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樹脂部材の内部欠陥を非破壊検査する最新技術と適用事例

目次
はじめに
製造業において、樹脂部材は軽量かつコスト効率の良い材料として多くの分野で採用されています。
しかしながら、樹脂部材には目に見えない内部欠陥が生じる可能性があり、これが製品の品質や安全性に大きな影響を与えることがあります。
そのため、非破壊検査による内部欠陥の検出が求められています。
この記事では、樹脂部材の内部欠陥を非破壊検査する最新技術とその適用事例を紹介します。
非破壊検査の重要性
製造業において、製品の品質管理は極めて重要です。
特に樹脂部材は、その特性から内部に欠陥が生じやすく、外観のみでは品質を保証することが難しい場合があります。
非破壊検査(NDT:Non-Destructive Testing)は、材料や構造を破壊せずに検査を行う技術であり、製品の品質の保証に欠かせない手法です。
これにより、製品の不良を未然に防ぐだけでなく、製造工程の効率化やコスト削減にも寄与します。
樹脂部材における内部欠陥の種類
樹脂部材における内部欠陥には、気泡、クラック、異物混入、収縮痕、ボイドなど多岐にわたります。
これらの欠陥は、樹脂の成形過程や使用条件によって生じ、機械的強度や耐久性に影響を与えることがあります。
例えば、クラックやボイドがあると、構造強度が低下するだけでなく、使用時に壊れやすくなる可能性があります。
そのため、これらの欠陥を検出するための非破壊検査技術が求められています。
最新の非破壊検査技術
近年の技術革新により、樹脂部材における非破壊検査の手法が大きく進化しています。
代表的な技術を以下に紹介します。
超音波検査
超音波検査は、音波を用いて物質の内部を調査する方法です。
送信された超音波が素材内部で反射した後に戻ってくる時間を測定することで、内部の欠陥を検出します。
樹脂材料の音響特性を使用して、内部の気泡やクラックなどを高い精度で検出することができます。
また、超音波の周波数を調整することで、より詳細な検査が可能です。
X線検査
X線検査は、高エネルギーのX線を使用して物質の内部を可視化する手法です。
金属部材での適用が一般的でしたが、X線の透過性を活かすことで樹脂部材にも応用されています。
運用の制約はありますが、非常に高精度な画像が得られるため、微細な欠陥の検出に優れています。
CTスキャン
CTスキャン技術は、X線を用いて3Dデータを取得する手法です。
樹脂部材の表面だけでなく内部構造を立体的に可視化することができ、複雑な形状の部材に対しても精密な検査が可能です。
製品の内部にどのような欠陥があるかを明確に検出し、製造上の問題を特定するための強力なツールとして活用されています。
樹脂部材における非破壊検査の適用事例
自動車業界における採用例
自動車産業では、軽量化を目的とした樹脂部材の採用が進んでいます。
エンジンカバーや内装部品など様々な部位で使用されていますが、これらの部材の内部欠陥の検出に非破壊検査が実施されています。
超音波検査やCTスキャンを用いることで、製品品質の向上と生産効率化を図っています。
航空宇宙産業での活用事例
航空機の構造部材でも樹脂材料が多く使用されています。
内部の欠陥が重大な事故につながる可能性があるため、航空宇宙産業では非常に高精度な非破壊検査技術が必要とされます。
X線検査やCTスキャンが主に用いられ、製品の安全性と信頼性を高めています。
電気電子機器における実例
電気電子機器の部品においても、内部欠陥は動作不良の原因となります。
プリント基板や電子デバイスの樹脂ケース内部に生じる欠陥を超音波検査やX線検査で検出し、信頼性の高い製品を提供するための品質管理が行われています。
非破壊検査導入のメリット
非破壊検査技術の導入により、以下のようなメリットがあります。
品質向上と歩留まりの改善
非破壊検査により、製品の内部欠陥を事前に把握することが可能となります。
これにより、生産ラインでの不良品発生率が低下し、品質の向上と歩留まりの改善につながります。
結果として、製造コストの削減と顧客満足度の向上が期待できます。
安全性の向上
内部欠陥の有無を事前に把握することで、製品の安全性を向上させることができます。
これにより、事故や故障のリスクを低減し、安全性の高い製品を供給することが可能です。
環境への配慮
非破壊検査は、製品を破壊後に廃棄する必要がないため、資源の無駄を減少させることができます。
これにより、環境負荷を軽減し、持続可能な製造活動に貢献します。
おわりに
樹脂部材における非破壊検査技術は、品質管理の向上に大きく寄与する手法です。
特に最新の技術では、非常に精度の高い内部欠陥の検出が可能となっています。
この技術の導入により、製品の信頼性や安全性を高め、製造業全体の発展に寄与することができます。
この記事を通じて、非破壊検査技術の重要性とその価値を理解し、今後の製造業の更なる発展のため一助となることを期待します。
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