- お役立ち記事
- 自動化装置の制御・通信設計委託先募集
自動化装置の制御・通信設計委託先募集

目次
はじめに:ものづくり現場を変える「自動化装置の制御・通信設計」
製造業における省人化、効率化の流れは止まることを知りません。
人口減少や熟練工の退職、働き方改革…さまざまな課題を乗り越え、今なお「現場」を支えているのが自動化装置です。
そして、その心臓部とも言えるのが「制御・通信設計」の分野です。
私自身、製造業の現場で20年以上にわたり調達購買や生産管理、工場の自動化に関わってきました。
そこで培った経験から言えるのは、「制御・通信設計に強いパートナーこそが、工場改革のカギそのもの」だということです。
今回は、自動化装置の制御・通信設計をアウトソーシング(委託先募集)するにあたり、現場目線の実務ポイントや、業界の最近の動向、バイヤー・サプライヤー双方のメリットについて解説します。
サプライヤーとしてバイヤーの「本音」をつかみたい方にも役立つ内容です。
自動化装置の制御・通信設計委託がなぜ求められているのか
人材難と世代交代、DXの加速が背景に
日本の製造業は今まさに「変革期」にあります。
IoT(モノのインターネット)、AI活用、デジタルツインなどDX(デジタルトランスフォーメーション)が業界全体に求められ、単なるPLC制御から「ネットワーク統合」「遠隔監視」など、高度化するニーズへとシフトしています。
その一方、現場の知見を持つ技術者は高齢化し、若手人材の確保も困難です。
限られたリソースをコア事業に集中させるためにも、設計業務のアウトソーシングは極めて現実的な選択肢となっているのです。
なぜ今、「外部委託」なのか
1. 社内に必要な技術や経験が足りない
2. 内製化では人員・納期・コストの限界がある
3. 最新のネットワーク・IoT/ⅡoT技術にキャッチアップできていない
4. 設計品質と生産性の劇的な両立が求められる
このようなケースでは、むしろ制御・通信設計のプロフェッショナル集団にアウトソースした方が、競争力の向上に直結します。
委託先に求めるスキルと対応力
単純な技術知識だけでなく、「現場感覚」が重要
バイヤーの立場で制御・通信設計の外部パートナーを選定する際、システムとして動くものをちゃんと設計できるか。
さらに、現場で本当に役立つか。
この2点が最も重要です。
例えば、制御盤のレイアウト設計だけでなく、配線接続後の動作チェックやトラブル対応力、製造ライン全体とのインターフェース設計力が問われます。
特に昭和の時代から残るアナログ装置との接続や、既存ライン改造時には独特のノウハウが財産となります。
強い委託先の特徴
– シーケンサ(PLC)は三菱、オムロン、キーエンス、シーメンス、ロックウェル…など実機経験が豊富
– ロボット・センサ・カメラ・AGV・搬送機器など多種多様な機器を実装可能
– 通信プロトコルに強い(Ethernet/IP、PROFINET、CC-Link、Modbus、OPC UA等)
– ネットワーク設計・上位システム連携(MES/SCADA連携)の実績がある
– トラブル発生時の現地対応力、リモート保守の仕組みまで提案できる
– 顧客の秘密保持、製造事情を深く考慮した設計ができる(工場稼働中の導入や改造等)
これは見積書や会社案内だけでは見抜けない部分です。
実際の引渡し後も「小さな困りごと」に気づき、現場に寄り添う姿勢こそが、強い委託先の証です。
昭和からの脱却:アナログ現場とデジタル委託の落とし穴
日本特有の「段取り八分・現場主義」と設計外注のギャップ
長年現場に根差してきた日本の製造業は、昭和から続く“職人芸”や“勘どころ”が今も生きています。
制御盤の電線1本、センサの配置ひとつが生産性や不良発生率に大きく影響し、予想外の現象も現場で日々起きます。
この「現場感覚」を外部の設計者にどこまで伝えられるか。
ここが“外注設計”最大の落とし穴です。
現場の声と設計書だけでは絶対に足りない
例えば、
– サイクルタイムを短縮したいが、不良排出が多発
– 増設ラインとの通信が不安定
– 繁忙期の生産スケジュールが変更しやすい設計がほしい
こうした課題は、単なる仕様書には書ききれません。
委託先に現場視察を依頼したり、実運用まで伴走してもらう文化が必要です。
アナログ現場とデジタル設計の間の溝を、丁寧なコミュニケーションで埋めること――それが、委託成功のカギです。
制御・通信設計委託のメリットと、よくある誤解
主なメリット
– 自社リソースを開発や生産革新に集中できる
– IoTやネットワーク連携など新しい技術を柔軟に導入できる
– トラブル発生時にも他社での類似対応ノウハウが活きる
– 仕様変更・追加要望への対応力を強化できる
– 工場全体の最適化(コスト・品質・スピード)を実現しやすい
よくある誤解・リスク
– ノウハウが外部へ流出するのでは?→NDAや設計資産管理でリスクヘッジ可能
– 社内で運用できなくなるのでは?→引渡し後の操作教育や、ドキュメント徹底でカバー
– 運用後のトラブル時対応が遅れるのでは?→リモート保守、リピート案件の場合の優先対応契約などで解決
アウトソーシング(外部委託)は単なる“コストダウン手段”ではありません。
むしろ「自社技術のアップデート」「現場力の底上げ」として積極的に活用すべきです。
プロの視点で「委託先選び」成功のポイント
1. 仕様打合せを“徹底”すること
FAXや数枚の仕様書だけで外部設計に丸投げするのは絶対にNGです。
現場立ち合い&細部ヒアリングを欠かさずに、仕様に記載しきれない“勘どころ”まで丁寧に情報共有しましょう。
また、プロトタイプ評価やシミュレーションを早い段階から実施し、現場からのフィードバックを設計へ反映するサイクルが肝心です。
2. 継続的なコミュニケーションとフォロー体制を確認
トラブル発生時に即応できる体制、改造や障害対応に柔軟であること。
メール・電話のみならず、Web会議や現地立会等を通じて「顔の見えるパートナー」であることが安心につながります。
3. アフターサービス・ドキュメント力を見る
トラブルシューティングマニュアルの充実度、社員向けの教育プログラムの提案力。
“設計納品物”に加え、“サポートサービス”までをパッケージで評価しましょう。
バイヤー・サプライヤーそれぞれの立場からみた「求められる行動」
バイヤー(委託側)の目線
– 現場が困っている「生々しい課題」を惜しみなく伝える
– 継続的なパートナーシップを前提に、意図や目的を共有する
– 発注仕様をオープンにし、委託先に意見をもらう
サプライヤー(受託側)の目線
– 最新技術・標準化動向だけでなく、「現場運用」の悩みも先取りする
– 曖昧な仕様や暗黙知を吸い上げる“ヒアリング力”を重視する
– 運用開始後も含めた「責任感のある対応」をアピールする
まとめ:自動化装置の進化は「現場×外部パートナー」が鍵
現場の生産性向上や品質改善において、自動化装置は重要な武器です。
しかしそれを最大限活用するためには、制御・通信設計のエキスパートとの共創が欠かせません。
昭和の勘どころを引き継ぎつつ、令和のデジタル化へ踏み出すための“現場とパートナーの対話”こそ、工場イノベーションの第一歩です。
いま委託先を探している方も、サプライヤーとして挑戦したい方も、本記事をヒントに新たな一歩を踏み出してください。
製造業の未来は、現場と外部の知恵が融合することでさらに開けていくはずです。
資料ダウンロード
QCD管理受発注クラウド「newji」は、受発注部門で必要なQCD管理全てを備えた、現場特化型兼クラウド型の今世紀最高の受発注管理システムとなります。
NEWJI DX
製造業に特化したデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す請負開発型のコンサルティングサービスです。AI、iPaaS、および先端の技術を駆使して、製造プロセスの効率化、業務効率化、チームワーク強化、コスト削減、品質向上を実現します。このサービスは、製造業の課題を深く理解し、それに対する最適なデジタルソリューションを提供することで、企業が持続的な成長とイノベーションを達成できるようサポートします。
製造業ニュース解説
製造業、主に購買・調達部門にお勤めの方々に向けた情報を配信しております。
新任の方やベテランの方、管理職を対象とした幅広いコンテンツをご用意しております。
お問い合わせ
コストダウンが利益に直結する術だと理解していても、なかなか前に進めることができない状況。そんな時は、newjiのコストダウン自動化機能で大きく利益貢献しよう!
(β版非公開)