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地方企業がデザインに投資する価値とそのROIを見極める判断基準

目次
はじめに:なぜ地方企業がデザイン投資を考えるべきか
地方の製造業と聞くと、伝統的なものづくりや、昭和の香りを残すアナログな現場を思い浮かべる方も少なくありません。
私自身、地方の大手メーカーで長年働いてきましたが、「デザインなんて無駄では?」という声をよく耳にしました。
しかし、令和の時代においては、デザイン投資こそが地方企業の競争力を支える原動力になりつつあります。
本記事では、地方企業がデザインに投資する価値と、そのROI(投資対効果)をどう見極めて判断すべきかを、現場目線で掘り下げます。
デザイン投資の意義とは何か
デザインは単なる「見た目」ではない
デザイン投資というと、ロゴやパンフレット、ウェブサイトの見た目を良くする作業だと誤解されがちです。
しかし、現場を知る身として断言できるのは、デザインとは「使いやすさ=ユーザビリティ」、さらには「業務効率やブランド価値」を根底から変える力を持っている点です。
現場の設備・工程に「操作性デザイン」を取り入れることで、不良率が下がり、教育コストも大幅に削減できる事例も多く存在します。
商品のパッケージやカタログの刷新が、大手バイヤーとの商談突破や新規取引獲得につながることも珍しくありません。
デジタル化・自動化とデザイン投資の親和性
スマートファクトリー化、IoTの現場導入などが進む中、「見える化」や「シンプルなUI/UX設計」が工場の生産性・品質管理の要となっています。
この流れの中、無駄な手戻りや人為的なミスを排除できる環境を作るためにも、デザイン投資は不可欠なのです。
地方企業が抱えるデザイン投資への不安や課題
「うちには関係ない」の壁を突破するには
「大手や都会の企業の話だ、自分たちには関係ない」と感じる経営者や工場長も多いのが現実です。
現場が長い私も、「現状維持バイアス」と「変化への恐れ」は痛いほど理解しています。
しかし、バイヤーに選ばれない、価格競争に巻き込まれる、若手人材が集まらない―いずれも「古い価値観のまま」動かないことで起きるリスクでもあるのです。
目に見えにくい投資効果とROI測定の難しさ
デザイン投資は「直接的な売上」に直結しにくいため、ROI(投資対効果)が把握しづらい点もネックとされます。
設備投資や原材料コストのような「計算のしやすさ」とは性質が異なるため、成果が見えにくいことが決断のブレーキになるのです。
デザイン投資による価値創出の具体的なシーン
現場効率化・品質向上のためのデザイン改革
例えば、工場の作業指示書やマニュアルを「見やすく、分かりやすく」刷新した事例があります。
この取り組みにより新規採用スタッフの教育期間が半分になり、ミスが激減したことで、結果的に不良品発生率も2%から0.5%に改善しました。
また、設備のパネルデザインやシールの色・形の統一によって、外国人作業者・高齢者にも伝わりやすい環境を整えた例も数多くあります。
「工程内不良の原因特定が早くなった」という現場の声も多く、これは数字としてのROIも計測しやすい分野です。
営業・商談力強化とブランド価値の向上
「中小や地方メーカーこそ“情報発信”に強くなるべき」と言われ始めています。
営業資料・製品カタログ・WEBサイトの刷新・動画活用といった施策は、バイヤーの心を動かす強力な武器になります。
デザイン性が向上した商品カタログをきっかけに、東京の大手バイヤーから新規受注を獲得した地方企業も珍しくありません。
商談がデジタル化していく昨今、オンライン展示会やSNS発信で「印象を残す」ことの価値も急上昇しています。
採用・定着・地域貢献につながる
デザイン投資は、人材採用や社員定着にもじわじわ効いてきます。
清潔感のある工場作業服デザインや、誇りを持てるロゴ、地域に開かれたクリエイティブな会社パンフレット。
「なんかカッコイイ会社だよね」と思われることが、人材の質や定着率を左右する時代が到来しています。
また、地元の学生や高校生、保護者に「先進的で、感じの良い企業」と見てもらえることが「選ばれる会社」には決定的に必要なポイントです。
デザイン投資のROI(投資対効果)をどう見極めるか
目的・ターゲット・ゴールを明確にする
漫然と「オシャレにしたい」だけでは、ROIが見えづらくなります。
「誰のために、何を、どう変えたいのか」を徹底的に掘り下げ、ターゲットやサービス範囲を定めてから投資計画を立てる。
この段取りを踏まえることで、「営業資料の質向上→新規商談件数X件」のような具体的な成果予測も見えてきます。
KPI(重要業績評価指標)を設定する
デザイン投資の効果が「ぼんやり」しやすいのは、測定するKPIを曖昧にしているから。
例えば、「問い合わせ件数」「ECサイトの離脱率減少」「現場の作業エラー数」「従業員アンケートでの満足度向上」など、数値で追跡できる指標を必ず設定します。
プロジェクト開始前後での比較を定期的に行い、「投資の価値」を“見える化”していきましょう。
現場スタッフの巻き込みで「全社的改善」へ
現場をよく知る人間だからこそ、「トップダウンだけのデザイン投資」には失敗例が多いと実感しています。
デザイン刷新プロジェクトには、現場の担当者や若手社員の意見も方針決定に反映させてこそ、実効性が高まります。
また、現場の意識改革や「自分事化」にもつながり、定着率や業務品質の向上に自然と結びつくのです。
投資の実行とパートナー選び
外部と内部の知見をミックスさせる
大都市圏のデザイン会社・コンサルに頼るのも良いですが、地元のデザイナーや、工場オペレーションに明るいパートナーを巻き込むことで、「製造現場のリアル」に即した投資にできます。
また、「DIY型の社内プロジェクト」と専門家のアドバイザリー契約を組み合わせて効率的な運用を目指すのも一つの手です。
段階的な導入とフィードバックの重要性
大規模な投資が怖いなら、小さな範囲から導入を始め、評価しながら段階的に広げるのがおすすめです。
現場反応やKPIの推移を細かく計測し、「失敗する前提で学びを蓄積する」ことが、ROI最大化への最短ルートです。
製造業でデザイン投資を成功させるラテラルシンキング
常識の枠組みを超えて考える
例えば、「紙の作業指示書」を「動画説明」に切り替えることでベトナム人スタッフの作業ミスが減った実例。
「金型の見た目にこだわるより、段ボール梱包の開けやすさ・再利用性を重視したパッケージデザイン」を採用し、バイヤーから感謝された事例。
どちらも「既存の枠組み」から一歩抜け出した発想です。
これがラテラルシンキングの一環であり、デザイン投資の本質といえるでしょう。
連携と対話による「現場発のイノベーション」
現場・営業・デザイナー・経営層が一つの目的のもとで対話と挑戦を続ける―これこそ、昭和の「昔ながら」なやり方から進化するためのカギです。
デザイン投資による新たな地平線は、まさに全社横断型の思考と対話の先に広がっているのです。
まとめ:競争力と持続的発展のためのデザイン投資を
地方製造業企業がこれからもバイヤーに選ばれ、市場と地域に愛される企業であり続けるためには、デザインによる変革が不可欠です。
設備、人材、情報発信、そして「現場の使いやすさ」。
すべてに横断的に関わるデザイン投資のROIは、決して一時的な数字にとどまりません。
新しい時代の競争力は、「変化を恐れず、現場目線でデザインに投資できる勇気」と「粘り強く効果を測定していく知恵」にかかっています。
ぜひ、皆さんの現場でも「自分たちに必要なデザインとは何か?」を問い直し、ROIの高い投資判断を実現してください。
その一歩が、製造業の未来を切り拓く原動力になります。
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