投稿日:2026年1月4日

曲げ加工機で使う部材名称を覚えるだけで精一杯な新人の本音

はじめに:現場で多発する「名称覚え」問題とは

製造業の現場、とりわけ板金加工の世界では、曲げ加工機とそれに使う部材の数は膨大です。
新人として現場に配属されると、まず直面するのは「とにかく部材名称を覚えろ」という洗礼です。
現場を円滑に回すうえで、どの部材がどの工程、どの工具とセットになるのかを瞬時に判断できなければなりません。
ですが、本音を言うと――膨大な名称や使い分けに「覚えるだけで手一杯」と感じている新人は多いものです。

部材名称の多さが生む「覚えるだけ」で終わるリスク

終わらない用語テスト 昭和から続く現場カルチャー

現場の先輩たちは「まずは用語をたたき込むのが一人前の第一歩」と口を揃えます。
たとえばパンチ、ダイ、トップツール、コレット、ヤゲン、ゲージ、シューター、フィンガー、バックゲージ…。
曲げ加工だけでも、これだけの名称が存在します。
昭和時代から続く「現場は口伝」という文化が根強く残り、マニュアルは引き継ぎノートや職人同士の会話で成立しています。

作業の本質を考える余裕がない現実

覚えなければ会話が成立しない、言われたことすら分からない。
つい暗記に追われ、本来重要な「なぜこの工程でこの部材を使うのか」「なぜこの順番で使うのか」という思考が後回しになってしまう危険性があります。

名詞を覚えるだけで本質を見失いがちになる――これこそ、現場で頻繁に生まれる本音でもあるのです。

ラテラルシンキングで解きほぐす:「なぜ」からスタートする部材理解

「覚える」から「使いこなす」へステップアップする考え方

部材名称の暗記自体は避けて通れませんが、仕事の「本質」を知るには、なぜこの部材が存在し、どういう用途や背景があるのかを考えることが極めて重要です。
たとえば一口に「ダイ」と言っても、U型・V型・ダブルダイなど多種多様。
なぜこれらが必要なのか?
加工する素材や曲げの角度、求められる品質基準が異なるから、それぞれに最適なダイが存在します。
もし「この部材はなぜここで使うのですか?」と素直に質問できれば、「作業の目的」や「品質・効率の両立」が理解できるようになります。

用語が「会話の道具」になる感覚

用語は単なる知識ではなく、現場の共通語です。
共通語があるからこそ、「あのV型ダイを10mmに交換して」「バックゲージを38番でセッティングして」など、素早いコミュニケーションが成立します。
部材名称を「作業のためのパスワード」として捉え直すことで、覚えること自体が目的ではなく、「現場で意図や背景を理解しながら使う力」へと視野が広がります。

アナログに根差した現場で「活躍できる新人」になるヒント

昭和的経験主義がなぜ根強く残っているのか

日本の製造業、特に板金や加工現場は、昭和から平成、令和と時代が変わっても未だマニュアル化・デジタル化が遅れています。
その結果、「図面は見て覚えろ」「手で触れば分かる」といった現場主義・経験主義が根強く残っています。
一見ムダに思える知識の暗記も、膨大な部材や工具が存在する以上、先人たちのノウハウが一番の近道という意識が根本にあるのです。

「質問する力」は貴重な現場スキル

作業名や部材名ばかりに焦点が当たる現場だからこそ、現場で積極的に質問を投げかける姿勢が大切です。
「この部材は何のため?」「この手順の意味は?」と問いかけることで、本質的な業務理解と主体的なスキルアップができるでしょう。
昭和的現場で歓迎されるのは「理解し覚えようとする素直さ」と「現場をよくしようという向上心」なのです。

アナログ企業で強く生き抜く「ラテラルシンキング」とは

現場でのラテラルシンキング(水平思考)というのは、単に「言われたこと」「覚えたこと」を垂直積み上げするのでなく、「少し離れて本質を見る力」に他なりません。
例を挙げると、「材料ロット違いで不良が頻発したが、なぜ違いが出るのか?」「古い工具が使われ続けるのは、何か現場特有の事情があるのか?」と掘り下げて考えることです。
この姿勢が、新人ならではの気づきとして現場に新たな風をもたらします。

バイヤー・サプライヤー両視点からみる現場名称の“壁”

バイヤー目線:「仕様」への深い理解がカギに

購買・調達担当者、すなわちバイヤーの立場からは、部材名称や加工工程の深い理解は非常に重要です。
「仕様書に書かれたあの部材とは何か」「サプライヤーから提案された新型ダイの優位性はどこか」など、正確な知識がなければ、コストダウンや納期短縮、品質担保の交渉はできません。
つまり、現場用語を正しく理解し、物理的に「何をどう扱っているか」に対する知識が大きな武器になるのです。

サプライヤー目線:バイヤーが何を求めているのかを読む

サプライヤー側にとっても、バイヤーがどの程度現場のリアルを知っているかは、提案や価格交渉の成否を大きく左右します。
部材の名称、用途、機能を正確に説明し、自社の強みや独自の価値提案ができるかが、まさに営業力のコアとなります。
また、「納入現場で何が問題になるか」「使用時の課題は現場でどんな風に伝わるか」を知っていることで、より良い提案ができるのです。

まとめ:名称の先にある“現場力”を手に入れるために

曲げ加工機で使う部材名称を覚えることは、製造業現場でのスタートラインに過ぎません。
本当に現場で活躍し、信頼され、自らの価値を高めていくためには、「なぜその名称があるのか」「どんな背景や本質があるのか」を深く考える姿勢が欠かせません。

一見、覚えるだけで精一杯の日々が続くかもしれませんが、用語や名称は決して無意味な暗記ではなく、「現場でプロとして動くためのパスポート」です。
作業の目的と背景、本質を問い直す横断的な視点(ラテラルシンキング)をもち、現場への“自分なりの問い”を大切にしてください。

覚えることそのものをゴールとせず、学びを仕事の強みへ、現場で信頼される力に変え、真の現場力を身につけていきましょう。

【参考】
・製造業現場で役立つ用語集や、曲げ加工の基礎解説は多く存在します。企業独自のOJTマニュアルや社内ツール活用も、時代とともに進化しています。
・昭和から続く現場文化とデジタルツールの最新トレンドを並行して学び、現場目線で新しい価値を見出していきましょう。

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