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ペットトイレ・シーツOEMで差別化を図るための機能性追加アイデア

目次
ペットトイレ・シーツOEMで差別化を図るための機能性追加アイデア
ペット用品市場において、特にペットトイレやシーツ分野は成熟しつつあります。
従来型の製品が多く、コスト勝負やブランド力だけでは抜きん出ることが難しくなっています。
OEM(受託製造)ビジネスで成功を収めるためには、価格だけでなく「機能性」での差別化が重要です。
ここでは、現場で培った調達や生産管理の知見、そしてアナログ業界ゆえの固定観念も踏まえつつ、新たな機能性追加のアイデアとそれを形にするためのポイントについて解説します。
1. ペットトイレ・シーツ市場の現状とOEMビジネスの基本
1-1. メーカー、バイヤー、サプライヤーの三角関係
ペットトイレやシーツは、多くのメーカーが自社ブランドだけでなく、OEM製品を展開しています。
バイヤーは消費者ニーズを敏感に感じ取り、「売れる要素」と「仕入れリスク」のバランスを求めています。
サプライヤーは「低コスト」「安定供給」「品質確保」の三原則を押さえながら、いかに他社との差別化案を打ち出せるかが問われます。
現場では、コストダウン要請や品質基準の厳格化が進む一方、令和時代にも昭和的な「前例踏襲」「無難志向」が根強く残っています。
大胆な新機能投入にはリスクもありますが、他社と同じことでは価格競争から抜け出せません。
1-2. OEMで差別化する意義
OEM供給では、バイヤー側が自社のブランド力や販売チャネルを活かせます。
サプライヤーが「独自性のある機能」を提案できれば、販売力の相乗効果・利益率の向上・長期取引の礎になります。
「機能の標準化・価格下落」というペットシーツ市場の昭和的構造を打ち破れるのは、こうした地道な機能追加の積み重ねです。
2. 機能性追加で差別化するためのアイデア例
2-1. 「消臭+α」複合機能での付加価値提案
ペットトイレ・シーツ分野で最も多く採用されている付加価値は消臭機能です。
しかし、多くの製品で「消臭〇倍」「アンモニア対策強化」など、謳い文句が横並び化しています。
ここで「消臭+α」の視点が有効です。
たとえば、
・芳香成分や天然アロマ(ユーカリ・ラベンダーなど)との組み合わせ
・消臭しながら空間除菌や抗菌(銀イオンやバイオ素材活用)
・季節やペットの種類別に効果成分を変える
など、多様なバリエーションが考えられます。
サプライヤー視点では、現状使っている不織布・中芯シート・高分子吸収体の調達先調整や添加剤供給元の開拓が不可欠です。
「こういう機能は今のラインで対応できる」など、具体的にバイヤーへ提案できれば信頼感も向上します。
2-2. ライフスタイル変化に合わせた「便利機能」
日本のペットオーナー層は共働きや高齢世帯が増えており、「使いやすさ」へのニーズが年々高まっています。
ここにはアナログ的な思考から抜け出すヒントが隠れています。
たとえば、
・シーツの取り替えタイミングを視覚的に知らせる色変化インジケーター
・吸収量や消臭効果の持続時間をパッケージに明示
・一度に複数枚取り出してもバラけない「切れ目つきロール」仕様
・裏面に滑り止め加工+柔らか素材で、介護中のペットにも優しい設計
・災害対策や非常時用の「長時間未交換でも持つ」高耐久型
などが挙げられます。
こうした便利機能の追加は、小ロット生産やライン調整で実現しやすいポイントでもあります。
調達購買や生産現場の知見から「コスト比較シミュレーション」や「切り替え時の段取り計画」もセットで提案できれば、バイヤー側も検討しやすくなります。
2-3. 「持続可能性重視」エコ・SDGs視点の追加機能
昨今、大手量販店やドラッグストアのバイヤーはサステナビリティ(持続可能性)を一つの重要視点としています。
OEM先として新規選定されやすい条件にもなり得ます。
たとえば、
・パルプ認証材(FSC認証紙等)の採用、バイオマス原料配合の不織布使用
・少量でも高い吸収性を持つ新素材配合(ポリ乳酸、高吸水性天然ポリマーなど)
・パッケージ材の簡素化・再生樹脂パッケージの採用
・「CO2排出量実質ゼロ」工程で生産した商品
などは時流に合致した新規提案です。
自動車メーカーや家電メーカーなどの経験を応用すれば、
「部材供給元との共創開発」や
「新規設備導入を伴うライン自動化」など、
量産・品質保証の両立も現実味が増します。
3. 実現するための現場的視点と工夫―「調達・生産・品質」の三位一体
3-1. コストと機能のバランス検証
新たな機能や素材をOEMに盛り込むと、どうしてもコストアップ要素が出てきます。
「コストダウン圧力+機能追加要望」という一見矛盾する要求に応えるには、下記のような「現場的バランス感覚」が必要です。
・試作段階で厳密なコスト算出(歩留まり率・原材料ロスも詳細把握)
・量産時の工程シミュレーションや自動化可能性の検証
・バイヤーともオープンに「コスト変動要因」を情報共有し、一緒に歩み寄れる関係構築
例えば、原価の10%UPでも「差別化による上代の値上げが可能か」「販促キャンペーンで一時的コスト吸収ができるか」など、具体的落し所の議論を提案力に乗せられるかが重要です。
3-2. 現場での品質管理・工程最適化のすすめ
新素材や新機能追加時には、不良発生率・品質安定性の維持が至上命題です。
昭和的な「検査結果頼み」だけでなく、ITや製造IoTの力も活用しましょう。
たとえば、
・製造装置のオンラインモニタリング
・不良品率や劣化スピードのデータトレーサビリティ化
・工程途中の抜き取り検査強化と分析システム導入
が現実的です。
バイヤー視点では「納期遅延リスク」「リピート時の品質ばらつき」こそ最も恐れる点です。
生産現場発の「変化点管理」や「安定量産実現フロー」の情報は、
OEM先としての信頼を高める強力な材料となります。
4. 差別化を持続的に実現するために必要なこと
4-1. バイヤー・サプライヤーの相互信頼構築
「OEM=言われたものをつくる」ではなく、「一緒に新しい市場価値を創造する仲間」であることが今後のバイヤーにとって理想のパートナー像です。
そのためには、サプライヤー側も「市場動向」「消費者インサイト」収集を日常的に行い、新情報をバイヤーに積極発信することが大切です。
また、調達・生産現場と営業現場が連携し、現場課題を共有する「現場発の提案型カイゼン」文化も不可欠でしょう。
4-2. アナログ思考とデジタル技術の融合
昭和型製造業の長所は「現場での細かい気づき」「小回りの効く職人技術」にあります。
一方で、最新のIT・IoT・AIなどの活用による「見える化」「工程標準化」も今後の差別化には不可欠です。
具体的には、
・品質管理アプリによる現場データの可視化
・バイヤーとリアルタイムに情報共有するサプライチェーン管理システム
・生産工程の自動化・半自動化で小ロット・多品種への対応力強化
が求められます。
これらを現場レベルで地道に積み重ね、説得力ある根拠をもって提案することが、昭和に根ざした安心感と令和の最先端を両立する唯一の道です。
5. まとめ―OEMと機能性差別化が未来を切り開く
ペットトイレ・シーツ分野でのOEMは、一歩踏み込んだ機能性提案によって「脱価格競争」「バイヤーとの強い関係構築」が実現できます。
消臭や吸収だけでなく、使いやすさ、サステナブル素材、多機能化といった分野別の強みを掛け合わせることで、アナログな現場力とデジタル革新との融合を果たしてください。
これまでにない感性と現場経験から「売れる機能」の地平を切り開くこと。
それこそが、製造業を昭和から令和へ大きく進める推進力になると信じています。
OEMサプライヤーとしても、バイヤーとしても、次の一歩をともに考え抜き、業界の未来を創り上げていきましょう。
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