チームユニフォームOEMが汗冷えを防ぐハニカムドライニット素材

チームユニフォームOEMが汗冷えを防ぐハニカムドライニット素材

はじめに：製造業の現場とユニフォームの進化

製造業の現場では、社員たちの士気や一体感を高めるためにユニフォームが用意されることが一般的です。
しかし、現場の担当者や購買部門は「見た目」や「コスト」だけでなく、着用者の快適さや安全性も重視したい、と常々感じているのではないでしょうか。
特に夏場や高温多湿な環境下で作業をする場合、「汗冷え」や「肌へのベタつき」は作業効率を著しく低下させ、品質・生産性に直結する課題です。

そこで近年注目を集めているのが、ハニカムドライニット素材を採用したOEMユニフォームです。
本記事では、昭和的な価値観に囚われがちなアナログ現場にも響く「現場ベースの実践的知識」と、「バイヤー・サプライヤー双方の視点」から、ハニカムドライニット素材の強みと業界動向を深掘りします。

なぜ「汗冷え」が問題視されるのか

工場や倉庫作業、物理的な動きを伴う労働現場では、作業員の体温調節が大きな課題です。
汗は体温を下げるためには不可欠ですが、従来のポロシャツやTシャツは吸湿・速乾性が不十分なものも多く、汗をかいた後に衣服が肌に張り付き、突然の冷感や不快感を引き起こします。

この「汗冷え」は、単なる不快で済む問題ではありません。
体温の急激な変化で集中力が途切れたり、免疫力の低下や熱中症リスクの増大につながることもあるのです。
現場目線では、「快適なユニフォーム」の採用は生産効率アップや労務リスク低減にも直結します。

ハニカムドライニット素材の仕組みと特長

ハニカムドライニット素材は、その独特な編み構造により「衣服内環境」を劇的に改善します。
ハニカム（蜂の巣）状の空間が生地全体に設けられているため、汗を素早く吸い上げ、空気との接触面積を増やして効率的に蒸発させます。
同時に、肌に触れる面積が少なくなるため、汗をかいても「サラッ」とした感触をキープできます。

吸湿速乾：汗をすぐに吸収・拡散し外部へ放出、汗冷え感を抑制。
通気性：表面に多数の小さな空間があり、空気が循環しやすい。
軽量性：立体的な編み構造で、生地自体も軽く羽織っている感覚が変わる。
イージーケア：洗濯後もすぐに乾きやすく、繰り返し使用しやすい。

現代の生産現場では、「汗を吸って重くなりにくい」こと、「ドライタッチで着脱時に不快感がない」ことが重要視されています。
これらを一度に満たせる素材は、品質管理の側面からも大きなメリットです。

アナログな業界に根強く残る課題と新素材の受け入れ事情

多くの製造現場では、未だに「毎年同じ業者」「昔からの素材指定」という慣習が根強く残っています。
この背景には、失敗を恐れるあまり新素材への切り替えに慎重になるバイヤーや現場管理者の心理があることは否めません。

しかし、実際の現場で「ハニカムドライニット素材を導入した現場」では、作業者からの「ベタつかない」「汗臭さが軽減した」「1日着ていても気にならない」という生の声が多く聞かれます。
生産性を確保しつつ、現場スタッフの快適性・健康・安全も守れる素材が普及し始めているのは明るい兆しです。

サプライヤーにとっては、時代遅れの素材に固執する現場に対し、現場の実態に即した提案ができるかが勝負どころです。
「自社の強み＝最新素材の知見やテスト実績の提供」と捉えると、現場担当者・購買部との信頼関係を築きやすくなります。

バイヤー視点で見るOEMユニフォーム導入のポイント

バイヤーの役割は、「現場ニーズの吸い上げ」「コストと品質のバランス」「サプライヤー選定・交渉」「トラブル時のリスク管理」まで多岐に渡ります。
ハニカムドライニット素材の導入を検討する際にバイヤーが重視するポイントを整理してみます。

現場ヒアリングの徹底
　現場を巻き込み「どんなシーンで不快に感じるか」「従来品のどこが問題か」を把握しやすく、具体的な改善策として素材提案に説得力が出ます。
サプライヤーの素材知識
　ハニカムドライニットにもレベル差があり、糸の太さ（デニール）、編み密度、後加工（抗菌等）で快適性や耐久性は大きく異なります。
価格交渉と総コストの見極め
　初期費用だけにとらわれず、耐久性や洗濯禿げしにくさ、替えの調達性も見積もりに入れるべきです。
ブランディング・デザイン性
　OEMならではのロゴ・カラーリング対応や、チームカラーと機能性の両立など製造現場でも見栄えを追求する需要は年々高まっています。

サプライヤー視点でのバイヤーニーズ把握と提案力

強く印象に残るOEMサプライヤーは、単にカタログ商品を並べるのではなく「現場課題へのソリューション提案」ができる業者です。
新素材の客観的データ（吸水速乾性の比較/耐久テスト/実装テストなど）を揃え、「実際に現場で使ったらどこがどう変わったのか」を具体的に示すことが差別化の武器になります。

また、昭和的なアナログ現場の意思決定プロセスを読み解き、現場担当者・管理職・購買部の「それぞれの立場での不安要素や抵抗感」を丁寧にケアすることも重要です。
例えば、「旧素材と比較したコスト試算」「洗濯・運用開始までのスケジュール提案」「サンプル貸与による現場試着会サポート」など現実的な支援は信頼獲得に直結します。

製造業の未来：業界全体が変革期に

DXブームもあり工場の自動化や工程管理のクラウド化が進む今、「最後まで残されていたアナログ領域」として、現場作業服の高度化にも大きな注目が集まっています。
特にOEMユニフォームは、一斉導入による一体感だけでなく、「安全・快適・環境対応」といったSDGs志向の側面でも評価されるようになりました。
現場スタッフの健康や働きやすさを第一に考える姿勢は、企業ブランドやリクルーティングの戦術面でも今後ますます重要になるでしょう。