで、新しい「和の価値」が世界に広がります。
今こそ、一人ひとりの現場知恵と勇気ある一歩が、漆塗りインテリアのグローバルブランド化への扉を開くことでしょう。
変革を恐れず、伝統に足をつけつつも時代を切り拓く──漆塗りの未来は、現場から生まれるのです。
ノウハウ集ダウンロード
製造業の課題解決に役立つ、充実した資料集を今すぐダウンロード!
実用的なガイドや、製造業に特化した最新のノウハウを豊富にご用意しています。
あなたのビジネスを次のステージへ引き上げるための情報がここにあります。
NEWJI DX
製造業に特化したデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す請負開発型のコンサルティングサービスです。AI、iPaaS、および先端の技術を駆使して、製造プロセスの効率化、業務効率化、チームワーク強化、コスト削減、品質向上を実現します。このサービスは、製造業の課題を深く理解し、それに対する最適なデジタルソリューションを提供することで、企業が持続的な成長とイノベーションを達成できるようサポートします。
製造業ニュース解説
製造業、主に購買・調達部門にお勤めの方々に向けた情報を配信しております。
新任の方やベテランの方、管理職を対象とした幅広いコンテンツをご用意しております。
お問い合わせ
コストダウンが重要だと分かっていても、
「何から手を付けるべきか分からない」「現場で止まってしまう」
そんな声を多く伺います。
貴社の調達・受発注・原価構造を整理し、
どこに改善余地があるのか、どこから着手すべきかを
一緒に整理するご相談を承っています。
まずは現状のお悩みをお聞かせください。