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投稿日:2026年2月3日

安さだけで選んだノベルティが営業現場で使われなくなるまでの話

はじめに

営業活動に欠かせない存在である「ノベルティ」。
企業の認知度向上、新規顧客開拓、既存顧客の関係強化など、目的は多岐にわたります。
しかし、コスト至上主義、すなわち「安さ」だけに囚われて選んだノベルティは、現場で思わぬ結果を招くこともあります。
今回は、昭和の時代から続く“安かろう悪かろう”の負の連鎖や、なぜ営業現場で使われないノベルティが生まれるのか、その原因と教訓について、20年以上製造業現場を見てきた経験を踏まえてお伝えします。

安さの魔力と落とし穴

なぜ「安いノベルティ」が選ばれるのか

コストダウンは、ものづくり産業において常に求められてきた命題です。
経費節減の圧力は強く、予算会議でもノベルティは「できるだけ安く」で捉えられがちです。
購買・調達担当も「数量×単価」でしか評価されない傾向があり、「安さ」が唯一絶対の基準になりやすいのが現実です。

また、ノベルティそのものが営業部門の“販促道具”であり、営業現場のリクエストではなく、管理部門主導で“数合わせ”で決められてしまうのもよくあるパターンです。

安価なノベルティの問題点

価格にこだわる結果、以下のような問題を生むことが多いです。

– 品質が低い(すぐ壊れる、見た目が安っぽい)
– 実用性がなく、使い道が限定されてしまう
– 他社と差別化できない(ありがちなペン、メモ帳、袋など)
– 名入れやロゴが簡素で、企業価値すら下げてしまう
– サプライヤーの信頼性が低く、納期やトラブル対応に難あり

このようなノベルティは、顧客にも営業担当にも“配るモチベーション”が生まれません。

現場感覚から見える「使われなくなる理由」

営業現場のリアルな声

私が工場長として多くの営業現場を見てきたなかで、以下のような不満を多く耳にしました。

– 「またこのタイプ…誰も喜ばない」
– 「すぐ壊れてクレームになるから配りづらい」
– 「自分でも欲しくないから配る気がしない」
– 「ライバル他社のノベルティの方が格段に良い」

つまり、現場からの“不信感”が溜まり、市場での評価も下がる一方になってしまいます。

お蔵入り・在庫の山…末路は倉庫行き

せっかく発注した大量のノベルティが営業現場で配られることなく、段ボール箱のまま倉庫に積み上がる光景を何度見たことでしょう。
予算消化のために採用された、誰も使いたがらないノベルティは、結果的に“ゴミ”同然の扱いとなります。
これはコストや資源の無駄であり、ESGやSDGsの観点からも時代に逆行しています。

購買・調達部門の葛藤と課題

バイヤーの現実と評価軸

バイヤーは常に「コスト削減」「調達数量」「納期順守」を上司から求められます。
成功体験として「昨年より1個あたり10円安くなった」だけを成果と考えてしまいがちです。

しかしノベルティのKPIは本来「ノベルティ×顧客満足度」「社外評価」「営業現場での活用度」といった“定性的な価値”にも目を向けるべきものです。
安さを追い求めて現場の声を無視すると、調達業務の本来の価値が毀損されてしまいます。

“安さ”の呪縛から抜け出せないアナログ体質

特に昭和から続くアナログな意思決定プロセスを持つメーカーでは、上層部が“前例踏襲”したがるため、大胆な見直しの提案すらしにくい文化があります。
「これで良いのでは?」という惰性の中で、変革や挑戦が起こりにくい。
結果、毎年同じような失敗が繰り返されるのです。

サプライヤー目線で見た、バイヤーに伝えたいこと

バイヤーが見落としがちな“価値”とは

ノベルティのサプライヤー側からすれば、品質・独自性・納期・アフターサービス…どこに価値付けをしてくれるかは死活問題となります。

「ただ安く」しか求められないと、提案力のある企業や品質重視のサプライヤーが去り、悪循環に陥ります。

バイヤーには「どうすれば顧客が喜ぶか」「どう使われるか」という視点に目線を広げてほしいと言いたいのです。
実際、付加価値のあるノベルティ提案ができるパートナーを育てることが、長い目で見れば企業ブランド構築や営業成果に寄与します。

良いノベルティは“短期投資ではなく長期視点”で

良いノベルティは、多少コストが上乗せされたとしても「顧客の心に残る」「営業担当の話題作りの起点になる」といった“副次的効果”を生み出します。

たとえば機能性を持たせたり、環境対応素材を使ったり、相手企業・業界に特化したアイテムにするだけで、他社との差別化へ直結します。
“安物買いの銭失い”ということわざを、工場現場だけでなく営業施策にも当てはめたいものです。

実際に現場で見た「成功ノベルティ」と「失敗ノベルティ」

成功例:現場発想が生きたノベルティ

私が印象的だったのは「技術部門や営業現場との意見交換」をもとに、ノベルティ選定を行ったケースです。

たとえば「現場作業でも活用できる防塵仕様の工具セット」や「顧客の現場に役立つ計測グッズ」「伝統工芸をコラボしたオリジナルアクセサリー」などは、営業部門からも配りやすいと大好評でした。

リピートオーダーも入り、顧客から「あのノベルティ、追加でもうひとつ欲しい」と逆指名されることさえありました。

失敗例:コストのみ重視で顧客ニーズ無視

一方、「最安値」のボールペンやエコバッグなどを数万単位で発注したプロジェクトは、ほぼ全てが在庫の山となりました。
従業員すら「またアレか…」と素っ気なく、最終的には廃棄処分となることもしばしばです。

失敗の本質は、“ノベルティを使う相手・シーン”を全く考えていなかった点でした。

昭和のアナログ体質から脱却するために今できること

選定プロセスの透明化と現場参加

ノベルティ選定時には、バイヤーや調達部門だけで決めるのではなく、営業、マーケティング、現場作業者など幅広い意見を聞く仕組みを導入しましょう。
社内アンケートや実際のユーザーテストを行い、「本当に喜ばれるものはなにか」を数値や実体験で把握してください。

サプライヤーとの協働を深める

単なる取引先・コストダウン先としてではなく、価値づくりのパートナーとしてサプライヤーと連携しましょう。
一緒にアイデアを出し合い、提案型・共創型の調達を目指すことで、長期的な企業価値向上に繋がります。

“価値思考”を現場にも経営にも浸透させる

ノベルティは、単なる“モノ”ではありません。
企業ブランドや営業の信頼構築へ直結する“コミュニケーションツール”です。
経営層から現場まで、「ノベルティの意味と投資価値」に対する認識を合わせることが、誤ったコスト主義からの脱却の第一歩になります。

まとめ

安さだけで選ばれたノベルティは、結果として「使われない・喜ばれない・残らない」の三重苦を招きます。
短期的な費用対効果だけを見るのではなく、現場の声と顧客ニーズを「きちんと拾う姿勢」、良いパートナーと「価値共創する調達視点」がこれからの時代には不可欠です。

ノベルティの選定は、たかが“おまけ”ではありません。
企業と顧客、営業現場と調達部門をつなぐ「価値ある橋渡し」になるものです。
安さの罠から抜け出し、価値を考えるものづくりへ。
昭和のアナログ思考をアップデートし、現場発信で成果を生み出しましょう。

あなたのノベルティが、営業現場の武器となり、企業ブランドの成長を支える“真の投資”となることを願っています。

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