投稿日:2025年7月23日

ゲーミングコンソールトラベルケースOEMがEVA硬質+放熱フォーム

ゲーミングコンソールトラベルケースOEMにおけるEVA硬質+放熱フォーム採用の最前線

はじめに|製造業の現場から見る新たな商機

近年、ゲーミングコンソール(ゲーム機)の需要は世界中で急速に高まっています。
eスポーツの盛り上がりや、コロナ禍を契機とした巣ごもり需要によって、各種コンソールの携帯・持ち運びや収納のための専用トラベルケースも、大手家電メーカーのみならず、さまざまなOEM/ODMサプライヤーに商機をもたらしています。

そして今、業界を挙げて注目されているのが、ケースの素材としての「EVA硬質+放熱フォーム」採用です。
筆者自身、長年製造の現場で多くの案件に携わってきましたが、EVA(エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)は今や“昭和的な汎用プラスチック素材”のイメージを超え、ゲーミングコンソールのトラベルケース分野で新たな価値を創出しています。

本記事では、製造業現場のリアリティを交えつつ、“EVA硬質+放熱フォーム”の技術動向、市場のニーズ、OEMビジネス発展のヒントを掘り下げてご紹介します。

なぜEVA硬質+放熱フォームが選ばれるのか?

変化するマーケット:単なるガワ(外装)では勝てない時代

あらゆる電子機器のODM/OEM化が進む中、トラベルケースも「価格とデザイン」だけの時代は終わりました。
とりわけゲーミングコンソールは高価かつ精密な電子機器であり、「持ち運びの安心感」「衝撃吸収性」「内部の発熱対策」など新たな付加価値が求められるようになりました。

EVA硬質素材は、軽量かつ耐衝撃性に優れる一方で、「芯材としての剛性」「意匠対応の自由度」「環境性能」でもポリカーボネートやABSに比べ進化しています。
そこに「放熱フォーム(熱伝導性発泡体)」を組み合わせることで、ゲーム機収納時の熱こもりや結露対策まで一段上の性能を付加できます。

品質管理・コストの最適化という現場課題

従来、柔軟なウレタンフォームやEPE(発泡ポリエチレン)が多用されましたが、最近ではEVAの硬度・成形性が支持されています。
特に、EVA発泡体は金型成形でもシート成形でも安定して品質確保しやすいこと、ほこりや加水分解問題が生じにくい優位性も、実際の量産現場では「不良流出低減」「仕掛品在庫リスク低減」「サプライヤー切り替えの柔軟性」など、調達・生産管理両面で重要なメリットになっています。

また、「放熱フォーム」と一括りに言っても、カーボンブラック入りやアルミコートなど、各サプライヤーが開発競争を繰り広げています。
ここで製品化に最適な「熱伝導率」「密度」「厚み」設計を担うのは、『現場目線×ラテラル思考』をもつ開発・調達担当者の役割です。

OEM/ODMにおける付加価値提案のコツ

製造業バイヤーが重視する「スペックと提案力」

バイヤーとしてOEM案件に関わる場合、スペック至上主義に落ち込みがちですが、実際には「なぜそのスペックが必要か」という顧客体験(用途・環境想定)まで掘り下げる姿勢が重要です。

たとえばゲーミングコンソールの持ち運び用途が「国内移動か海外遠征か」「気温環境が極端に異なる場所か」「ユーザーがプロ志向か一般消費者か」など、細かいバリエーションがあります。
安全面では航空機持込み荷物対応や、ドロップテスト等の品質規格対応も要件に上がるでしょう。

単なる「頑丈ですよ」「放熱性あります」ではなく、「このEVA硬質+放熱フォームは、40℃/湿度80%でも1時間以上温度上昇を〇℃以下に抑え、Gs〇〇の落下にも耐えられます」といった具体的な数値提案と、実サンプルによる検証データ提示にまで踏み込みましょう。

サプライヤー側は「現場課題の把握」と「納期・コスト管理力」も訴求を

バイヤーになりきってOEMトラベルケースを企画するサプライヤーが増えれば、市場全体の品質も底上げされます。
OEM受注拡大の鍵は「仕様要求への柔軟対応」「現場の困りごとを先回りして伝える」提案型営業にあります。

製造業の現場では、月末・期末の追い込みや、材料逼迫時の納期調整、急な設変リスクといった暗黙知が未だ根強く残っています。
EVA硬質+放熱フォームのサプライヤーなら、「同硬度で代替可能な素材ストックの有無」「過去の不良対策で得た改善ノウハウ」など、現場の“やりくり力”を前面に出すことが差別化のヒントです。

昭和的な慣習が根強い製造現場、アナログ業界での突破口

見積書・仕様書の「なんとなく」の壁を突破する

日本の製造業に深く根付く「前例主義」「先例踏襲」「曖昧な仕様管理」は、実際の現場で数多くのロスやコスト増に直結しています。
EVA硬質+放熱フォームという新素材×新設計をいかすには、「従来の同等品より何がどう変わるのか」を、工場現場や品質管理部と共通言語で可視化することが求められます。

たとえば、
・A社標準のEPEフォームからEVA硬質品への切替による歩留まり向上
・放熱フォームの熱伝導率変更で、庫内コンソールの平均温度が〇℃低減
・工程内不適合発生率が3割減

こういった「数字で語れる」現場効果までシンプルな提案に載せてしまうのが、現場を知る者の強みです。

現場リーダー経験者が活躍する“翻訳者”の役割

設計部門、生産管理、品質保証、営業といった縦割り組織が多いのも昭和時代の名残ですが、ラテラルシンキング的に部門横断のスペシャリスト(例:工場長出身の技術営業)が“社内・社外の意識合わせ”のハブとなるべきです。

海外サプライヤーのEVA硬質品採用事例の調査や、新工法・治具の導入、環境規制対応(REACH, RoHS等)も、新しいモノづくり地平線を切り開くには欠かせません。
「現場を知っているからこそ、仕様を現場に落とし込める」バイヤー・サプライヤーこそが、今後求められる人財です。

実践に活かすためのヒントと、これからの製造バイヤー像

ユーザー体験に直結する技術と現場知見の融合

すぐれたゲーミングコンソールトラベルケースは、「カッコイイ」「丈夫」「熱くならない」など、ユーザー体験(UX)に直結する価値を持ちます。
ここに、EVA硬質+放熱フォームの技術的優位性を活かすことは、付加価値の見える化そのものです。

たとえば
・精密に設計されたEVA硬質シェルで本体・コントローラ・ケーブルが美しく収まる内装
・放熱フォームの“熱抜けルート”設計で夏場車内でも安心
・短納期や個別カスタム対応の受注体制
などを具体的なスペック&現場改善ストーリーとして伝えましょう。

購買・調達・生産管理パーソンに求められる“超分業”からの脱却

価格交渉、納期・品質管理はもちろん、今後は「素材現場力の理解と巻き込み力」が、バイヤーに求められます。
EVA硬質や放熱フォーム開発の技術知識を自らも学び、材料・金型サプライヤーと現場改善案を積極的に共有できる人材であれば、提案力・値決め力の双方で業界内でも突出できます。

また、サプライチェーン全体のリスク管理、BCP(事業継続計画)視点で「現場目線×技術俯瞰力」を備えた購買担当者はこれからますます評価が高まります。

まとめ|現場知見を武器に、OEMビジネスの新地平へ

ゲーミングコンソールトラベルケースにおけるEVA硬質+放熱フォームの進化は、単なる素材転換ではありません。
現場課題を見つめ、バイヤー・サプライヤー双方が一体となってユーザー体験の向上とOEMビジネスの最適化を追求する“変化の入口”です。

昭和的なアナログ思考を超えて、真の意味での現場翻訳者・提案型リーダーとして活躍できるチャンスが、今まさに広がっています。
長年の現場知見を活かし、立場を越えて価値を創出できる人材へ、ぜひ進化していきましょう。

You cannot copy content of this page