モバイルスタンドシートOEMが芝生を傷めない広面積ベース＋折り畳み設計

モバイルスタンドシートOEMが芝生を傷めない広面積ベース＋折り畳み設計の魅力と実際

モバイルスタンドシートは、アウトドアイベント、スポーツ観戦、キャンプなど様々なシーンで利便性が高まり需要が急増している商品です。
OEM（Original Equipment Manufacturer）の形で多くの企業が参入するなか、「芝生を傷めない広面積ベース」「折り畳み設計」というキーワードは、これまでのモバイルスタンドシートで見過ごされてきた課題に真正面からアプローチしています。
この記事では、長年製造業に従事し、現場目線で課題解決に挑んできた筆者だからこそ語れる、ユーザーもバイヤーもサプライヤーも知って得する実践的なノウハウや業界動向を解説します。

なぜ“芝生を傷めない”モバイルスタンドシートが求められるのか

かつては「シートの下に何があろうと、とにかく座れればよい」という風潮が強かったですが、最近はイベント主催者や自治体・施設管理者から“芝生への配慮”が強く求められています。
SDGsや環境問題への社会的な意識向上もあり、後片付け時に芝生や地面が痛んでいればクレームや再利用の制限に繋がることも珍しくありません。

特に日本の公園やスタジアムは芝生の管理に多くのコストと手間をかけており、芝生のダメージは環境維持の観点でもサスティナビリティでも避けたいポイントです。
そのため土壌踏み固めのリスクが高い狭小脚部や尖ったフレームは敬遠され、広くてフラットな接地面が強く求められるようになりました。

広面積ベースの設計が与える実際の効果

モバイルスタンドシートの“広面積ベース”とは、着座・設置した際に地面との接地圧力をできる限り分散し、芝生や地表へのダメージを最小限に抑える構造を指します。
例えば
・一脚ごとの接地面積を従来比で2～3倍に拡大
・先端を丸めたり、厚みをもたせて沈み込みを防止
・フレームの連結部が地面を抉らないよう工夫
などが挙げられます。

この設計によって
– 芝生の根が切れたり、地面が窪んだりするリスクが大きく減少
– 設置・撤去後の芝生復元力が高まる
– 土壌沈下や水たまりの発生リスクが減る
などのメリットが見込めます。

筆者の現場経験から申しますと、同じ人数での使用でも“広面積化”されたベースの有無で撤収後の芝生の状態はまるで別物です。
これが近年、バイヤーやサプライヤー間でも選定基準の一つになりつつあるのです。

折り畳み設計で現場が救われる理由

モバイルスタンドシートは機能性・耐久性一辺倒から、より利便性・運搬性にもフォーカスされるようになっています。
折り畳み設計のメリットは多岐に渡ります。

第一に、イベント現場や倉庫オペレーションの省スペース化が図れます。
大量搬送時の積載効率が上がり、物流コストの低減にもつながります。

第二に、個人利用の場合も軽くコンパクトに収納できるため、持ち運びやすさが素直に“選ばれる理由”となります。
現代の消費者意識として「後片付けの楽さ」や「クルマで運んでも場所を取らない」点は無視できません。

第三に、折り畳みメカニズムを実装する過程で、金属フレームの剛性バランスや繰り返し使用時の耐久性など、生産設計上のノウハウが蓄積され“他社との差別化”にも繋がります。
OEMで他社との差別化を模索する場合、折り畳み設計の独自性や特許取得は大きな武器となり得ます。

昭和的アナログ思考から脱却し、新設計を市場へ浸透させる壁

実は製造業、とりわけ古くからのOEMサプライヤーの現場には“従来型”の設計マインドが根強く残っています。

– 「特殊な接地ベースはコストアップにつながる」
– 「可動部を増やすと耐久や手間が増える」
– 「部品点数が増加すれば不良率が上がる」
など、リスク回避型のアナログ発想が支配的です。

一方、現代のバイヤーは“デザイン性・SDGs・現場での実用性”など総合バランスでOEM先を評価します。
最終顧客に「これは新しい」「他とは違う」と感じてもらうには、設計段階からの常識破りが必須です。

現場で20年以上管理職として見てきた中で、新設計アイディア採用には以下3つの壁が立ちはだかることが多いです。

1. コストの壁
2. 生産効率（歩留まり）への懸念
3. クレームリスク増大への心理的抵抗

しかしこれらは、設計時のVA/VE活動の推進、保守管理・現場実験によるフィードバックループの確立、バイヤーとの早期情報共有などで着実にクリアできる壁でもあります。

サプライヤー視点で知りたいバイヤーの潜在要求

OEM、ODMビジネスでよくある勘違いとして
– 「仕様書に書いてあることだけ守れば良い」
– 「コスト最優先で設計提案は不要」
と思い込んでしまいがちです。

しかし、現代の多くのバイヤーは、“見えない現場課題まで含めて解決策を提案してくれるサプライヤー”を強く求めています。
たとえば
– 「現場でラクに広げられる折り畳み構造」
– 「地面に優しい広面積ベースで差別化」
– 「運搬や積み付け時に傷つかない梱包・設計」
といった部分に自律的に踏み込めるサプライヤーは、数年先も受注を伸ばせる傾向が顕著です。

実際に筆者が担当したOEM商談でも、「芝生を傷めない型」を先んじて開発・提案した企業の受注単価が従来比120～130％に上がりました。
バイヤーに「自社にないノウハウを補完してくれるサプライヤー」という安心感をもたらせるのは大きな強みです。