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地元で育てた技術を都市に届けるための展示会・商談会活用術

目次
はじめに ― 地元工場の強みを都市へ届けるには
日本のものづくりは、地方の力なくして語れません。
私も20年以上、地方の製造現場で、調達購買や生産管理、品質管理、工場の自動化まで、さまざまな現場を経験してきました。
そこで日々感じるのが、「あの技術や匠の技を、もっと都市のバイヤーや大手メーカーに知ってもらいたい」という強い想いです。
しかし、昭和の価値観が根強く残る製造業界。
現場でコツコツ磨いてきた独自技術や製品が、なかなか首都圏や政令指定都市の“舞台”で貢献する機会を得られない――。
その壁の一つが、情報発信の仕方にあります。
今回は、地方で育てた技術や自社製品を、都市部の有力バイヤーや大手メーカーに「確実に届ける」ための、展示会・商談会活用術を、現場目線・バイヤー目線を交えて徹底解説します。
なぜ地元発の技術は都市で埋もれてしまうのか
まず、なぜ地方(地元)の技術や製品が都市部では認知されにくいか、課題と背景を整理してみましょう。
情報発信の弱さとアナログな商習慣
多くの現場で今なお「紹介」や「口伝え」、FAXといったアナログな方法が主流です。
社内でも「うちの商品は知る人ぞ知る逸品」「遠くまで売り込みに行くほどでもない」という意識が根強い傾向にあります。
一方で都市のバイヤーたちは、Web検索やSNS、オンライン商談にも精通し、新しいものを探す手段が変化しています。
この情報発信のギャップが、地元技術が広域で評価されない原因の一つです。
「展示会・商談会」による新規開拓力の差
プレス発表や展示会・商談会が、新たな販路開拓の真髄です。
ところが、出展側がそのノウハウを持たず、壁を感じているケースが多いのも事実。
「投資した割に成果が薄い」「形式的な参加で終わる」と感じてしまう背景には、来場者の目線やバイヤー心理を十分に捉えきれていない実情があります。
展示会・商談会で成功するための3つの視点
「現場のリアル」「バイヤー心理」「サプライヤーの価値発信」。
この3つを軸に、“都市に届ける”ための展示会・商談会活用術を磨きましょう。
1. 現場目線:「現場課題を技術でどう解決?」を明確に示す
バイヤーが求めているのは「斬新なスペック」や「価格の安さ」だけではありません。
彼らの最大関心は「現場課題の解決」にあります。
たとえば、
– ロス削減
– 作業効率アップ
– 止められない工程の自動化
– 人手不足補助
– 部品の安定供給
こうした現場視点の“痛み”を、どのように自社技術・製品で解決できるか。
これを明確に伝えるストーリー設計(=課題→提案→効果)が、商談成立のカギを握ります。
2. バイヤー心理:「なぜ地元技術を選ぶ価値があるのか?」
都市部のバイヤー(調達・購買担当)は、
– 新規性や技術差別化
– 量産性・安定供給
– サポート対応
– コストと納期
– 継続取引の信頼
これらを冷静に比較検討しています。
特に初取引の場合、「地元の無名メーカー」=リスクと捉えられやすいのが現実です。
そこで効果的なのが、
– 展示会実演による“動く証拠”の提示
– 実績データやユーザーインタビュー(証言動画)
– トラブル時のフォロー体制提示
– 改善へのスピード感のアピール
つまり、バイヤーが一歩踏み出せる『安心材料』を多角的に準備することがポイントです。
3. サプライヤーの価値発信:「自社の“らしさ”と言語化の技術」
大手メーカーや都市のバイヤーは、膨大な数のメーカー・サプライヤーを比較しています。
製品スペックや価格勝負では、結局大手に埋もれてしまいます。
そこで重要なのが「自社の強みを一言で言語化」し、顔の見える関係性を作ること。
– “町工場ならではの小ロット柔軟対応”
– “開発~試作まで一貫伴走”
– “昭和から磨いた熟練ノウハウ×デジタル技術融合”
こうした短いフレーズやキャッチコピーも、現地実演や事例と一緒に徹底的に発信しましょう。
最新トレンド:オンライン・オフライン両軸活用が必須
コロナ禍以降、展示会や商談会の形式も大きく変わりました。
リアル展示会の価値は変わらず大きい一方、オンライン展示・オンライン商談との併用が主流となっています。
地方の工場にとっては、交通・宿泊費や移動コストを大幅に削減でき、都市のバイヤーとも“オンライン越し”にアプローチすることが容易になったのです。
また、事前のマッチングアプリや動画PR、簡易なサンプル出荷など、さまざまなツールを組み合わせることで、「会わずに商談が進む」「興味を持つバイヤーとの成約確度を高める」ことができます。
現場から生まれた!展示会・商談会 成功事例
ここで、実際の現場経験から得た成功事例を紹介します。
事例1:熟練技能×自社開発装置の実演で都市大手の案件獲得
ある地方メーカーは、従来は地元企業への受注しかありませんでした。
展示会では、
– 切削加工の工程で、熟練工の「精密仕上げ技」を動画と実演で再現
– それを自社開発した独自冶具で自動化した新技術を説明
この“昔ながらの強みとデジタル融合”を全面に押し出したところ、都市大手メーカーの新規装置導入案件を受注できました。
「現場作業の小さな“痛み”を、現実的な価格で解消できることが決め手だった」とバイヤーにも高評価でした。
事例2:地元大学との共同研究成果を技術資料とセットで訴求
別の会社では、ろくに情報発信せず埋もれていた独自技術を、地元大学との共同特許や開発ストーリーと合わせて展示。
マニアックな内容だったため、事前に解説動画と技術資料のQRコード配布、会期中は市販のスマートフォンを使った簡易実演デモで「足を止めてもらえる仕掛け」を入れました。
これによりマッチング率が大幅に向上し、展示会後半年で都市部から連続受注を獲得しています。
バイヤー・サプライヤー双方に役立つTips
バイヤー目線で見落とされがちな評価ポイント
– 緊急対応の連絡経路(→地方ほど「迅速な現場駆けつけ」可能な場合あり)
– 他社が敬遠するLOT(小ロット/大ロット)や短納期柔軟性
– 工場見学・現場確認の対応力
こうしたリアルな現場力は、提案資料やオンライン商談時にも詳細に確認しましょう。
サプライヤー目線で強調したいアピール項目
– 工場立地や顧客の業界傾向(「農業分野得意」「自動車部品多い」など)
– 長期継続率や地元企業との協業歴
– 遠隔地でもオンライン活用による新サポート体制
きめ細かく“現場視点”“安心材料”を積極発信することで、都市のバイヤーに信頼されやすくなります。
これからの展示会・商談会への挑み方
「昭和」からの脱却――“ラテラルシンキング”で新境地を拓く
現場力だけに頼らず、常に新たな知識を獲得し、他業種やITツールとも果敢に組み合わせつつ、「うちならでは」の技術・強みを磨いていきましょう。
商談会では、次のような入念な事前準備が成功のカギです。
– 事前に顧客課題を徹底リサーチし、現場課題に直結する提案を練る
– 来場者が一目で分かるパネル・サンプル・動画・体験ツール
– 商談終了後の迅速なフォロー連絡と追加提案
これらを“業界の慣例だから”ではなく、柔軟にカスタマイズしていく姿勢が求められます。
まとめ ― “地元技術”を都市で開花させるために
地場の技術・技能力は、正しいやり方で発信すれば、都市で高く評価され、新しい発展の道を切り拓く力を持っています。
現場目線だけに固執せず、バイヤー心理やサプライヤーならではの価値言語化、そして最新のツール・発信法を融合させましょう。
「地元で磨いた技術を、日本の都市産業、ひいては世界へ――。」
昭和の礎と令和の革新を“人と技術”でつなぐ、その挑戦の一歩を、展示会・商談会の場で踏み出してみませんか。
製造業の未来は、現場を知るあなたの挑戦から始まります。
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