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宿泊業が自社ブランドスキンケアを作るための製造委託と容器調達の流れ

目次
はじめに
宿泊業界は今、他社との差別化やブランド価値向上のため、自社オリジナルのスキンケア製品の導入が注目されています。
特に高級ホテルやリゾート、個性的なコンセプトを持つ旅館は、自社のイメージに合ったアメニティやスキンケア商品を用意することで、顧客満足度を高め、リピーター獲得や口コミでの評価向上につなげています。
この動きを支えるのが「製造委託(OEM)」と、「容器調達」の適切な戦略です。
この記事では、製造業の現場経験を活かし、実際の委託・調達の流れから現場目線のコツまで、宿泊業に役立つ実践的な内容に踏み込みます。
スキンケア製品を自社ブランドで作るメリット
差別化によるブランド強化
国内外の観光客は、ホテルや旅館での体験そのものに価値を求める傾向が強まっています。
自社ブランドのスキンケア製品を導入することで、「ここでしか体験できない」独自性を訴求できます。
また、SNSや旅行サイトの口コミで高評価を受けやすく、集客力も向上します。
新たな収益源の創出
スキンケア商品の現地販売やオンライン販売につなげれば、新たな収益源を築くことも可能です。
特にインバウンド需要増加に伴い、日本製コスメへの需要は引き続き高まっています。
リピート利用・ファン化促進
オリジナルスキンケアに感動した宿泊客が、再度利用したり、商品を購入し続けることで、ファン化につながります。
データにも基づき、「体験」の継続がLTV(顧客生涯価値)向上につながると研究でも示されています。
自社ブランドスキンケア委託製造の流れ
1. 企画・コンセプト設計
まず行うべきは、どんな顧客層に、どんな使用シーンで使ってもらいたいかを明確にする企画です。
高級感、癒し、ナチュラル、地域特化(ご当地素材活用)など差別化ポイントを洗い出します。
次に「どんな香り」「どんな効果」「パラベンフリーか」「ヴィーガン対応か」など、こだわり条件を洗い出します。
2. OEMメーカー選定
アイディアが固まったら、次は実際に製品化を請負ってくれる化粧品OEMメーカー(受託製造会社)の選定です。
<ポイント>
– 宿泊業アメニティの生産実績が多いか
– 小ロット、多品種に対応できるか(新規ブランドにありがちな課題です)
– MSDS(安全データシート)、GMP(適正製造基準)等の品質・安全認証レベル
– サンプル依頼や配合微調整の柔軟性
– 付加価値提案力(最新トレンドや販促提案など)
ホテルや旅館が得意とするOEM企業は、サンプルテストやオリジナル香料開発、小ロット可否など多様です。
〈例:クラシエ、日東電化工業、ユニオンライフ等〉
3. 処方(レシピ)決定・サンプル開発
OEMメーカーと打合せを経て、実際にサンプルを製作してもらいます。
この段階で納得のいく使用感、香り、パッケージとの合致など細部確認が必要です。
現場では、想像していた質感と実際の使用感が異なることも多く、ホテルスタッフとともに検証しましょう。
4. パッケージ・容器調達の流れ
ここが多くのバイヤーや新規チャレンジ企業がつまずくポイントです。
容器(ボトル、チューブ、袋)は、製品イメージを左右しつつ、コスト・安全性・衛生・在庫管理の視点が欠かせません。
<容器調達のSTEP>
– OEMメーカーが提携する容器サプライヤーを使う(定番の流れです。納期早い、最低発注数の調整がしやすい)
– 独自にパッケージ専門商社・メーカーを開拓し、個性的なボトルで差別化(但しロットや納期に要注意)
– SDGs/環境配慮(リサイクル素材・詰め替え対応)や、和紙・竹素材など和のテイスト支持も増加中
<注意すべき業界動向>
現場ではパッケージ・容器の在庫調整や受注残が発生しやすく、価格変動も大きいです。
最近は中国や東南アジアのサプライヤーから仕入れるケースも増加しましたが、納期やスペック管理、日本の衛生基準チェックが課題です。
5. 製品化・納品管理
容器と中身(スキンケア内容)が揃った段階で、OEM工場で充填・最終検査・包装工程となります。
現場の実感としては、最終充填時のロット管理・生産管理の確かさ、梱包ミス防止が重要です。
製品ラベルの成分表示や注意事項(景品表示法・薬事法)もしっかり最終確認してください。
輸送時の破損や納期遅延対策として、現場での一次検品や緊急在庫も少量用意しておくのが賢明です。
昭和のアナログ業界から抜け出すポイント
製造業ではいまだFAX発注や紙の帳票・アナログ生産管理が根強く残っています。
しかし、宿泊業発の新規OEMスキンケアには、以下のようなデジタル&スマート調達が強く求められます。
デジタル対応OEM・容器調達の勧め
– クラウド型発注・在庫システムの活用(在庫数・進捗を常時見える化)
– サプライヤー・OEMメーカーとのオンライン商談(効率UP)
– AIを活用した需要予測やサンプルリクエスト管理
– QRコード発行によるロットトレース・真贋判定(インバウンド重視で増加中)
現場でも「手間のかかるやり取りを省略し、品質とコスト管理を可視化する」ことが、プロジェクト成功のカギです。
バイヤー・サプライヤー双方の「本音」から学ぶ
バイヤーの立場で重要なこと
– OEM・容器サプライヤーとの相見積もり、ロット管理交渉力の強化
– ブランドイメージに合う提案を能動的に要求する力
– 現場スタッフ(清掃員やフロントなど)とも連携し、「実際の使い勝手」を最優先に考える
– 品質問題や納期遅延、異物混入など「本当に起こりうるリスク」まで想定する目線
サプライヤーの立場から考えること
– 宿泊業界特有の「シーズン需要」「急なリニューアル」など不安定な発注サイクルに対応できる柔軟な生産・調達体制
– 案件単位での提案力(ブランドコンセプトに寄り添った素材選定・容器提案)
– 小ロット・多品種体制/短納期対応を通じ、信頼関係を築くこと
– 課題・クレーム発生時のスピーディーなフォロー&対処、情報共有
成功する宿泊業向け自社ブランドスキンケア 現場目線の工夫
現場検証の徹底
実際に使う現場スタッフによるテスト運用を必ず行いましょう。
容器の開けやすさ・詰まりやすさ、アメニティカートの収納効率、外国人ゲストの反応など、「現場の声」は貴重なデータです。
多様な供給先の確保と情報収集
一社専任ではなく、複数のOEMや容器サプライヤーとの関係構築を意識しましょう。
業界展示会やBtoBマッチングサイトを活用して新しいノウハウ・アイデアを絶えず仕入れてください。
アフターサービス・再注文体制の強化
リピーターを育てるためにも、追加発注・商品リニューアル時に「素早く、柔軟に」対応できる調達フローが必須です。
顧客アンケートやSNSでの反応も随時フィードバックし、改良提案にコミットすることが現場力向上につながります。
まとめ:日本の宿泊業×製造業の新しい地平線
宿泊業による自社ブランドスキンケアは、単なるアメニティ提供を超え、「現場×商品×顧客体験」の総合的価値創造へ進化しています。
製造業側も、従来の大量生産・価格競争だけに頼らず、「体験価値」や「ブランド物語」の一部を担うサプライヤーとして新たな可能性を切り拓いています。
デジタル化と現場力、バイヤーとサプライヤーの協業で、日本の宿泊業オリジナル製品はこれからさらに進化することでしょう。
本記事が、製造・調達現場の方々、バイヤー志望の皆さま、サプライヤー側で価値提案を目指す皆さまの新たなチャレンジの一助となれば幸いです。
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