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投稿日:2026年1月9日

製造業の会社に就職する学生たちに事前に知っておいてほしい業界の本音としての人手不足

はじめに:製造業の現状と人手不足の実態

製造業に興味を持つ学生や新社会人の皆さん、ようこそものづくりの世界へ。

「安定した業界」「手に職がつく」、そんなイメージで製造業を志す方も少なくありません。

ですが、実際に現場を覗いてみると、昭和の時代から続くアナログな文化が根強く残り、「人手不足」という非常に大きな課題と日々向き合っているのが実情です。

今回は、製造業の現場で20年以上働いた経験から、特にこれからこの業界を目指す学生や、サプライヤーの立場でバイヤーの考え方を知りたい方に向け、「人手不足」の本音と現場のリアルをお伝えします。

人手不足はなぜ起きているのか

団塊世代の大量退職と世代交代の遅れ

2000年代後半からの団塊世代の大量退職は、製造業にとって大きな痛手となっています。

多くのベテラン作業者が一斉に職場を去り、その技術やノウハウを十分に次世代に継承できないまま現場の知識は失われつつあります。

さらに、人員補充が追いつかず、「一人当たりの仕事量が増える」「現場で教える余裕がない」といった悪循環が加速しています。

若年層に人気がない理由

大学進学率の上昇やIT業界の人気も相まって、ものづくりの現場に若い人材がなかなか入ってきません。

「3K(キツイ、キタナイ、キケン)」のイメージが根強く、工場=肉体労働という古い先入観を持つ方も多いです。

結果、採用活動を行なっても応募者は減少、現場スタッフの高齢化が進んでいます。

デジタル化の遅れが作業効率を下げている

IT化・自動化に二の足を踏む企業では、紙の帳票や手作業での集計など、非効率な作業がまだまだ残っています。

「人がやって当たり前」「属人的なやり方がベスト」という価値観が抜けきらず、優秀な人材ほど現場の煩雑さに嫌気が差して離職する例もあります。

バイヤー志望者・サプライヤーから見た「人手不足」の現場

調達購買部門の目線

製造業のバイヤーは、サプライヤーから最適な製品・部品を調達する、いわば「要」となる存在です。

しかし、人手不足が進むと納期遅延や品質トラブルが頻発し、バイヤーが調整役として奔走するシーンが増えます。

サプライヤーに「なぜ遅れたのか」と問うと、ほとんどが「人手が足りない」という返答。

サプライヤーを選定する際も、「工場の自動化を進めているか」「新人教育の体制がしっかりしているか」といった点が評価の基準になります。

サプライヤーとしての立ち位置

「人手不足だから納期を延ばしてほしい」と言っても、バイヤーはなかなか納得してくれません。

ですが裏を返せば、「人材定着の仕組み」「業務の効率化」「教育時間の確保」などにしっかり取り組んでいるサプライヤーは、市場価値がどんどん上がる時代となっています。

サプライヤーが自社の競争力を高めるには、「人が辞めない職場」「人が育つ仕組み」を今こそ本気で考える必要があります。

アナログ文化が人材不足を加速させる構造

昭和的マインドの残る現場

多くの工場では、「見て覚えろ」「先輩の背中で学べ」というやり方がいまだ主流です。

「作業手順書がない」「教育資料がバラバラ」という状況のまま、新人が現場に放り込まれることもしばしば。

一定の年齢層以上の方々にとって「それが当たり前」かもしれませんが、今の若い世代は「腹落ちできる理屈や、再現性のある手順」を求めています。

このギャップが新入社員のモチベーションを下げ、離職率の上昇につながっています。

紙ベースの業務フローに頼っていないか

日々の生産計画や品質記録が「手書きの紙」で管理されている工場も珍しくありません。

パソコンによるデータ入力や自動化ツールの活用を進めない限り、作業の属人化は一向に解消されません。

IT化が進んだ工場では、同じ作業を誰でもできるよう標準化し、新人教育や業務引き継ぎの負担を大きく軽減しています。

「アナログ」から「デジタル」へ舵を切ることが、人手不足の根本解決に直結します。

人手不足をチャンスに変える発想法

人員が少ないからこそ「多能工化」への転換

一つの工程しか担当できない、というやり方ではもう現場は回りません。

「組み立てと検査を両方こなす」「品質チェックもできる現場スタッフを育てる」など、多能工化を進めることで、少人数でも生産性の高い工場運営が可能になります。

人手不足は、多能工の育成プログラムを本格導入する絶好のタイミングでもあります。

自動化・省人化設備の積極導入

人材が確保できないなら、「ロボット×人」という新しい生産体制の構築が不可欠です。

初期投資はかかりますが、長い目で見ればコストダウン・品質向上・社員の負担軽減すべてにつながります。

現場で自動化設備を導入し成功した経験上、「現場の声を取り入れながら、少しずつ自動化を進める」ことが失敗しない唯一の方法です。

働き方改革で人材確保の裾野を広げる

現場の交替制勤務やシフト制の柔軟化、さらには女性や高齢者も活躍できる作業環境の整備は、人手不足対策としても効果絶大です。

「製造業の現場は男性中心」という偏見を破り、多様な人材が活き活きと働ける職場づくりに着手する企業も増えています。

今後の製造業に入る学生や若手へのアドバイス

アナログを受け入れつつも変革の視点を

製造業の現場では、いまだに紙の伝票や手書きの作業指示書が主流な会社も少なくありません。

最初は「時代遅れ」と感じるかもしれませんが、「なぜこのやり方なのか」「なにが非効率なのか」を掘り下げて考える力を持ってください。

そして、「少しでも良くできることはないか」とラテラルシンキングを忘れず意見を発信してください。

そのひと工夫が現場改善の大きな一歩になることもあります。

「人が育つ」現場で経験を積もう

成長できる環境を見極めるためには、会社説明会やOB・OG訪問で「教育体制」や「キャリアパス」をしっかり確認しましょう。

「若手が主体的に動けているか」「離職率は高くないか」という観点で会社選びをすれば、20年、30年後も必要とされる人材に必ずなれます。

人手不足をチャンスに変えられるマインドを持つ

「やるべき仕事が無限にある」ことは実は成長の大チャンスです。

企画・開発・生産管理・品質保証……手を挙げれば、どんどんいろんな経験ができるのが今の製造業の現場です。

一人の存在感、一人の意見の重みが大きな業界だからこそ、「変革の旗手」として活躍できる舞台が広がっています。

まとめ:人手不足の「現場目線」を武器に、製造業の未来を切り拓こう

製造業の人手不足は「危機」であると同時に、新しい価値観・仕組みを導入できる「変革のチャンス」でもあります。

現場がどう苦しみ、どこに課題があり、どう変化を求めているのか――これを正面から見つめることが、皆さんのキャリア形成に必ず役に立ちます。

固定観念にとらわれず、ラテラルシンキングを武器に「現場の本音」を感じて、課題解決への新しい一歩を踏み出してください。

そして、製造業の発展に新しい風を吹き込む、そんな人材にぜひなっていただければうれしいです。

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