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投稿日:2026年1月19日

JIS B 7502とは|ノギスの管理基準と校正で気を付けるべき点

JIS B 7502とは何か

JIS B 7502とは、日本産業規格(JIS)によって定められているノギス(キャリパ)の規格です。
ノギスは、製造業の現場で部品寸法や厚さ、穴径、深さなどを高精度で測定するために欠かせない基本ツールです。

このJIS B 7502は、ノギスの形状、精度、表示、機能に至るまで、幅広く細かく規定されています。
産業界では製品の寸法精度の保証や品質管理の基盤となるため、製造現場はもちろん、調達・購買や品質保証部門に携わる方にとっても必須の知識となります。

なぜJIS B 7502が重要なのか

品質保証の根幹である理由

製造業において、寸法不良による逸失利益やクレーム対応、再発防止処置などはコストと工数を圧迫する厄介な問題です。
製品寸法の測定ミスを防ぐには、ノギスという測定工具自体の精度と信頼性が大前提。
JIS B 7502に準拠したノギスを使用し、さらに信頼できる校正・管理体制を構築することで、全体の品質保証力が大きく向上します。

グローバル調達・サプライヤーへの影響

海外メーカーやサプライヤーと取引を行う際も、JIS B 7502は「共通言語」として非常に重要です。
なぜなら、JIS規格準拠は受入検査・納入品質基準の大きな指標だからです。
バイヤー視点で見れば、この規格への準拠可否が仕入先選定の基準にもなります。
逆にサプライヤー側から見ても、JIS B 7502へ正しく対応していることは販売促進の大きな武器となります。

JIS B 7502の主な規定内容

1. ノギス本体の寸法・構造

・測定範囲
・最小目盛(最小測定値=0.02mm/0.05mm/0.1mmなど)
・ジョウ(内径・外径用)、デプスバー、ロックねじなどの構造要件

2. 精度規定(許容誤差)

ノギスの全測定範囲において、原器(標準ゲージやブロックゲージ)を基準とした許容誤差が細かく定められています。
例えば、測定範囲150mmの場合、実測値が±0.05mm以内であること、など。

3. 表示・刻印

・最小目盛値
・メーカー名や識別記号
・JISマーク
・製品番号・シリアルナンバー等

これらが明確に、消えにくい方法で刻印・表示されていることも求められます。

4. 校正・検査方法の標準化

ブロックゲージ等の標準器を用いた校正方法、校正サイクル、記録の管理方法など、トレーサビリティも含めて定められています。
これにより、検査・測定データの再現性と信頼性が担保されます。

ノギスの管理基準:日常点検と長期管理

日常点検の重要性

ノギスは「精密機器」でありながら、現場で乱雑に扱われがちなツールです。
特に昭和の時代から続くアナログ現場では、「うちは感覚でやってるから大丈夫」「ベテランが測ればズレない」など暗黙の了解や属人化に頼りがちです。
しかし、JIS B 7502の精神はこうした”現場慣れ”から生じるリスク排除にあります。

日常点検では、以下のチェックが推奨されます。

・目盛の視認性(かすれ消えや曲がり)
・ジョウの摩耗や変形
・スライドのガタ付きや異音
・ロック機構の動作
・ゼロ点ズレ(軸合わせ時にゼロになるか)

これらを確認せず、”とりあえず感覚で使う”という慣習が大きなクレームやロスコストを招くことにもなりかねません。

長期管理:校正と記録の最適化

ノギスは最低でも「年1回」の定期校正が推奨されています。
さらに、以下も意識するとベターです。

・使用頻度が高いノギスは、半年に1度の校正を検討
・校正結果を”測定器管理台帳”などで管理し、トレーサビリティを確保
・校正記録は、設計変更や主要顧客監査に備えて“容易に検索保存”できる形で保管

また、校正中のノギスは、その旨を明示して業務使用をNGにするなど管理ルールの徹底も必要です。
ここが徹底されていない工場は、最終的に工程内不良の温床、モノ作り現場の信頼低下につながりやすいです。

ノギス校正で特に気を付けるべきポイント

1. ゼロ点調整と環境コンディション

ノギスは金属製のため、気温変化や湿度によってわずかな寸法変化を起こします。
校正・点検時には”室温20度±2度”程度の安定した環境下で行うのが理想です。
現場で気温ムラが大きい場合は、使用場所ごとで個別確認も重要です。

2. 標準器の信頼性

ブロックゲージやマスタゲージなど、校正に用いる標準器の精度・認証ステータスも要確認です。
認証期間切れのゲージで校正していては「信頼の負債」が生まれます。
ISO9001等でQMS(品質マネジメントシステム)が要求されている場合、第三者校正証明書付き標準器の使用が必須となります。

3. 管理番号と固有識別

複数のノギスを現場に展開している場合、1本ごとの「個別管理」が重要になります。
管理番号・バーコード・QRコードによる固有識別、誰が/いつ/どこで使ったかの貸出・返却記録。
AIやIoTタグを活用したスマート管理も進んできていますが、紙媒体の記録でもミスのない運用ルール徹底が成果に直結します。

バイヤーの視点で見る:JIS B 7502への対応策

調達購買で最重視されるポイント

バイヤーや購買部門にとって、ノギスの調達選定では「JIS B 7502準拠」の明示が基本です。
この規格に準拠していれば、精度・機能・耐久性が保証されるため、サプライヤーの信頼度も向上します。

更に、JISマーク等の証明書・校正証明書・トレーサビリティ体系も調査項目となります。
また、JIS規格逸脱や仕様不明確なノギスについては、受入拒否や予備検査への追加コスト発生につながる場合も多いです。

サプライヤーへのフィードバックと現場改善のカギ

サプライヤー側としては、JIS B 7502対応ノギスの提供だけでなく、納入前の校正書の添付や、技術相談・現場での測定教育プログラムも付加価値となります。

また、「なぜその規格・校正が必要か?」「どんなリスクにつながるのか?」を社内外に根気強く啓発していくことが、業界全体のレベルアップとなります。
昭和的な「使い慣れ・慣行」にメスを入れ、データと規格準拠主義を徹底させることが、工場の“見えない損失”削減や働き方改革の起点にもなります。

まとめ:アナログからの脱却と、測定管理の本質

JIS B 7502は、ただの寸法規格ではありません。
ノギスの管理を通じて「数字で信頼性を担保する文化」「工程での品質作りこみ」という、ものづくり現場の本質が問われています。

この規格を単なるチェックリスト・書類作りにとどめるのか、現場全体の競争力強化ツールと位置づけるかは、現場のマインドセット次第です。
バイヤーにとっては正しい選定基準であり、サプライヤーにとっては商機を生み出すポイント。
そして、今も残る「昭和の慣習」「人頼みの現場運用」からの一歩抜け出しには、データ化・校正記録・トレーサビリティの取り組みが絶対に欠かせません。

今一度、自社現場のノギス管理を見直し、JIS B 7502を実践的に活用することで、強い生産現場と高品質な製品づくりを実現していきましょう。

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