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【ゲルコート仕上げ】FRP試作の表面を滑らかに!外観・耐候性を高める

目次
はじめに
FRP(繊維強化プラスチック)は、その軽量性、高強度、耐久性から、多くの産業で利用されている素材です。
特に試作品や小ロット生産において、その柔軟な加工性が活かされています。
しかし、FRP製品には表面の仕上げが重要な役割を果たします。
その中でもゲルコート仕上げは、製品の外観や耐候性を高めるために欠かせない工程です。
この記事では、ゲルコート仕上げの基本的な考え方から具体的な手法、そしてその効果について解説します。
ゲルコート仕上げとは
ゲルコートとは、FRPの表面に塗布される樹脂の一種で、製品の見た目や性能を向上させる目的で使用されます。
塗布されたゲルコートは、固化することで滑らかで光沢のある表面を作り上げます。
この工程は、特に外観を重視する製品や、屋外での使用が想定される製品において重要です。
ゲルコートの役割
ゲルコートの主な役割は以下の通りです。
1. **美観の向上**:ゲルコート仕上げにより、製品表面が滑らかで光沢を持ち、優れた見た目を実現します。
2. **耐候性向上**:ゲルコートは紫外線や湿気に強く、屋外での使用において長期間にわたり製品の性能を保ちます。
3. **表面強化**:ゲルコートによって表面が硬化し、摩擦や衝撃から製品を保護します。
ゲルコート仕上げのプロセス
ゲルコート仕上げにはいくつかのステップがあります。
以下に、それらの基本プロセスを示します。
1. 表面準備
まず、FRP製品の表面を適切に準備することが必要です。
この工程には、汚れや油分を適切に除去し、表面を滑らかにするための研磨が含まれます。
表面が清潔であることが、ゲルコートの付着を良くし、長持ちする効果を発揮します。
2. ゲルコートの調合
次に、使用するゲルコートを正確に調合します。
この工程では、ゲルコート樹脂と硬化剤を混合し、製品の使用条件に応じてカラーや添加剤を調整します。
この調合の正確さが、仕上がりや耐久性に大きく影響します。
3. 塗布
調合されたゲルコートをFRP表面に均等に塗布します。
スプレーガンやローラーを使用して、薄く均一な層を塗ることが重要です。
この際、塗布の厚みが均一になるように注意し、必要に応じて複数回の塗布を行います。
4. 硬化
塗布が完了したら、ゲルコートを固化させます。
空気中や加熱による硬化が一般的ですが、その際の温度管理が重要です。
適切な硬化環境を整え、十分な時間をかけて硬化させることで、強度と光沢を引き出します。
ゲルコートの選択肢とその特徴
ゲルコートには、使用環境や求める性能に応じていくつかの種類があります。
ここでは主な種類とその特徴について説明します。
不飽和ポリエステル系
最も一般的なタイプのゲルコートで、汎用性が高く、コストパフォーマンスにも優れています。
室内外を問わず幅広い用途に使用され、色のバリエーションも豊富です。
エポキシ系
強度と耐薬品性に優れており、過酷な条件に置かれる製品に適しています。
高価格ですが、硬化後の性能が高く、特に工業用途で多用されています。
ビニルエステル系
エポキシ系と不飽和ポリエステル系の中間に位置する特性を持ち、耐腐食性や耐熱性が向上しています。
化学薬品を扱う環境での使用が推奨されます。
ゲルコート仕上げにおける品質管理
ゲルコート仕上げの品質は、最終製品の価値に大きく影響します。
そのため、製造プロセス全体において厳格な品質管理が必要です。
塗布厚さの管理
ゲルコートの塗布厚さは、光沢や耐候性に直接影響します。
指定された厚みに達するよう、塗布工程での管理が不可欠です。
定期的に塗布厚を測定し、基準値を維持するよう努めます。
硬化状態の確認
硬化が完了していないと、表面がべたついたり、性能が発揮されないことがあります。
硬化の確認には、物理的な圧力試験や光沢測定などを用いて、早い段階で不具合を検出します。
外観検査
完成品の外観は、顧客の満足度に直結します。
目視検査や故障診断装置を活用し、表面の傷やムラを早期に発見して是正します。
ゲルコートにおける最新の技術動向
近年、ゲルコートに関する技術はますます進化しています。
環境負荷の低減
従来の製造プロセスが持つ環境負荷を軽減するため、低VOC(揮発性有機化合物)や無溶剤型のゲルコートが開発されています。
これにより、作業環境の改善と同時に、環境への影響低減が図られています。
自動化技術の導入
ロボットアームを用いた自動塗布装置の導入により、作業効率が向上し、品質の均一化が進んでいます。
人手によるばらつきを最小限に抑え、大量生産にも対応可能となっています。
ナノテクノロジーの応用
表面特性の向上を目的に、ナノテクノロジーが応用されています。
これにより、表面の耐摩耗性や抗菌性が劇的に向上し、製品の付加価値が高まっています。
まとめ
ゲルコート仕上げは、FRP製品の品質を左右する重要な工程です。
その成功には、素材の理解、適切なプロセス管理、最新技術の活用が不可欠です。
正確な塗布、厳格な品質チェック、環境に配慮した最新技術への対応により、優れたFRP製品を提供できることが、製造業としての競争力となります。
製造業に従事する皆様には、このゲルコート仕上げを通じて、より高品質で環境にやさしい製品の提供を目指していただきたいと思います。
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