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投稿日:2026年1月4日

ショットブラスト装置で使う分離機スクリーン部材の製法と目詰まり問題

ショットブラスト装置における分離機スクリーン部材の重要性

ショットブラスト装置は、鋳造品や鍛造品、自動車部品など多様な金属製品の表面処理に欠かせない機械です。
その中核となる部品の一つが「分離機スクリーン部材」です。

この部材は、ワークに投射されたショット材と回収された研掃物(シンダーやバリ、金属粉など)の混合物から、再利用可能なショット材を分離し、不純物や細かくなったショット材を除去する役割を担います。

分離処理が十分に機能しなければ、ショット材のライフが極端に短くなったり、仕上げ品質に悪影響が出たり、最悪の場合は機械全体のトラブルに発展することも少なくありません。

このように製造現場での品質と生産性を支えるため、分離機スクリーンの材質や製法、そして「目詰まり問題」への現場的な対策がとても重要になっています。

分離機スクリーン部材の製法と種類

1. パンチングメタル製法

一般的なショットブラスト用の分離機スクリーン部材は、スチール板を金型で抜き加工する「パンチングメタル」が主体です。

鉄やステンレスの板を所定の厚みに成形し、一定サイズの穴を均等にあけたものがもっとも標準的です。

孔径や孔の配列・パターンは、ショット材の大きさ・用途に合わせて設計されています。

パンチングメタルのメリットは、強度があり穴の目が崩れにくいことや、設計自由度が高い点にありますが、同時に厚みが増すことで目詰まりしやすい、重量が増すといった実用上の課題も抱えています。

2. ワイヤーメッシュ(編み)スクリーン

ワイヤーメッシュタイプは、金属線を縦横に交差させて網状に編んだスクリーンです。

主にステンレス製ワイヤーが使われ、柔軟性や軽量性、通気性の高さがメリットとなります。

一方で、ショット材の高速衝突が繰り返されると、線同士の隙間が変形したり、徐々に摩耗や損傷が進むリスクもあります。

メッシュの線径や開口部サイズを細かく調整することで、装置や用途ごとの最適化にも対応しやすい点が特徴です。

3. 樹脂コーティングや耐摩耗特殊鋼材の適用

近年は分離機スクリーン自体の寿命を伸ばすため、基材の厚みばかりでなく、表面に耐摩耗性コーティング(金属皮膜や硬質クロムメッキ、樹脂コーティングなど)を施した製品も増えています。

また、ハイス鋼や特殊焼入れ処理を施した耐摩耗性鋼材を採用し、消耗スピードの問題を技術的に解決しようとする動きも盛んです。

このような素材選定や製法の工夫は、単なるコストアップにとどまらず、装置全体の稼働停止ロスやダウンタイム削減、品質トラブル防止という目線から投資先として再評価されています。

分離機スクリーン目詰まりの実態と課題

目詰まり発生の背景

ショットブラスト装置の分離機スクリーン部材で悩まされる一大問題が「目詰まり」です。

目詰まりとは、網目や穴にワークのバリや溶着物、油脂分、微細粉塵がこびり付き、ショット材やワークがスムーズに流れなくなる状況です。

典型的な“昭和から抜け出せないアナログ工程”には、以下のような“あるある”が存在します。

– 1日に何回も生産スタッフがハンマーやヘラでゴツゴツと叩き落としている
– 生産計画が詰まっているのに、目詰まりで装置停止⇒ライン長が青ざめる
– 穴の大きさ選定(ショット材サイズ)と現物が合っていないため、微粉塵が残留して取り除けない
– 油を多く含んだワーク投入時、目がみるみる塞がってしまう

このような“メンテナンス頼り”の運用が長年続いた現場も少なくありません。

目詰まりが及ぼす5つの具体的な悪影響

1. ショット材の循環量が減り、仕上げ品質がばらつく
2. サイクルタイムの大幅な延伸、稼働率低下、リードタイム悪化
3. 部分的な過磨耗・穴あきが生じて交換サイクルが早まる
4. 粒度管理不能により不良品や二次加工の手間増大
5. 作業者の安全リスク(叩き落とす作業でケガや飛散リスク)

短期的な対症療法に頼らず、抜本的な“目詰まり改善策”がこれまで以上に強く求められているのです。

現場目線からの分離機スクリーン目詰まり対策

1. 材質と孔径の最適設計

現場管理職の視点でまず注目すべきは、スクリーン部材の材質・厚み・開孔サイズ(孔径とピッチ)です。

具体的には
– ショット材の粒径(使用状況で消耗が進む=目詰まり頻度も変動する)
– ワークからの発じん特性(鋳肌か、鍛造品か、ベークライト混入有無)
– 投入条件(油脂混入有無や洗浄前後かどうか)

これらを実機テストで分析し、従来穴径がΦ5.0mmであったものをΦ5.5mmやピッチ拡大仕様に変更することで、目詰まり頻度が激減した事例があります。

また、高硬度材への切替や、表面焼き入れ処理による耐摩耗化も有力です。

ハンディなのは「摩耗の進行が遅くなれば、穴あきや変形による不均一排出が格段に減り、品質の安定と人手の軽減が同時に達成できる」という点です。

2. 自動クリーニング装置の導入

「生産計画を止めるな」――これは現場長の切実な思いです。

海外ではシンブルなローリングブラシや、スクリーン下部にバイブレーション発生装置を取り付けて“自動物理的クリーニング”を行うケースが増えています。

日本でも大手自動車部品サプライヤーを中心に、スクリーン清掃工程自体を自動化・省人化する動きが活発化しています。

この分野はカイゼン・自動化の余地が十分に残っており、“目詰まり解消のために装置を止める”という苦痛から現場を救う手法です。

3. 前工程の改善で“詰まりにくい”投入条件をつくる

分離機スクリーンによる分別効率は、前工程の管理にも大きく影響されます。
– 洗浄や脱脂を徹底し、油脂分が混入しないよう現場導線を組む
– ワークサイズの選別をより厳格化し、“異物の持ち込み”を減らす
– 大粒バリや異物の手作業除去を自動化する事前選別設備の導入

現場の声として「工程間の分業が進むほど、どこかで“これは自分たちの守備範囲外”という油断が出てしまい、不良品や異物が“シレッと”紛れ込む」という現実もよく聞きます。

原理的には“後工程はお客様”ですが、実際の工場現場では隣同士で課題を持ち寄り、「最終的な設備負荷」を減らす知恵が不可欠です。

4. 最新IoT技術との連携

DX化の潮流により、分離機スクリーン部材も“監視の目”が届く時代です。

Sensored Meshや簡易振動センサー、目詰まり率検知システムの活用が本格化しつつあります。

スクリーンに溜まる粉塵量や落下残渣のトレンドを可視化し、部材交換や清掃の最適タイミングをデータ化できます。

これらIoTの活用は、管理部門や品質保証、予防保全の観点からも見逃せません。

バイヤー・サプライヤー双方の目線で見るこれからの課題

バイヤー視点:コストだけでなく設備全体最適を目指す

調達購買担当者がスクリーン部材を評価・選定する際、
– 初期コスト最安
– 納期短縮可能か
– 汎用品流用できるか

といった「分かりやすいコスト削減」だけで交渉しがちです。

しかし本質的な現場価値は「年間通じて安定生産できるか」「現場の手間とリスクをどこまで減らせるか」にこそあります。

日本型ものづくり現場の際立った特徴は
– 安価な部材と高頻度の交換メンテナンス
– 品質バラツキや工程停止リスクを人力で吸収
この非効率な習慣から脱却する“新たな購買価値観”が求められています。

サプライヤー視点:単体部品からソリューション提案へ

一方で部品メーカー・サプライヤー側にとっても、「ただ言われたまま作る」から
– 顧客工場の現場課題ヒアリング
– チューニングや納入後の性能トレース
– 最適仕様へのコンサル付提案

へと、ソリューション型営業への進化が必要です。

その実践例として、
– 試作段階から複数パターン(穴径や材質)を提供
– スクリーン部材が引き起こす付随コスト(清掃や廃棄)まで数値化
– 長期実証に耐えるサンプル供給とフィードバック体制

など新しいパートナー型ビジネスが生まれ始めています。

まとめ:昭和型アナログ思考からの脱却と次世代現場への期待

ショットブラスト装置と分離機スクリーン部材の目詰まり問題は、単なる“部品選定”に留まらず、
– 全体設備効率の向上
– 安全性・品質性と生産性のバランス
– デジタル時代に対応した地点管理・IoT化

など、製造業現場の体質変革そのものを映し出す象徴的なテーマです。

購買、現場、生産技術、サプライヤー、それぞれの立場が“分断”ではなく、“目線と目的を揃えて連携”することで、目詰まりに象徴される古い体質から脱却し、より強い現場力=製造業の競争力向上につながるのです。

最後に――日々の現場でスクリーン部材を手に取る者、管理し導入を決める者、提案して創意工夫する者。
その全員が、「現場のリアル」(実際に何が起きているか)をとことん追求し合い、新しいソリューション、新しい現場価値を作る。
そんな次世代の製造業現場にこそ、日本のものづくりの“新しい希望”があると私は信じます。

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