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OEMアウターの付属パーツ管理におけるロス削減の工夫

目次
はじめに
OEMアウターの生産現場において、付属パーツの管理は利益確保の大きな鍵を握っています。特に、ロス(部品の無駄や紛失、誤使用などの損失)はコスト増加や納期遅延に直結するため、いかにロスを削減するかは現場やバイヤーの大きな課題です。昭和遺産とも言える「なんとなく感覚的」な管理から脱却し、現代のデジタル技術や発想も活用しながら、実践的なロス削減方法をご紹介します。これからバイヤーを目指す方や、サプライヤー側でバイヤーの真意を理解したい方にも役立つ内容です。
OEMアウターにおける付属パーツ管理の現状
多品種小ロット化によるパーツ管理難易度の上昇
OEMアウター(例えばダウンジャケットやブルゾンなど)の生産ラインでは、顧客の差別化要求に応じて小ロット・多品種の生産が求められる傾向が強まっています。ファスナー、ボタン、ワッペン、タグなど付属パーツのバリアントも増加しており、従来の「まとめて発注・一括管理」では、誤使用や在庫過剰・欠品によるロスのリスクが高まっているのが現場の実態です。
アナログ管理の限界と現場の混乱
特に昭和世代の現場では、エクセルの手入力や台帳管理、頭の中の経験則に頼った在庫コントロールが根強く残っています。これが工場やサプライヤー間での伝達ミスや記録漏れ、現場作業者によるパーツ取り違えを招き、「どこで何がいくつ使われたのか」がトレースできなくなる原因となり、日々ロスが積み上がります。
ロスの種類と発生原因を知る
物理的ロスとシステムロス
ロスには大きく分けて「物理的ロス」と「システムロス」があります。物理的ロスは現場での紛失や破損、システムロスは伝票やデータ上での記録ミス・計上漏れなどによって生まれるものです。この双方が複合的に絡み合い、発見が遅れるほど損失が大きくなります。
発生原因の具体例
・ピッキング工程でのパーツ取り間違い
・仕様変更時のパーツ入替の伝達漏れ
・棚卸しと実在庫の食い違い
・特急案件での「とりあえず出して後で戻す」管理
・パート社員や派遣社員への教育不足
これらをどのように可視化し、減少させていくかが鍵です。
ロス削減のための現場目線の工夫
リスト・可視化によるミスの防止
一番効果があるのは「見てわかる化」です。例えば、パーツごとに用途別の色分けバスケットやカゴを使用し、誰が見ても一目で判断できるようにします。さらに、各バスケットには伝票とバーコード付きのラベルをつけ、ピッキング時にハンディターミナルでスキャンする運用を徹底します。
用途・案件別の保管ゾーン分け
物理的な混在を避けるため、案件番号や品番単位でパーツ置場をゾーン分けし、「ここにはこれ」と現場レベルで整理する工夫も有効です。管理区画に入る際には担当者がその都度チェックリストにサインをする「誤使用防止の関所」を設けるとミスが激減します。
現場の端材・余剰パーツの見える化
意外と活用できるのが、端材や生地カットで余ったパーツの集計です。これをバーコードで一覧化し、「次回案件で使える小口在庫」として活用するルールを作れば、材料費の低減にもつながります。
デジタル技術の活用によるロス削減
在庫管理システム導入のススメ
中小規模の現場でも簡易なクラウド在庫管理システムの導入が容易になりました。パーツごとに入出庫記録を管理し、リアルタイムで在庫推移とロット番号を追跡できれば、管理者やバイヤーは異常出庫の都度アラートを受け取れます。こうしたデジタル化は、昭和世代にも「手書き管理の手間が減る」という利点を訴求すれば定着しやすいです。
生産スケジュールと連動した必要数自動計算
受注から工程計画までをシステム連動すれば、各工程で必要なパーツ点数を自動計算し、手配ミスや過剰発注の防止につなげることができます。これにより、コスト構造の透明化と効率化も同時に進みます。
教育と意識改革が決め手
現場教育の仕組化
効果的なロス削減には、現場スタッフへの教育も欠かせません。特に、複数現場やパート・派遣社員が混在する環境では、作業ルールやチェックリスト、異常時の報告フローを紙でもデジタルでも「仕組み」として明文化しておくことが大切です。
全体最適志向のバイヤー・サプライヤー連携
ロス削減を単なる「現場の問題」と捉えず、バイヤー側とサプライヤー側の双方が「無駄を減らし、お互いがウィンウィンになれる」全体最適思考を持つことが重要です。例えば、余剰パーツや端材の再利用ルートをサプライヤー・バイヤー協議の場で共有することで、資源の有効活用を推進できます。
ラテラルシンキング的アプローチの提案
「必要数の8割」を基準とした発注・調達
「保険をかけて10~15%上乗せ発注」が習慣化しやすい業界ですが、これが慢性的な余剰・ロスに直結します。例えば「必要数の8割」を意図的に発注し、不足分は端材ストックや別案件のパーツと組み合わせるラテラルシンキングを取り入れると、自律的なロス圧縮と現場の自立性向上につながることもあります。
パーツ自体の共通化・モジュール化思考
これも現場単独では難しい部分ですが、設計段階で異なる製品でも同一パーツを流用可能な設計(モジュール設計)をバイヤーとサプライヤーで推進すれば、余剰パーツの横展開やリサイクルの余地が広がります。現場目線で「このパーツを他案件にも使えないか?」と逆提案する姿勢が、バイヤーから信頼されるサプライヤーの立ち位置を築きます。
まとめ:付属パーツのロスは現場改善の原点
OEMアウターに限らず、付属パーツのロスは現場改善の大切な起点です。昭和世代のアナログ管理も、現代のデジタルやラテラルシンキング(横断的・創造的発想)を取り入れることで、新しい効率化の地平を開くことができます。管理職経験者として断言しますが、地道な現場ルール徹底と「なぜ発生するのか?」を深掘りし続ける姿勢、バイヤーとサプライヤーが共に知恵を絞ることが、最終的には最大のロス圧縮と働く人たちの満足につながります。
今後も「あるある」なミスや改善事例を社内外でシェアしながら、製造業の未来をともに切り拓いていきましょう。