投稿日:2025年7月23日

バタフライジグOEMで青物リアクションバイトを誘発するホログラムUVプレート

はじめに:バタフライジグOEMの進化と現場のリアル

バタフライジグは、青物をはじめとする大型魚種への高いアピール力を誇る金属ルアーです。

アングラーからの需要の高まりとともに、OEM(相手先ブランド製造)による開発・製造の依頼件数も右肩上がりに増えています。

実際、昭和から続く古き良き町工場や下請けメーカーも、少量多品種・高付加価値化という流れのなかでバタフライジグOEM事業へと舵を切り始めています。

昨今は「ホログラムUVプレート」という新たな技術が注目を集めており、このUVプレートが青物のリアクションバイト誘発の切り札となっているのを現場で強く実感しています。

本記事では製造現場で培った知見を生かしつつ、バイヤーやメーカー営業、サプライヤー視点も盛り込み、バタフライジグOEMの最新動向と今後のビジネスチャンスについて、深堀りしていきます。

バタフライジグOEMとは:企業間取引の全体像

OEMの背景と需要の伸長理由

バタフライジグのOEMは、自社ブランドを持つ釣具店やアウトドア系ショップが、独自カラーや機能を取り入れたオリジナルアイテムを市場投入する際、専門メーカーに生産を委託するビジネスモデルです。

釣りファンのニーズ多様化により、小ロット受注や特殊ギミック搭載タイプの要望が増加中です。

コロナ禍を経てアウトドア人気が高まるなか、「他と違う商品」を素早く市場に掛けたい小売企業のニーズをOEMが受け止めています。

現場の工場長として見てきた実情としては、従来の大量生産一択だった時代が終わり、カスタマイズ性やスピーディな対応力が重視される方向へ、急激にシフトしている印象です。

OEM成功のカギとなるバイヤー心理

バイヤーが重視する点を現場目線で整理すると、大まかに次の3点が挙げられます。

1. 最小ロットとコスト感(初期投資の抑制と利益確保)
2. 納期の確実性(適切な在庫回転と販売機会損失の回避)
3. 機能付加価値や差別化要素(バイヤー自ら新規客を呼び寄せる武器)

とくにバタフライジグのような“現場で釣れる”ことが最大のバリューとなるアイテムでは、「青物のリアクションバイトを強く誘発できるか?」という機能的優位性がOEM先選定の分水嶺となっています。

アナログ現場に根付いた信頼関係も依然として重要

釣り業界はデジタル化が遅れた“昭和的アナログ”の文化が根強く、工場長やベテラン職人たちが試作現場で何十年もかけて築いた、ユーザーやバイヤーとの信頼関係が今もブランド価値に直結しています。

サプライヤーは単なる「安い・速い・多い」の競争ではなく、現場の意見に真摯に耳を傾け、細部のチューニングや細やかなオーダーに対応できる柔軟性が選ばれる理由となっています。

青物専門ジグにホログラムUVプレートが与える衝撃

ホログラムUVプレートとは何か?

ホログラムUVプレートとは、特殊なホログラムフィルムとUVコーティングの組み合わせで、従来の金属ジグでは再現できなかった「乱反射」と「波長応答性の高い紫外線発色アピール」を両立させた新世代パーツです。

従来のメタリックカラーやプリズムシートとの差異は、太陽光の可視光域から紫外線領域に至るまで、圧倒的に多様な反射パターンを生み出せる点です。

現場の実釣テストでは、「晴天時・曇天下・ローライト・沿岸の濁り潮」などあらゆる状況において青物のリアクションバイト率が向上することが証明されています。

なぜ青物をリアクションバイトさせるのか?

青物(ブリ、ヒラマサ、カンパチ等)は高速遊泳型のフィッシュイーターで、小魚のスパークするフラッシングやイレギュラーな色の“変化”に対し本能的なリアクションバイト(反射的捕食行動)を見せます。

ホログラムUVプレートは光のスペクトルを広範囲に散乱させることで、「小魚がやられた瞬間」や「群れから逸れた障害魚」に見せる効果を再現。

同時にUV発色が水中でも長時間持続し、従来のメッキシルバージグが苦手だった“朝マズメ”や深場攻略にも非常に有効です。

OEMにおいてはこのような「数字で説明できる有意差」を持つ付加パーツが、バイヤーやエンドユーザーから強く求められる存在になっています。

製造現場でのイノベーション:工程管理×職人技

ホログラムUVプレートは材質選定・プレート貼付・UV焼き付けの精度が非常に問われます。

現場では微妙な角度調整やシワ・気泡ゼロの手加工が歩留まりとパフォーマンスに直結するため、中国系の大型工場では再現困難だった日本の町工場ならではのノウハウが今なお生きています。

私自身、多品目対応で苦労したのは「既存ラインとの工程干渉」「最終仕上げの色ブレ対応」「副資材のコスト管理」でした。

ここで普段から生産管理や歩留まり改善、サプライヤーへの細かな教育が生きてきます。

OEM/ODMを志向するサプライヤーやバイヤーは、このような微差・匠の技を積極的に“見える化”し商談材料に活用するべきです。

これからのバタフライジグOEM動向とビジネス戦略

デジタル化と職人技の両輪が鍵になる

アナログ文化が強い釣り業界ですが、データドリブンで需要予測を行い、効率的なロット計画ができる企業が生き残っていきます。

一方、「ホログラムUVプレート」をはじめ随所に残る職人技は価格競争に巻き込まれないため、サプライヤーとしては効率と個性を両立する中小企業連携や協業体制が不可欠となります。

バイヤー側も販売チャネル戦略を従来の実店舗中心からEC・SNS等へ広げ、ユーザーの生の声から新しい製品設計や色パターンを迅速に反映する仕組みを構築すべきです。

OEM交渉の裏側:信頼と提案力が決め手

成功するOEMでは、発注前の初期相談段階でどれだけ「現場での釣れっぷり」や「工程上の制約」、「コスト構造の透明化」に真摯に向き合えるかが重要です。

バイヤーサイドも「数をまとめることでどこまで単価を下げられるか」だけでなく、「なぜこのホログラムUVプレートが釣果向上に効くか」のストーリーを自店舗のお客様へ伝えきる努力がブランド力強化につながります。

OEMは単なるコストダウン施策ではなく「価値提案のパートナーシップ」という発想に昇華させる必要があります。

サプライヤーの“逆転の発想”もビジネス拡大のヒント

サプライヤー・下請け工場側は受け身でなく、「ホログラムUVプレート搭載ジグで特定シーズンの釣果データ収集実験」や、「一般アンバサダーを活用した新色開発」など、自社発信型のアップセル提案も視野に入れるべきです。

逆にOEM受注先も、小ロットを活かした限定パッケージやノベルティ開発など、現代消費者が喜ぶ新たな価値創造をOEMにも持ち込むことで、従来の下請け構造を脱却した「共創関係」へ進化できます。

依然として昭和的アナログ現場文化に根ざしつつ、ラテラルシンキングで柔軟な発想を続けることが、今後の製造業全体の発展にもつながります。

まとめ:時代を超えて生き残る製造業×釣具業界の未来とは

バタフライジグOEMは、ホログラムUVプレートといった付加価値で青物のリアクションバイトをブーストしつつ、職人技とデジタル管理の融合で確実かつスピーディな受注体制を実現しています。

昭和期の“現場主義”が昭和のままで終わらず、今日的な効率・差別化・スピードを融合することで、製造業も真の意味で次の時代へ進化します。

バイヤー・サプライヤーともに「目の前の釣果」という現場目線と、「市場で選ばれる価値創造」という未来志向を両立し、現場知見の深堀りと新機軸の追求を続けていくことこそ、これからの日本の製造業、そして釣具産業のサバイバル戦略だと強く感じます。

現場を支える一員として、今後も知恵と工夫を惜しまず、バイヤーもサプライヤーも共に成長できる業界づくりに貢献してまいります。

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