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アクリルコースターの印刷で発色を均一にするメッシュ数の選定

目次
アクリルコースターの印刷で発色を均一にするメッシュ数の選定の重要性
アクリルコースターは、その透明感や高級感から、ノベルティやグッズ、インテリア小物として高い人気を誇ります。
しかし、アクリルという素材に印刷するうえで「発色の均一性」を実現することは、未だに多くの現場で悩ましいテーマです。
中でも、シルクスクリーン印刷における「メッシュ数の選定」は、コースターの品質を大きく左右します。
この記事では、現場目線でメッシュ数がなぜ印刷のクオリティに直結するのか、その理由や選定ノウハウ、そして最新動向や実践的な対応策まで、詳しく解説します。
そもそもメッシュ数とは何か?―基礎から分かる現場知識
シルクスクリーン印刷とメッシュ数の関係性
シルクスクリーン印刷は、版に細かい網(メッシュ)を張り、その目を通してインクを素材に転写する方法です。
「メッシュ数」とは、1インチ(2.54センチ)あたり縦横何本の糸があるかを示す単位で、“80メッシュ”“120メッシュ”などの呼び方をします。
数字が大きいほど網目は細かくなり、逆に小さいほど粗くなります。
この「メッシュの粗さ・細かさ」が、印刷時のインクの盛り上がり・発色・細かいディティール再現性に直結します。
メッシュ数がもたらす印刷への影響
低いメッシュ(粗い):
・インクの透過量が多く、べったりとした発色や厚みが出やすい
・ただし細かいデザイン表現には向かない
・発色は強くなるが、アクリルへのインクのにじみやムラの原因にもなりやすい
高いメッシュ(細かい):
・繊細なデザインの再現が可能
・インクは薄付きになり透明感やシャープさが出るが、薄すぎると発色が弱くなる
・細かすぎるとインク詰まりやムラ、カスレも懸念
このように、発色の均一性を保つためには「用途」と「デザイン」「再現性」「量産性」などあらゆるバランスを考慮しなければなりません。
アクリルコースターの現場が悩む“昭和な壁”と最新動向
昭和から抜け出せないアナログ作業の実態
長年の製造現場を知る身から見れば、シルクスクリーン印刷の現場は今でも「職人の勘」が大きな要素を占めています。
同じアートワークでも、熟練作業者によってメッシュ数や混ぜるインク量が微妙に変わる。こうした「現場力」が昭和型ものづくりの強さでもありました。
ところが、「均一な品質」「クレーム削減」「効率の最大化」などDX(デジタル化)が叫ばれる今、同じ工場内でもロットごとのばらつきや、オペレーターごとの品質差が大きな課題となっています。
求められるバイヤー視点と自動化・標準化への波
アクリルコースターのバイヤー(調達担当者)にとっては、「どの現場でも同じ品質が調達できる」ことがビジネスの大前提です。
特にノベルティやグッズ用途はユーザーの目も厳しく、単に“安いから”ではなく“均一で高品質だから”選ばれる時代になりました。
ここ数年は版の作成から印刷機の自動化まで、工程の標準化・デジタル化を進める会社が増加中。
メッシュの選定基準も「職人の経験」から「パラメーター+データ重視」へと移行し始めています。
実践!アクリルコースターの発色均一化に効くメッシュ数選定プロセス
1. 印刷デザインと求める仕上がりイメージ
まず商品企画で、どんな色味・質感を出したいか、どれほど細密なデザインか、クリア感をどこまで活かすかを確認します。
例:
・色数が多く鮮やかに発色させたい →80~120メッシュ
・1色でベタ塗りしたい →低め(80~100メッシュ)
・細かい線画やグラデーションを美しく →120~200メッシュ
2. 素材特性と下地インクの有無
アクリルはプラスチックの中でもインクが乗りやすく、ただしツルツル感(滑り)による“にじみ”注意が必要です。
・下地として白インクを刷ると、上刷りの発色がぐっと増す
この場合、下地は低メッシュ(インク厚め)、上刷りは高メッシュ(発色・細密)などの組み合わせが有効
3. 色ごと・デザインごとのメッシュ数分け
多色印刷や複雑な柄では、色ごとにメッシュ数を調整するのが上級テクニックです。
例えばベース色は90メッシュ、細い輪郭線は150メッシュなど、1つのコースターにも複数メッシュを使うことでムラの抑制と発色の両立ができます。
4. 予備実験と品質基準の設定
現場で必ず行いたいのが「テスト印刷」です。
同じデータ、同じインク、同じ環境下で80/100/120/150/200メッシュすべてを刷り比べてみて、色ののり・均一性・細密感・ムラの出方を確認。
最終的には「人目で分かるムラ・にじみ・カスレがない」「受注先の色指定(DIC/PANTONE等)に最も近い」ものを選定します。
現場からのヒント:均一な発色のためのプラスワンテクニック
印刷環境の安定化が肝心
どんなに優秀なメッシュを選んでも、現場の温度・湿度・静電気・埃などで発色は大きくブレます。
アクリルコースターの頃合いなら、エアコン完備・作業台の帯電防止・埃対策などを徹底しましょう。
インク粘度と撹拌管理の徹底
インクは生もの。
気温や湿度で日々粘度が変化し、これがムラの原因になります。
攪拌機や自動混合システムを活用し、始業時・途中検査時にも都度チェックする習慣が重要です。
版洗浄・保守を怠らない
印刷中に目詰まり(ドライアップ)したメッシュは均一発色の大敵。
製版工程〜印刷工程でのこまめな洗浄や、版そのものの定期交換を怠らないよう管理しましょう。
バイヤー・サプライヤーが知るべき今後の変化
アクリルコースターの印刷品質管理は、古き良き職人力×デジタルデータ管理の組み合わせが主流となりつつあります。
今後は「どのメッシュを選ぶか」だけでなく、「なぜそのメッシュを使い、どのくらいのロットで均一化できるのか」という再現性を示すことが、バイヤー・サプライヤー双方の信頼構築のカギとなります。
また、AI検査や画像解析装置による自動ムラ検出、印刷条件のクラウド共有、データベース化といった仕組みも急速に導入が進んでいます。
「うちは職人技だから大丈夫」ではなく、データで品質を裏付け、現場〜営業〜調達までワンチームで取り組む体制が、今後の競争を制すポイントになるでしょう。
まとめ:メッシュ数の最適化がアクリルコースターの品質を決める
発色の均一性を追求することは、たかがコースター、されどコースター。
現場のムラや仕上がりのバラつき1つが、会社ブランドやユーザー体験に直結する時代になっています。
シルクスクリーン印刷のメッシュ数選定は、アナログな職人芸からデジタルな現場管理まで、あらゆる要素がカギを握ります。
仕様・デザイン・商流・現場能力を見つめ直し、標準化+ノウハウ伝承の流れを根付かせることで、令和時代のものづくりへと進化していきましょう。
工場で働く皆さん、バイヤーを志す皆さん、そして品質向上を目指すすべてのサプライヤーの皆さんに贈る、現場からの真のメッシュ選定論。
良いものづくりを現場から、ぜひ一歩でも前へ進めていきましょう。
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