投稿日:2025年7月16日

タブレットスタンドOEMで在宅ワーク需要を取り込む収益モデルの作り方

はじめに:タブレットスタンドOEM市場の急拡大

テレワークや在宅ワークが定着し、パソコンやタブレット端末の需要が爆発的に伸びています。

その流れの中で、今注目されているのが「タブレットスタンド」のOEM市場です。

リモートワーク需要の高まりと共に、手軽に導入できる業務周辺機器としてタブレットスタンドの需要は年々増加しています。

特に、日本の製造業界では、まだまだ一部の現場では昭和的なアナログ体質が根強いものの「収益モデル変革」の切り口として、周辺機器OEMが新たな収入源として注目されています。

この記事では、現役の工場長や調達担当者、そしてサプライヤーとしてOEM事業にチャレンジしたい方々へ向け、成功のカギとなる収益モデルの考え方と実践ポイントを徹底解説します。

OEMとは何か?タブレットスタンドビジネスの全体像

OEM(Original Equipment Manufacturer)とは、他社ブランドの製品を自社で製造し、販売は依頼元ブランドを通じて行うビジネスモデルです。

タブレットスタンドにおいては、
– デザインや設計はバイヤー(顧客企業)が主導する
– サプライヤー(製造委託企業)は生産や品質保証を担う
– 完成品はバイヤーのブランドで流通する

という構図が一般的です。

従来の製造業は、汎用部品やアセンブリに特化していたためブランド力を持ちにくいジレンマがありました。

しかし、OEM生産を通じてバイヤーのブランド価値を支えるパートナーとなることで、比較的高い付加価値と安定的な受注を得られるケースが増えています。

なぜ今、タブレットスタンドのOEMなのか?

在宅ワークやリモート会議の広がりを背景に、タブレット端末の利用形態が劇的に変化しています。

特に注目すべきポイントは、

1.市場トレンドと導入ハードルの低さ

タブレットスタンドという商材は「使ってみると便利だが、なくても困らない」と考えていたサラリーマン層にも普及が進んでいます。

その理由は、個人でも企業でも「省スペース化」「健康意識向上」「PC+タブレットの複数端末作業の習慣化」など、複合的なニーズの高まりによるものです。

2.BtoB・BtoC両面で需要が拡大

タブレットスタンドは一般の消費者にも人気ですが、コワーキングスペースや在宅ワークを導入する企業にも業務効率化のため欠かせない周辺機器となりつつあります。

それにより、複数台購入、継続的な大量発注、法人ロゴ入りのカスタマイズ需要など、多彩な販路が期待されています。

3.設計・素材の多様化で差別化しやすい

スタンドの種類は、樹脂成型、アルミダイカスト、木工など様々です。

人間工学的な設計も求められるため、価格だけでなく、使い勝手やデザイン性での差別化が可能です。

これは、製造業として蓄積してきた生産技術やクオリティコントロール力を最大限に活かせる分野と言えるでしょう。

OEM受託メーカーはどう収益モデルを構築するのか?

タブレットスタンドOEM事業の収益モデルは、単純な下請け型だけではありません。

いかに「価格競争に巻き込まれず、安定した利益確保を実現するか」が問われます。

ここでは、持続的かつサステナブルな収益モデルの作り方を具体的に解説します。

1.「試作~量産」一貫体制で利益を創出する

現代のバイヤーは「小ロット試作」「多品種・少量生産」への対応力を強く求めています。

そこで重要になるのが
– 試作塾→設計サポート→金型製作→量産までの一貫体制
の構築です。

限定的な工程だけを請け負うと、価格競争に巻き込まれてしまいがちですが、設計・開発段階から参画し、バリューチェーン全体で収益を分散・最大化する仕組みがポイントです。

2.独自技術や素材提案で「選ばれるOEM先」へ

単なる組立屋ではなく、素材選定や新工法提案、環境配慮設計、ユーザー目線のアイディアをバイヤーへ積極的に提案することで、「替えが利かないパートナー」になれます。

特にSDGs対応商材(リサイクル素材、環境配慮パッケージなど)は法人向け案件で優位となりやすいです。

逆に、量産力や納期厳守だけでは価格低下圧力が強まるため、付加価値の高い提案力がカギとなります。

3.「オプション提案」で収益UP

– 法人のロゴ印刷
– モバイルバッテリー機能付属
– オリジナルカラー展開
– 組立式、折りたたみ式などの仕様追加

など、スタンド本体+オプション売上の二重構造を狙うことで利益率をアップできます。

簡易な追加加工や付属品提供でも、バイヤーのニーズを深く掘り下げるほど単価アップ・匙加減のできる領域が広がります。

4.「継続受注」モデルの仕組み化

OEM事業は一度の大量発注では利益効率が悪化しやすいため、リピートや定期受注をいかに促進するかが生死を分けます。

たとえば
– アフターサポートや修理体制
– 新製品の定期的な提案
– 仕様変更やマイナーチェンジ需要の取り込み

など「追加発注」「ランニング需要」を常に拾い続けることで、OEMが『単発ビジネス』に陥ることを防げます。

製造現場目線〜昭和的慣習から脱却してOEMで勝ち残るためのポイント

日本の工場現場には、まだまだ「言われたものを作って納期通り出荷する」という昭和型の受け身スタンスが目立つ場合があります。

これを打破するには、以下の現場改革が必須です。

1.「仕様変更」や「顧客要望」への柔軟対応力

設計の途中で仕様変更や部材の調達難が発生しても、現場一丸で解決法を模索できる体制が重要です。

現場と営業、調達部門の連携強化が、OEM事業の信頼性アップにつながります。

2.デジタルツール活用による情報連携

在宅バイヤーや海外調達担当と密な情報共有を実現するためには、オンライン進捗管理やクイックプロトタイピング(3Dプリンタ活用など)を積極的に取り入れることが大前提です。

意思決定スピードを上げることが、次の案件獲得や収益最大化への最大の武器となります。

3.「現場の目線」に立ったものづくり提案

多様な現場から吸い上げられる「現場経験」は、BtoBバイヤーから特に重視されます。

「実際に在宅ワーク中に使ってみて手が疲れる」「デスク設置時の安定性はこうしたほうが良い」など、生のフィードバックを生産工程や設計に即反映する体制が差別化要素となります。

バイヤーの視点を知る:OEMパートナーに求められること

サプライヤーとしてOEM事業に参入する場合、「バイヤーが真に何を求めているのか」を理解することが不可欠です。

バイヤーは、

– 価格競争力(コストパフォーマンス)
– 安定調達(納期、数量、継続性の担保)
– 品質保証(初期不良、耐久性検証)
– 提案力(他社に負けない新規性や差別化案)
– サポート力(迅速なレスポンス、トラブル対応)

など、調達購買担当者や現場責任者の立場から多岐にわたる要望を持っています。

また、「新規取引先のリスクを最小にしたい(安定性や信頼性)」という観点から、工場監査や小ロット試作対応、定期進捗報告などの要求も増えています。

ここをしっかり押さえて、現場レベルで「バイヤーの疑問や不安」に一つずつ誠実に応える体制構築が成功の鍵となります。

まとめ:タブレットスタンドOEMで“昭和”から抜け出せ!

「これからの製造業は、自社ブランドか、ただの下請けになるしかない」という議論がよく聞かれます。

しかし、OEMモデルは「機動力」「連携力」「現場発想」を磨けば、十分に収益性あるビジネスです。

昭和的な「言われたものだけ作る」受け身型を脱して、現場目線の改善提案力やオプションビジネス、SDGs対応提案などで、選ばれるパートナーになることが大切です。

在宅ワークや多様な働き方という時代の波に乗り、タブレットスタンドOEMを“入口”に自社のプレゼンスと収益モデルの多角化を進めましょう。

業界全体の底上げと自社の成長の両立を、今このタイミングでぜひ実践していただきたいと思います。

You cannot copy content of this page