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OEMパーカーのサイズ感を安定させるための測定と品質保証体制

目次
はじめに:OEMパーカーのサイズ感、それは「次の価値」につながる課題
パーカーはカジュアルウェアの定番として、多様なシーンで着用されるアイテムです。
そして昨今、アパレル業界では独自デザインによるOEM(Original Equipment Manufacturing)パーカーの生産依頼が急増しています。
こうした中で、最も現場を悩ませるのが「サイズ感の安定」という課題です。
発注をするバイヤーも、受注を受けるサプライヤーも、エンドユーザーの満足を確実にするには、いつも同じサイズ感を維持することが不可欠です。
しかし、昭和から続くアナログ現場では、サイズのバラつきが「まあこんなもんだろう」と受け止められることも珍しくありません。
本稿では、20年以上の現場経験と管理職目線から、「OEMパーカーのサイズ感を安定させるための測定と品質保証体制」について、ラテラルシンキングで深掘りします。
最新の業界動向やデジタル化の余地も交え、実践的なノウハウを共有します。
サイズ感の安定が難しい理由:素材、工程、時代背景の三重苦
パーカー「あるある」‐ そもそもの前提が甘い
OEMパーカー製造において、サイズのバラつきが生じる要因を整理すると、意外なほど根本的な部分に根差していることが分かります。
まず、現場でよく聞くのが「素材によって伸縮率が違う」「乾燥工程の調整が難しい」「サイズ表を読めていない」などの声です。
つまり、製造プロセスの各所に「標準化されていないグレーゾーン」が存在するのです。
また、発注側が求めるサイズ感の定義が曖昧だったり、パターンナーとのコミュニケーション不足による「感覚のズレ」も多く見受けられます。
とりわけ、アナログ管理が根強く残る日本のアパレル縫製工場では、現場作業者の“勘”に依存した作業も依然として多いのが現状です。
バイヤーもサプライヤーも悩む「仕様書の壁」
バイヤーがサプライヤーに発注する際、仕様書やパターン指示書を渡します。
しかし、その解釈のズレがバラつきを生みます。
たとえば「身幅は±1cmでOK」なのか、「XXLのみ少しだけ広げて」など、言葉や数字だけでは伝わらない体感があります。
また、海外工場に生産を委託する場面では、単純な翻訳の問題だけでなく、「国ごとのサイズ基準」も加わり、想定外の誤差が生じやすくなります。
パーカーのサイズ感を安定させるための測定基準
1. 測定点の統一:寸法ポイントを明確にする
サイズ感を安定させる第一歩は、「どこをどう測るか」を工場内・外注先ともに厳密に統一することです。
パーカーの代表的な測定ポイント(例):
– 着丈:背中心から裾まで
– 身幅:脇下直線
– 裄丈:後ろ襟ぐり中心~肩先~袖先
– 袖口幅、裾幅
これらを「どこからどこまで」「どのようにして測定するか」をイラストや写真付きで仕様書に記載し、全関係者の理解を促します。
可能ならサンプル段階で「測定マニュアル」を現物付きでやり取りし、バイヤーとサプライヤー双方で「解釈を合わせる」作業が肝要です。
2. マスターパターンと基準サンプルの活用
消費者が最も敏感に感じるのは、サイズ感の「ちょっとした違い」です。
そのぶれを最小化するためには、“絶対的な基準”が必須です。
そのために、マスターパターン(原型型紙)と「基準サンプル」を共同で制作して管理する手法があります。
サプライヤーが縫製前に基準サンプルと擦り合わせる仕組みを入れることで、現場の「慣れ」や「勘」によるぶれを抑制できます。
3. 数値と感覚の両輪を持つ:AIや3Dアバターの活用も視野に
アナログ業界では「着心地」で判断をする傾向が強いですが、これからの時代は2方向アプローチが要です。
具体的には「数値基準(cm単位)」+「実際に着用したときのフィッティングチェック」を併用します。
近年のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を活用し、3DアバターツールやAIフィッティング解析ソフトを使い、仮想的に着用シミュレーションを行うことで、「数値だけでは分からなかった違和感」も事前に把握しやすくなりました。
品質保証体制の構築:現場に「見える化」と「多層チェック」を
現場で定着させたい「3つの品質保証ステップ」
1. 原材料受入時のチェック
素材段階から「必要寸法」「伸縮性」「縮率」などの基準を満たしているかを確認します。
とくにパーカーはリブや裏毛など伸縮素材を使うため、過去の数値だけでなく「ロットごと」「シーズンごと」に基準値再確認が不可欠です。
2. 中間工程でのサンプル測定
裁断直後や半製品状態で「基準サンプル」と突き合わせ、工程ごとのバラつきを早期発見します。
これを工程内でルーティン化することで、後戻りコストを圧倒的に圧縮できます。
3. 出荷前最終検査
完成品の抜取検査では測定スタッフ以外の多層(クロスチェック)で確認を徹底します。
また、検査結果は全ロット分をデータベース化し、問題発生時に遡ってトレーサビリティ制度を機能させます。
「昭和の勘」と「デジタル管理」の融合が新しい現場力に
今なお熟練者の目や勘が重要な現場力ですが、これに「誰でも同じ品質が担保できる」デジタル管理を加えることで属人性を排除し、生産ライン全体の品質底上げが期待できます。
たとえ現場が紙カルテ文化であっても、ExcelやGoogleスプレッドシートなどのシンプルなデジタルツールから導入すれば、無理なく「見える化」の一歩を踏み出せます。
OEMバイヤー・サプライヤー双方が押さえるべきポイント
バイヤー(発注側)が重視する視点
– エンドユーザーの「理想の着心地」をどこまで具体的に言語化・数値化できるか
– サプライヤーに「なぜこの数値基準が大事か」を現場用語で伝え、巻き込めるか
– 生地手配や中間工程でのサンプルチェックなど、サプライヤーの現場管理状況の可視化
サプライヤー(受注生産側)の現場改善ヒント
– 「仕様書読解会」など発注者と相互に品質の解釈を擦り合わせる場を持つ
– 生地のロットずれ、パターン修正履歴など「変動情報」を記録・管理しトラブル予防
– 測定スタッフ、縫製担当、最終検査担当の連携強化(多層チェック)
– 不具合発生時の対応マニュアル整備、クレーム時の迅速レスポンス訓練
アナログ業界でも始められる!品質管理デジタル化の第一歩
– 測定データや修正指示書、検査報告書のデジタル化(スマホ写真つきも有効)
– Web会議でのサンプル擦り合わせ会議の定期開催
– 仕様書やパターンデータのクラウド共有(Google DriveやDropbox等も活用)
無理に全体DX化を狙わず、「現場の小さな困りごとを1つずつデジタルで解決」するステップが、アナログ業界でも定着しやすい道です。
まとめ:サイズ感の安定は「未来への信頼」と直結
OEMパーカーのサイズ感の安定は、現場の手間やコストを抑えるだけでなく、そのブランドの「信頼とリピート」に直結します。
昭和のやり方×新時代のデジタルを賢く掛け合わせ、数値と感覚、職人技と仕組み、現場と管理部門が三位一体となった「多層品質保証」を確立する。
それこそが、激変するアパレル業界で勝ち抜くためのキーページです。
今、自社のパーカーづくりで「毎回サイズ感がブレてる」「現場から不満が多い」と感じている製造現場の方、バイヤーやサプライヤーの方は、まず“今のやり方を見える化”し、1つずつ確実に品質体制を磨いていくことから始めてみてください。
ものづくりが「次の時代」へと進化する、その一歩を、共に踏み出しましょう。
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