サービスエンジニア部門の課長向け！VR/ARを使って顧客トレーニングを効果的に進める方法

はじめに

製造業の競争が激化する現代において、顧客への製品トレーニングは極めて重要な要素となっています。
製品が高度化、多様化している中で、顧客がその製品を最大限活用できるようにすることは、サービスエンジニア部門にとって欠かせない使命です。
そして、近年登場したVR（仮想現実）やAR（拡張現実）といったテクノロジーは、顧客トレーニングのアプローチを一変させる力を持っていると言えるでしょう。
この記事では、VR/ARを使った顧客トレーニングの効果的な進め方について解説します。

VR/AR技術の基本理解

まず、VRとARの基本についておさらいしましょう。
VR（Virual Reality）は完全に作り上げられた仮想空間を体験する技術です。
専用のヘッドセットを用いることで、現実世界から切り離された完全なバーチャルエクスペリエンスが可能になります。
一方で、AR（Augmented Reality）は現実世界に仮想の情報を重ね合わせて表示する技術です。
スマートフォンや特別なゴーグルを使って、現実の風景に文字や画像の情報を追加することができます。

VR/ARが持つ利点

VR/ARを活用したトレーニングにはいくつかの利点があります。
まず、リスクやコストを削減できます。
仮想空間でのトレーニングでは、実際の作業現場を使用しないため、現場での事故や機器損傷のリスクがなく、また一度コンテンツを作成すれば繰り返し利用可能です。

さらに、理解促進にも効果的です。
テキストや口頭で情報を得るよりも、視覚情報を含む体験型の学習は記憶に残りやすく、短時間で習得が可能となります。

VR/ARを用いたトレーニングの導入手順

では、実際にVR/ARを用いて顧客トレーニングを行うためのステップを紹介します。

1. トレーニングニーズの分析

まず最初に行うべきことは、顧客のトレーニングニーズを明確にすることです。
製品のどの部分を重点的に学んで欲しいのか、どのようなシチュエーションで活用するのかなど、具体的な要求を確認します。
この段階での情報収集が、後のステップの方針決定に大きく関わります。

2. コンテンツの企画と設計

次に、VR/AR用のトレーニングコンテンツを企画します。
専門の開発チームや外部のコンテンツ制作会社と協力して、リアルに近い体験が可能なコンテンツを設計しましょう。
重点とする操作や知識を含めることはもちろん、顧客にとって興味を引く要素を取り入れることで、学習効果を高めることができます。

3. ハードウェアの選定と提供

VR/ARトレーニングに必要なデバイスは、目的や内容に応じて選定します。
クラスルームセッションでは、低コストで比軽なHMD（ヘッドマウントディスプレイ）が最適ですが、特定の作業環境を完全に再現したい場合には、より高性能なデバイスが求められるでしょう。
また、実際の使用における技術サポート体制を整えておくことも重要です。