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投稿日:2025年11月28日

OEMパーカーを作る前に知っておきたい生地収縮率と洗濯耐性

はじめに

OEMパーカーの製作は、単なるデザインや価格の検討だけでは成功しません。

特に生地の収縮率や洗濯耐性は、製造現場で実際にモノづくりを経験した人間として、見過ごせない核心的なポイントです。

本記事では、OEMパーカーを作る前に知っておきたい「生地収縮率」と「洗濯耐性」の基礎から応用、そして現場目線ならではの具体的な注意点や対策まで詳しく解説します。

製造業に携わる皆様はもちろん、これからバイヤーを目指す方や、サプライヤーとしてOEMビジネスに関わる方にも、実践的かつ現場で使える知識をお届けします。

パーカーOEMにおける“生地収縮率”とは何か

生地収縮率の基本定義

生地収縮率とは、生地が洗濯や乾燥の工程でどれだけ縮むかを示す指標です。

たとえば、縦横100cmの布が洗濯後に縦95cm、横96cmになった場合、縦方向は5%、横方向は4%の収縮率となります。

この数値はアパレルの寸法設計だけでなく、ご着用いただくエンドユーザーの満足度にも直結します。

なぜパーカー製造で収縮率が重要なのか

OEMパーカーでは「試作→量産」という流れの中で、洗濯後の寸法安定性が重要です。

もし収縮率を軽視すると、納品時にはサイズが合っていたのに、ユーザーの1回目の洗濯で著しく縮んでしまい、クレームや返品リスクが高まるからです。

このリスクはバイヤーやサプライヤーだけでなく、ブランドオーナー自身にも大きなダメージとなります。

収縮率コントロールの裏側

製造現場では「縫製前の生地縮率(予縮)」を考慮してカットパターンを調整する、いわゆる“見込みパターン”が当たり前に行われています。

しかし昭和から続くアナログな現場では、今なお「経験と勘」に頼る傾向が根強く残っています。

データ蓄積型のデジタル管理が進まない現場では、同じ素材名でもロットによる微妙な差異が見過ごされ、サイズ不安定の要因となることが珍しくありません。

洗濯耐性の本質と業界の事情

洗濯耐性は“消費者視点”に立つことがカギ

パーカーは日常着として繰り返し洗濯されるアイテムです。

洗濯耐性とは、色落ちや型崩れ、毛羽立ち、プリントや刺繍部分の剥離など、洗濯を重ねることで劣化しない性能の総合力といえます。

消費者は、「デザインや価格」以上に「長持ちするか、手入れしやすいか」を重視しています。

OEMとしてパーカーを作る上では、“リアルユーザーの視点”で耐久性を考えること、それがファクトリーブランドとしての信頼獲得につながります。

現場で知っておきたいアナログ業界の裏事情

洗濯耐性の試験は、JIS(日本工業規格)やISO基準を元に行われますが、中小工場や海外委託先では「メーカー独自の基準」が使われていることも多いです。

さらに、納期やコスト優先で“最低限のテストのみ”というケースがアパレルODM・OEM現場には根強く残っています。

「大手アパレルの下請けだから信頼できるだろう」という先入観は非常に危険です。

目の前の価格や短納期に惑わされず、現実的にどこまで品質を担保できるのか、現場での二重・三重のチェック体制こそが昭和的アナログ業界でこそ求められる姿勢です。

OEMパーカーの生地収縮率をどう読むか?

素材別・代表的な収縮率の目安

主流のパーカー生地素材ごとに、一般的な収縮率目安をまとめます。

– 綿100%:縦横それぞれ3〜7%程度
– 綿/ポリエステル混紡:縦横2〜4%程度
– ポリエステル100%:1〜2%程度(場合によってほぼゼロ)

なお、裏毛、起毛、フレンチテリーなど同じ「綿100%」でも組織や加工により大きく変動します。

OEMで初回取引するサプライヤーなら、必ず型番ごとに物性データをご確認ください。

「表示収縮率」と「実測値」は異なることを知ろう

日本国内では家庭用品品質表示法に基づき、縫製品には洗濯ラベルで収縮率や取扱い表示が義務付けられています。

ここで注意すべきは、「ラベル記載の収縮率」はあくまでメーカー公表値、実際の縫製ロットや生産環境によってばらつきがあるということです。

過去の現場では「表示上5%以内なのに、現実には8%縮む」という事例や、「混率違い、ロット違いで全く異なる風合いや寸法になる」という“あるある”も散見されます。

サンプル洗濯テストのすすめ

見積もり段階や発注前には、必ず現物サンプルで洗濯テスト(家庭用洗濯機で3~5回実施)が鉄則です。

専門業者のラボテストが理想ですが、最小ロット生産やスピード感重視の場合は、現場で実際に家庭洗剤・家庭洗濯機での簡易試験も十分意味があります。

手間を惜しまず、各ロットでの寸法変化を厳しく観察することが、OEMパーカー成功の一丁目一番地です。

洗濯耐性を高めるための具体策

加工段階での工夫例

1. 原反(生地)の段階で“防縮加工”や“防シワ加工”を施す
2. 染色工程で“反応染料”や“分散染料”などを適切に使い分ける
3. プリント部の“耐洗濯補強処理”(ヒートプレス等)を追加する
4. 裁断・縫製工程での縫い縮み・糸切れ防止設計(カバーステッチ等)

OEMならではの価格・納期プレッシャーもありますが、こうした一手間が結果的に長寿命&高評価というブランド資産につながります。

ラベル・取り扱い説明の工夫

パーカーの洗濯耐性をより高めるなら、「洗濯ラベル表示」や「取り扱い説明書き」のわかりやすさも重要です。

・洗濯ネット使用推奨
・同色系の衣類と一緒に洗う
・乾燥機は避けて陰干し

このような具体的アドバイスや注意書きをタグに明記することで、ユーザーにとって使いやすい商品を届けることができます。

サプライヤー・バイヤー双方が知っておきたいOEMリスクと対策

クレームリスク=品質管理力のバロメーター

量産現場では、規格値通りにいかないこと――それこそが、製造業の現実です。

「納期ありき」「コスト優先」の空気が支配するOEM生産ラインでは、どうしても人手による“チェック漏れ”や、“工程飛ばし”が発生しやすいのが現実でした。

これを防ぐには、サプライヤー側は「自主検査・現場報告の徹底」、バイヤー側も「二重の検品体制」を組むことが欠かせません。

ロットブレとどう向き合うか

OEM生産では、同じ仕様・同じ素材名でも「ロットごとに縮率や風合いが僅かに異なる」という現象はつきものです。

これを前提条件とし、一発で全数を決め打ちする“勘と度胸”経営から、「小ロット先行のパイロット検証→量産本番」という運用に切り替えることが、現代の業界トレンドです。

昭和的発想で“前例踏襲”や“慣習”に固執していると、現代消費者の品質要求やSNS時代のクレーム拡散に追いつけません。

サプライヤーもバイヤーも「データ蓄積&情報共有」の習慣化へ舵を切るべきです。

まとめ:これからのOEMパーカー生産で選ばれるために

生地収縮率や洗濯耐性の知識は、単なる“品質チェック”のためだけでなく、OEMビジネスで信頼と価値を生み出すための最重要ポイントです。

デザイン・価格以外の「基礎体力」を磨く――これが、パーカーOEMビジネスで生き残るプロの条件となります。

昭和の製造現場に根強い“勘・経験主義”に頼らず、実測データやサンプル検証、消費者目線に立った耐久性設計が今後の必須要件です。

生地収縮率・洗濯耐性を制する者が、パーカーOEMビジネスを制す――業界の新たな常識を共有し、よりよいものづくり現場を目指しましょう。

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