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構造解析を強度設計に活かす材料力学評価とCAE活用ポイント

目次
はじめに
製造業の現場では、製品の品質と信頼性を担保するために、設計段階での強度確保がかつてないほど重要になってきました。
強度設計は、設計者の経験や勘に頼る時代から脱却し、材料力学に基づく構造解析、そしてCAE(Computer Aided Engineering、コンピューター支援工学)の活用へと進化しています。
この記事では、材料力学評価と構造解析の基礎、CAEを最大限に活かすためのポイント、そして昭和的手法と現代のデジタル手法が融合する現場のリアルを解説し、強度設計の実務に役立つ知見をお伝えします。
材料力学評価の基礎と現場感覚
材料力学評価とは何か
製品設計において材料の特性(引張強度、降伏点、ヤング率など)を正しく評価することは、構造解析の出発点です。
部品や構造体にどんな外力が加わるか、その結果どのような変形や破壊が生じるかを、材料力学の理論に基づき予測することが求められます。
現場でありがちな課題
多くの現場では「この鋼材は過去にも使って大丈夫だった」「肉厚を数ミリ厚くしておけば安全だろう」といった、“経験則”に頼る設計が根強く残っています。
これは品質トラブルやコスト増、材料ロスの原因にもなりかねません。
材料力学評価を正確に行うことで、適正な肉厚設計や材料選定が可能となり、無駄な安全マージンから脱却できます。
データベースと現物評価の使い分け
実際の設計では、JIS規格や各メーカーのカタログスペックを参照して設計値を決める場合も多いですが、ロットや製造工程で差異が発生することもあります。
重要な部品では、実試験(引張試験や疲労試験など)を行い、実際のデータを活用する文化を根づかせることも、現場力強化のカギとなります。
構造解析の意義と活かし方
構造解析の基本
構造解析は、力やモーメントが構造体に及ぼす応力・歪みを理論的に算出し、壊れない・変形しすぎない最適な設計を目指す技術です。
梁や柱、フレーム構造なら部材毎の応力計算やモーメント計算、接合部の強度検討が必須になります。
アナログ手法とデジタル手法の融合
ベテラン技術者は“定スパン計算”や“モーメント図”など手計算が得意です。
一方、近年は解析ソフトの普及により、複雑な形状や荷重条件でも短時間で結果が得られるようになりました。
ただし、解析結果の本質を読み取る力がなければ、“きれいな色分けストレス図”に頼りきる危うさ(ブラックボックス化)も生じます。
現場で役立つフィードバック
解析と現物の乖離を把握するためには、製造現場や品質保証部門との連携が不可欠です。
設計段階で見落とした応力集中や、実際の破損事例から逆算して解析条件を見直す“逆引き思考”も重要となってきます。
CAEの活用ポイント
CAEの導入意義とメリット
CAEは膨大な計算を短時間で行い、現実に近い挙動予測や“設計検証の高速化”を実現します。
創造的な新製品開発やVE(Value Engineering)活動、量産立上げ前のリスク低減など、製造業の競争力アップには不可欠なツールです。
昭和的手法からの脱却と“使いこなし”
「ベテランは解析ソフトを使えない」と言う現場もまだ多く見られますが、若手が道具として扱いつつ、昭和的な現場合理主義=実物評価・勘所などとうまくハイブリッドすることが理想です。
たとえば、応力集中や安全率設定は解析任せにせず、実際のNG事例・過去トラブルも入力してツールの“目利き”として人が介在することが大切です。
CAE活用の現場ポイント
– 経験値の蓄積(過去の設計・不具合事例、検証データベース)を設計者間で共有する
– 解析モデルの正確な条件設定(荷重、拘束、接点摩擦など)に現場知見を反映させる
– 既存ベテラン技術者とCAEオペレーターの連携、相互レビュー体制を構築する
– 解釈に迷った際は現物試作や実験、現場ヒアリングで“理論と現実のギャップ”を埋める
最新トレンドとバイヤー・サプライヤーの視点
グローバル化と強度設計
製造業のグローバル展開により、取引先ごとの規格や法規制対応が求められる時代です。
バイヤー視点では「この部品は他拠点でも安全か」「海外調達品で強度不足は生じないか」という不安が常につきまといます。
一方サプライヤーとしては「自社でCAE解析や材料力学評価まで対応できます」とアピールすることで、QCD(品質・コスト・納期)の優位性を示せます。
“強度保証型サプライヤー”の躍進
一歩進んだサプライヤーは、単なる部品供給ではなく、材料選定・解析・試作・現物評価までワンストップで対応できる“強度保証型”へ進化しています。
これによりバイヤー側は、海外含めた調達網の最適化と調達リスクの低減が可能となります。
これから求められる人材像―ラテラルシンキング発揮のすすめ
設計-現場-解析の一体化へ
今後は「設計者=CAEが読めて現場も見える」「サプライヤー=解析と提案ができる」という垣根のない人材が求められます。
「材料力学評価も、CAEも、現場合理も、全部わかる」そんなラテラルシンカー(横断思考型)が、旧来の“縦割り職域”にとらわれない活躍を示すことでしょう。
違う視点同士をつなげ、新たな価値を生み出す力が強度設計の現場にも求められています。
まとめ
強度設計の現場で材料力学評価と構造解析、さらにCAEの活用は、単なる技術論にとどまらず、設計者・購買担当者・サプライヤー全体を巻き込んだ“現場価値の共創”へとステージが上がりつつあります。
昭和時代のアナログな良さ、経験則の知恵と、現代のデジタル解析の精緻さを結び付けるラテラルシンキング的な発想が、これからの製造業を大きく変えていくはずです。
現場と理論、設計と分析、バイヤーとサプライヤー――それぞれの立ち位置から構造解析や材料力学をどう活かすか、今一度自分ごととして考え、実践を積み上げていくことが、製造業のさらなる進化に直結します。
この記事が、みなさまの業務改善やキャリア開発、新たなチャレンジのヒントになることを願っています。
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